知人の国税専門官と飲みに行ったときのことです。高級クラブで、これはいくら取られるか、と不安でいっぱいでした。きれいなおねえちゃんがソファーの隣に座り、ママさんが顔を出したところで、知人が「学割で頼むで」と言いました。ママも心得ていて「はい、はい」と答えました。

このときは知人のおごりでしたが、参考に料金を聞くと、一人一万五千円でした。一人三万円はかかると聞いていたので「結構安いのですね」というと、知人は「テーブルチャージ、サービス料が無料だから。それで学割で、と頼んだの」と言います。

その後調べたら、このクラブのテーブルチャージ、サービス料はともに一万円以上とのこと。ただ座るだけで二万円は取られるところと知りました。「こんなところにも役得があるんだ」と思いましたが、考えれば当たり前のことで、税務署と仲良くして悪いことはないのですから、私もママさんだったら当然学割にさせてもらいます。今から25年以上も前のことですから、今も学割があるかは知りませんが、同じような役得は続いているのではと推察しています。

国税当局のOB税理士が現役の国税職員と飲むときはOB税理士が支払うとも聞きました。OB税理士に依頼するクライアント企業の思惑が脱税のもみ消しや徴税額の減額にあるのですから、現役をもてなすのは当たり前のことです。

また、OB税理士が開業する際、国税当局が顧問企業をあっせんします。国税庁の役職によつて何社を世話するかは違いますが、「3階建て」(3社あっせん)、「4階建て」(4社)といって顧問企業を割り当てているそうです。顧問料は1社につき5万円~10万円といわれ、4階建てなら少なくても毎月20万円、確定申告期にはその数倍の料金が入ってきますので、退職後の生活は困らないわけです。

OB税理士の事務所を訪ねた知人の話では、オフィスには机が一つあるだけで、税法関係の本を揃えた本棚さえないありさま。「これで仕事になるの」と聞いたら、「トラブったら、国税当局に行くのが仕事だから」と答えたそうです。これも四半世紀も前の話なので、現在ではこんんなOB税理士はいないと信じたいのですが‥‥。