オーディオブックの普及を妨げるもの | ナレーションから社会が見える

オーディオブックの普及を妨げるもの

普及を妨げている要因の8割はナレーター、読み手の質である。

と断言します。


オーディオブック業界に身を置いているので他者のオーディオブックをよく聴きます。

参考のために聴くこともあれば、勉強のために聴くこともあります。しかしほとんどの場合は趣味で聴きます。つまり、自分で聴きたいコンテンツを聴きます。本当に聴きたかったら課金してでも聴きます。


しかし、実用書系のオーディオブックはたいてい期待を裏切られます。


文芸系は朗読者の読み上げが多いのでそれほど裏切られませんが、実用書系はやっつけ仕事のせいか、制作費に限りがあるせいかはわかりませんが、オーディオブックで一番コストのかかるナレーターの費用をケチっている印象があります。


最近聴いたオーディオブックで残念だったもの。


「局アナ安住紳一郎」


これはやりにくかったと思いますよ。

安住紳一郎さんの語りで構成されている作品なので、聴く側はどうしても安住さんの顔と声をリンクさせてイメージします。

声がリンクしないのは仕方ないとしても、読み=喋りの技術がせめて普通レベルだったら何とか聴くことができたでしょう。

ナレーションがこんなレベルでオーディオブックを出してしまったら、安住さんに失礼なばかりか、オーディオブックへの失望感を助長してしまいます。


他山の石としなくては。