先日、パート先の職場に向かうため、いつものバスに乗ると、ぱっと見、空席がなかったのは分かったのですが、並んで乗り込んだ列の流れに押されて、最後部席まで車内通路を上がっていくと、5人は座れる長椅子にデデン!と幅を取り『俺の近くには座らせないぜ』と言わんばかりに、リュックと手提げカバンで両脇を幅広くガードしている大柄な男性が座っていました。

 

でも、私の後にはまだ乗客が詰めてきていたので、その男性が陣取っているその真ん前を横切って、窓際にぴったり寄って座っていた細身のスーツ姿の男性から少し間を空けた所に、私は座りました。

 

横切る瞬間に、私のコートがスッと触れたことに激怒したのか、幅寄せ大柄男性は、あからさまに荒らげた態度で自分のリュックを叩いて埃を落とすような仕草をしました。

 

「ちっ……」

 

 

私のコートの布地がフッと触れただけでも許せなかったのでしょうね。

 

コロナ禍が生んだ、ソーシャルディスタンスヒステリーなのかなんなのか。

降りる際には、私の横を通り過ぎる時に、

 

「しね! クソババア!」

 

と、激しい煽り台詞を耳元で吐いていきました。

 

 

 ――あ、私か、やはり。

 

 

終点駅前で、乗客皆がバスを降りてから、まだこっちを威圧するように振り返って睨んでいたのを見て、昨今ニュースを賑わしている『煽り運転』を思い浮かべました。

 

この幅寄せ男性は、激情任せの台詞を吐くだけで、睨みをきかせ去っていったからよかったものの、なにか一つタイミングが良くない方向で揃ってしまったら、殺傷事件になりかねなかったのではと、大袈裟でなく思います。

 

 

 ――しね! クソババア!…か。

 

 

そういえば昔、長女が中学校のバドミントン部の練習中に、同学年の女子部員に、『しね!』と言われて泣いて帰ってきたことを思い出しました。

 

あのときは、私もモンスターペアレンツならぬモンスターママとなって反撃、顧問と学年主任に食ってかかりました。

謝らないとその女子生徒のお宅に直接向かいます!と、鼻息を荒くして、やっと本人に謝らせました。

 

亡き娘(次女)はその点、そういう話はあまり家ではしなかったけれど、死にたいと思うほどの出来事はなんだったのだろうと、ずっと考えてはいます。

(たぶんアレかな、コレかなと、それらしい出来事はありましたし、今思えば、あの時話してくれたあの事が心の中で病んで??とは思いますが、はっきり答えてくれる声がないので、結局想像になってしまいます)

 

『死にたい』を、実行に移させてしまうようなことは、日々の暮らしの中で吸ってしまった複数の『嫌なもの』が浄化されることなく、毒となり蓄積されて、思い詰めていくことになったのが原因ということもあるでしょう。

 

 

しかし、それはそうと。

 

たとえ何かに触れてキレることがあったとしても、『死ね』なんて言葉は、自分以外の人に対して私は吐けません。

 

そんな言葉を吐いたあとは本当にスッキリするのでしょうか。

誰にでも吐けるのでしょうか。

(明らかに自分より強面の人間にも吐けるのでしょうか)

相手を、選んで吐いてるんでしょうか。←選ばれた?

 

 

娘が自死でこの世から姿を消してから、こういうことでもほとんど怒ることがなくなってしまっていた自分でしたが、この日は少し腹が立ちました。

 

さすがに追いかけて言い返すことはしませんでしたが、パート先の先輩に愚痴撒きしました。

(他にも、聞いてくださった皆様ありがとう(^_^;))

 

 

 

ひょっこりと以前の私が顔を出してきている?

 

わかりませんが。

 

まわりの様子に気を留めるようになったというのか、なんというのか。

娘に先立たれたあとはそれどころではなく、どう道を歩いてきたのか、気に障る相手もいないし、気に障る人にもなれず、存在感のない状態で息だけしてきた時期も長かったように思いますから。

 

 

今朝、出くわしたばかりの見知らぬお兄さんに、しね!と煽られても、死ねないのですよ。

 

大切に育ててきた我が子に先立たれて…自責の刃を自分に向けることがあっても、こうして死ねずに…、死なずに、生きてきてるんです。

 

そんな暮らしも、あと少しで5年になるんです。

 

 

📷祈星−きらり− (オリジナル新作)

 

 

📷星のかけら

 

 

📷雪華

 

 

アートワークの打ち合わせで、まりー講師さんの新作を拝見☆

世の排気ガスで汚染された心が、すーっと浄化されるように思いました(^^)。

 

亡き娘にも生きているうちに、素敵なモノたちをもっともっと味わわせていたら、逝かずに済んだのだろうかと悔いは尽きませんが、今は、目には見えないだけで、亡き娘も共に味わえているように感じられることのほうが、私は多くなりました。

 

 

ほら、有ちゃんの好きな色もあるね。

対話しながら、一緒に今度はあれをやろう☆

星のしずく*管理人

 

 

 

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