民主党がマニフェストを公開した。まずは全体を見ての感想を書こう。


失望した。過半数と政権を狙う政党の公約としては非常に物足りない。コース料理を頼んだのに2皿しか出てこなかった気分。しかもそのうちの1皿はご飯だったり。


岡田代表は、「郵政を選挙の争点にしない。」と言ったし、「郵政以外にもっと大切なことがある。」とも言った。しかしマニフェストを読む限り、民主党として今すぐできる改革、すぐに着手できるだけの具体的な公約は郵政ぐらいしかない。これでは勝てないぞ。


他の改革、中でも特に目玉としている社会保障関連の改革ですら、希望的目標数値の掲載とか具体的な手法を欠いた題目表示にとどまっている。個別に見れば光るものがいくつかあるが、それは枝葉の部分だ。本丸となる大きな改革で、今すぐにでも法律にできるほど具体的な政策提示が無いのはどうしたものか。


前回の選挙で、自民党の郵政民営化公約は、「あの時点で何も決まってなかった」として造反者につけいる隙を残した。その失敗を受けての選挙なのだ。今度は民主党でも、同じことがおこるだろう。わかりやすい例として、
>道路、治水、港湾など公共事業関係6 特別会計のあり方を見直し、国直轄事業を半減した上で、重点投資を行います
をあげよう。半減するというお題目に民主党の全議員が賛成していても、いざ具体的な話になって、どの事業が中止になるか、という議論になれば、必ず地盤を持つ議員が反対派に回る。後から抵抗勢力に邪魔されないよう、中止事業を決めるルールとか、廃止になる具体的な事業名を、最初から明記していかないと、改革を実現できるマニフェストにはならない。


資料
民主党マニフェスト


追記だが、本当に国民に広く見せたいなら、 pdf みたいな一形式だけでなく、text なり html なりでも公開して欲しい。簡単でしょ。