「英語力」という言葉を聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?

 

いろんな方々がいろんなところで素晴らしい見解を示してくださっているので、私などがいまさら説明するまでもないかとも思いますが、私なりに自分の経験を交えながら少しお話したいと思います。

 

以前お話したように、私は多くの日本人が(かつて)そうであったように12歳で初めて英語なるものに触れ、以後何十年とこの日本の地で英語を学び続けてきた人間です。

 

学生時代には学校の勧めもあり英検を受験し、大人になってからはTQE(翻訳実務検定)を取得しました。それには理由があって、英検は(私の若い頃にはその他の検定が一般的ではありませんでした)ともかく、なぜTQEを取得したかというと、それは私が「翻訳」というものに焦点を絞っていたからです。

 

英語の資格にはご存知の方も多いと思いますが、以下のようなものがあります。

① 実用英語検定

② TOEIC

③ TOEFL

④ IELTS

⑤ JTF(日本翻訳連盟)主催「ほんやく検定」

⑥ JTA(一般社団法人日本翻訳協会)主催「翻訳専門職資格試験」

⑦ 知的財産翻訳検定 

⑧ TQE など

 

要するに、「目的に応じて」受ければいいのだと思います。

つまり、③なら学生さんなど留学や進学の際の参考資料等として役立つでしょうし、②なら企業なんかでは給与に反映されたりもするでしょう。④なら欧州に留学する人に向いているかもしれませんね。私もよくは知りませんが、教員時代に同僚の一人が練習していたのを見て知りましたが、確かライティングに特徴があるのだとか。

 

⑤~⑧が翻訳関連ですが、私の場合、⑧を選んだのは、サン・フレアという翻訳会社が主宰しているため、合格即登録→仕事を受注できると考えたからです。実際、初めての仕事はここから受けていて、今も関係は続いています。

 

そういえば、先日奈良の西大寺の駅で外国の方に話しかけられました。奈良駅に行きたいらしく、ホームの場所を尋ねられました。私は確か、Go to the track 1 or 2. It's only a short way. Please use an elevator there. とか言ったように思います。

 

ご存知のとおり、普段は家にこもっていることが多く、外国人はおろかあまり人と話さない日もあるのですが、まあなんとか少しは役に立てて良かったですあせる

 

どういうわけか、たまに外に出ると、よく人に話しかけられるんです。どうしてでしょうはてなマーク

 

何が言いたいかというと、英語にはもちろんReading/Writing/Listening/Speakingとあるのですが、私の場合、おそらくReadingが中心の生活なのだと思います。そんな私がたまたま友人と一緒にいるときに外国人に話しかけられると、その後「すごいね、英語しゃべれるんや!」などと言われます。

 

英語が日常生活とは全く関係のない人からすれば、そういう感じなんだとは思いますが、もちろん私のSpeakingの力など大したことはありません。会議での同時通訳者やその他の通訳者、通訳ガイドをしておられる方などの足元にも及びません汗

 

こんなこともありました。昔、教員時代に生徒を引率して、京都の宮津というところで外国人学生との交流会があり、そこで逐語通訳のようなことをさせられたことがありますが、もう一人女性の同僚英語教員がいて交代で通訳したのですが、冷や汗ものでした。普段学校ではあまり英語が得意でない生徒を相手にしていたので、その日は英語にかなり興味を持っている学生相手でしたので細かいことを聞かれたからです。しかも、2時間ほど、15分交代くらいでの作業でした。かなり疲れたのを今も覚えています。

 

そのとき思ったのです。「自分は通訳は無理だな」と。同じ「英語を使う」といっても違うんです。英語をしゃべる(あるいは聞く)には『瞬発力』が必要だと痛感しました。一方、翻訳の場合、「読解力」や「調査能力」がものを言います。どちらかというと、こっちが自分の適性に合っていたのだと思います。

 

先日お話した、戸田奈津子さん、彼女は長年トム・クルーズなどハリウッドスターが来日した際、通訳として活躍されていましたが、昨年でしたでしょうか、「引退」されましたよね。私が想像するに、きっと『瞬発力』に不安があったのだと思います。でも、ペースは落とされているでしょうけど、今なお字幕翻訳者としては現役ですよね。きっとListeningやReadingの力は今も相当なものだと思います。大したものですびっくり

 

私もあまり手を広げ過ぎず、今の自分ができることを地道に続けていければと思っています。もちろん、努力は必要ですが。

 

今日も長々とお付き合いくださりありがとうございました。

 

では、また。