翻訳の資格ですが、これって国家資格というのはないんですよね。一方、通訳の方は、通訳ガイド国家試験があるのはご存知の方も多いでしょう。

 

私の場合、翻訳者を志した最初の頃はあまりそうしたことは考えていませんでした。私が持っている資格はプロフィールにある通りですが、英検やTOEICが直接翻訳者と結びつくとは思えず、調べているうちに翻訳に関する検定試験がいくつかあるのを知り、そのうち、合格後翻訳会社に登録してもらえる(つまり、仕事を受注できる)翻訳実務検定TQEを受験することにしました。

 

当時(2012年頃)もそう簡単には合格できないことは聞いていましたが、独学で直接挑戦することにしました。

 

受験方法はオンライン上で送られてきた課題(A4用紙数枚程度)の英文を48時間以内に返送するというものでした。当時はまだ高校で教員をしていたので帰宅してから夜通しかけて訳文を作成したのを覚えています。1回目、2回目、3回目と不合格が続き、その間復習も徹底的にしたのですがなかなか合格には至りませんでした。それでもあきらめずに続けていると(しつこいのが取柄なんです照れ)確か5回目だったと思いますがようやく合格。その後、2年ほどして検定主催会社から仕事を受注することになりました。よく他のブログで英検やTOEICの得点表などを見ることはあるのですが、TQEのそれを目にすることはあまりないので、恥ずかしながら私のをご紹介します。

上が、受験者が受け取る総評で、下が合格者説明会で配布された該当回の資料です。ネット上でよく言われているようですが、これによると合格率は6%ほどになっています。

 

ご覧のとおり、70点以上が合格で、私が受けた回はたまたま2級合格者が1名いましたが、毎回ほぼ全員の合格者が3級で、しかも70点ぎりぎりがほとんどだと聞いたことがあります。

 

今、改めて思いますが、私の翻訳者としてのスタートはここだったように思います。

 

いろんなところで聞くのですが、英検にしろTOEICにしろもちろん合格したり高得点を取るのは大変なのですが、それが直接翻訳の技量に結び付くわけでない(特に英和の場合)のは翻訳の現場にいて身に染みて感じます。

 

細々と9年近く業務に携わってはいますが、今でも私にとっては一つ一つの案件がテストされているように感じるのです。

 

きっとこれからもそれが続くのだと思いますが、この緊張感が何とも言えないのですよね。実際、しんどくはあるんですが。。。

 

翻訳者を目指しておられる皆さんも、決してあきらめずに挑戦し続けてください。陰ながら応援しています。