豊富な語彙で
的確に、状況とその構造と
反応と反作用を説明しながら、
既成の意味や与えられた価値に
手な付けられることなく
どこまでも自由な在りの儘の存在で居ようとする。
絵画も 旋律も 空間も 自己さえも
高速ミキサーで粉砕し
かたちも 機能も 呼び名も 概念も無い
純粋な微粒子にまで次元分解してしまう。
異言とは、荒野に響く野生の遠吠えのように
直情的に訴えてくる魂のことだろう。
彼は、その明晰すぎる頭脳や
後天的に獲得してしまった
既成の価値観からもがき抜け出るように
時間を微分しては、
アートというかたちに積分してみせて
見るものの欺瞞をも砕き
焦燥感へと昇華させる。
記号化できない彼の遠吠えは
安っぽい「手法」へのアンチテーゼのようだ。
子どもみたいに嬉しそうに
たて笛のタンギングについて話す彼こそ
イドそのものなのだと感じた。
