高校の入学祝いに、
レスポールを買ってもらった。
我家にとっては安くない買い物だったと思うがそれには気付かなかった。
結局、秋丸と一緒に、
学校の屋上で煙草をふかしたり、
午前中で授業を抜け出してしまう、
とんでもないデカダンス学生に堕ちてしまうのだが。
あの頃の俺は、なんの目標も探し得なかった。
そこが、馬鹿の馬鹿たる所以だ!
おそらく、
もっともエネルギーのある10代後半を、
だれよりも無為に過ごしたのではないか。
結局、あのレスポールは大学の後輩に譲ってしまった。
獣医になった彼は、今頃どうしているかなぁ..
その時々で、自分にふさわしい目標を与えてやれるかどうかで、
人の人生は変わっていく。
小さな目標をその都度クリアしながら、彼は獣医になった。
俺はもう、取り返しの利かない歳になっちまったけど、
取り返すのではなく、せめてこれからのために、
今の自分にちょうどいい、夢を、探してやるつもりだ。
たまに、弾いてるか?
重いよな、レスポールは。
マホガニーネックの、とびきり重たいヤツ。
俺だって、あの頃は、弾けたんだぜ、ちょっとは。