死者数、4,800名を越え、雨が降り出した。

今日は、パン・トイレットペーパー・風邪薬などの援助物資を持って

甲子園から魚崎までの往復20kmの行軍となった。


目の前にそびえ立つのは、横倒しになった阪神高速、

中層階の全く潰れてしまったマンション、

小学校のグランドほどもある焼け跡、

傾いた大きなビルたち、まるでケガをしているように見える。

すっかり土に馴染んでしまった家屋も多い。

貼紙が其処此処に貼られている。

  ○○家、みな無事です。 ××に居ます。


被災地の学校や公共の文化センターでは、

トイレの匂いと、病気の匂いと、何かが腐っていく甘い匂いがして

涙が出てくるほど咽た。寒い外から教室に入ると、こうした

どろ~んとした匂いが、垂れこぼれてくる、水飴みたいに..


そんな壊滅状態の神戸の街でも、

食料や日用雑貨を売る露店が所々に発生している。

値段は高いが、やはり助かる。


ひっきりなしに走っていた自衛隊や警察車輌のサイレンが、

耳鳴りのように、まだ頭の中に響いている。