当時、福教大で憂歌団がLIVEやったりしてて、


残念ながらステージを見ることはなかったのだけれど、


大阪の教育大学を卒業した、天草出身の松本雄吉氏が


維新派という劇団を立ち上げてヂャンヂャンオペラという


面白い舞台を作っていたのを毎年のように観に行っていたのは、


福教大の憂歌団から何年か時を隔ててのことだ。



当時、空間構成の勉強も兼ねて出掛けた舞台は、


リフレインする言葉のもつリズムが幾重にもレイヤードされ


白塗りの人形みたいな役者は、ひとつひとつが部品のように


機能し作用する、そんな舞台だった。


それでも、巨大仮設劇場に張られた水やクライマックスに次々と咲く


白い花やグルグルと回転する巨大な歯車のような車輪や..


とにかく盛り上がるところでは、それまでの抑制がようやく解かれて


観るものの呼吸が知らぬ間に深くなるような、そんな舞台なのだ。



東さんの手掛けるポスターも良かったし、開園までの時間を


劇場前の屋台で一杯やりながら待つのも一興だった。


秋の南港は寒い。


焚き火で暖を取りながら熱燗を呑っていると、


憂歌団の木村さんがギター片手にちょいと唄ってくれたりして、


なんとも ゆる~い感じの 時間がいつのまにか垂れ込んでくるのだった。



当時の俺は、まだ喘ぐように日々を凌いでいた頃で、


ほんとに嫌になってばかりの陰鬱な日々を送っていた。


社会で生き抜く上での実力が、圧倒的に乏しかったし、


友達も味方も見つけることができないでいたし、


いつも独りで悶々としていたような記憶がある。


あの頃の俺の夢の、途中までは歩いてくることができた今も、


憂歌団の木村さんのダミ声が耳に蘇るときがあるんです。




【嫌んなった】

嫌になったもうだめさ

だけどくさるのはやめとこう

陽の目を見るかもこの俺だって

by憂歌団