前のコラムでご案内した和賀江嶋関連の2つの企画にちなんで、地球の楽校の長谷川先生からのメッセージをいただいたので、掲載させていただきます。和賀江嶋とそこに生息する生き物たちへの愛情にあふれていますね~。
新しい発見もきっとあること請け合い。ぜひご一読下さい。
みつけた生き物 教えてください!
◎和賀江島の景観
今では和賀江島と言い習わしますが、鎌倉時代は和賀江の湊とよばれていました。鎌倉時代に書かれた東鑑には、この場所は、港造成のため、はるばる伊豆かから石を運ばせて1か月も経たずに造ったと記されています、和賀江嶋は、我が国で現存するものでは最古の湊の遺跡として国指定の史跡となっています。
◎ごろた石の秘密
このように幾重にも重なる石の環境ができたのは、人が港造りの資材として、石を運び入れた結果ですが、その後、これ幸いとここを利用した者がいます。それは人間ではなくて磯を棲みかにしている海の海藻と磯の動物たちでした。丸い石は表面積が広くすき間をたくさん造ります。そのような環境は、海でくらす海藻と貝、エビやカニ、魚たちにとっては絶好の環境となっているのです。
◎生き物が暮らせる仕組み
人が組んだごろた石が何層にも重なる防波堤は、たくさんの生き物の棲みかを作りました。
・海藻の仲間 は光がごはん、日が当たるごろた石の上にしか育つことができません。
・ゴカイや貝の仲間 は光をきらい、ごろた石の裏側を選び棲みついています。
・エビやカニの仲間 は天敵に襲われないよう、石の下やすき間に棲みついています。
生き物それぞれには、居場所があるのです。
仮にごろた石をひっくり返してそのままにしてしたなら、岩の表面にしか生きられない生き物たちは死んでしまうことにも。ごろた石を一軒の家だとすると、このように家がひっくり返されたら、この家に私たちは暮らせるでしょうか。
◎皆さんにお願いしたいこと
和賀江島の生き物は、磯枯れ(海藻が枯れて生えてこない現象)と人間の過度の採集によりかつてのように生き物があふれかえる豊かな状態ではなくなりました。以前と比べたら、絶滅状態にあるといってもいい過ぎではありません。ですので、皆さんにお願いがあります。
〇生き物たちの家(居場所)であるごろた石をひっくり返し観察をしたら、天・地を確認して元の位置にもどしてあげてください。
〇生き物たちは冷えた海水の中で呼吸しています。採集したあとは、炎天下に置かず、海水をこまめに取り換えましょう。もしくは早めのリリースを!
〇生き物を飼うのはかなり難しいことです。飼育に自信がない方は、観察したら写真に残し、元いた場所に返してあげましょう。
〇食べるために持ち帰る人がいます。今の和賀江島の状況では、持ち帰りは、生き物たちの世界を根絶やしにしてしまいます。
このような生き物たちを守り残す事を願い、私達は生き物の市民調査プロジェクトを始めました。まずしたいことは、生き残っている生き物を調べてそのリストを作り、多くの人に和賀江島の自然のすばらしさを知ってもらうことです。皆さんも調査隊に参加して、今どんな生き物が暮らしているのか?調べた結果を教えてもらえませんか。
一緒に和賀江島の生き物図鑑を作りましょう。
「だいじょうぶ? 和賀江島 生き物調査プロジェクト」
非営利法人 一般社団法人 地球の楽校
