今日は「鎌倉市民活動フェスティバル」が社会福祉センターで行われ、午前中は地球温暖化対策の啓発DVD「私たちの未来」と「地球との約束」という2本のアニメを見た後に、極楽寺在住の環境科学者で気象予報士の登録番号第5号という、井手迫氏の講演をお聞きしました。

 

 

アニメで印象的だったのは、地球温暖化について登場人物の中学生たちが「みんな大人の世代の人たちの仕業だよね。私たちは何もやっていない」と言ったのに対して、彼らに地球温暖化について解説していた大学教授が、「そう、君たちはなにもやっていない。だけど、これからやれることはいっぱいある」と応じたしたシーン

 

確かに、これまでの地球温暖化は「大人たちの仕業」だし、「子ども世代の人たちは何もできなかったり、実際してこなかった」かもしれません。でもそれはさておき、「これからできることは多いし、やらなければならない」のは現実です。

 

また、私が少年だった1970年代、友達と環境破壊について議論したこともありましたが、大人になるにつれて(色んな要素から)そうした意識が薄れ、就職して企業活動に取り込まれていく中で、いつしか「しかたないことなのか…」と、諦めモードに傾いていったのを思い出しました。なので、「大人たちの仕業」ということは甘んじて受け入れなければなりませんが、「そういう大人たちも、幼いころには、今声をあげている若い世代と同じ気持ちだった。それが社会の抗いがたい大きな動きに感化され、またそれを甘受するという中で失われていった」ということは、付言しておくに足るでしょう。

 

井出迫氏の講演の中で印象的だったのは、「(温暖化の起点である)産業革命の頃から、地球の平均気温が1.5度上昇するとかなり致命的」というお話。その理由として、人間の体温に例えて「平熱が36.5度の人が38度になったらかなりしんどく、時には会社や学校を休まなければならないこともある。地球の気温も同じ。2024年の平均で1.55度上昇しているが、これは由々しき事態で、同じ状態があと3~4年続いたら取り返しのつかない状況に陥ってしまうかもしれない」ということでした。

 

温暖化の悪影響やその対策は、色んな機会に語られているしメディアでも報じられているので、ここでは触れませんが、「1.5度上昇の重み」をしっかりかみしめる必要性を強調させていただきます。

 

カエルを熱湯の中にいきなり入れると驚いて飛び出しますが、常温の水に入れて徐々に熱すると、カエルはその温度変化に慣れていき、ゆであがって死んでしまうという話があります。(実際は、ほとんどのカエルが跳び出すそうですが、「モノの例え」としてご紹介します。)

 

今の地球の温暖化もまさにそんな感じで、「猛暑と冷夏」、「厳冬と暖冬」、はたまた「例年通りの気候」が、複雑に入り乱れながら徐々に全体の温度が上がっています。1-2年という時間軸では大きな変化は感じないので、「大丈夫じゃね?」と感じるかもしれませんが、10年、20年以上という尺度でみると危機的ともいえる上昇幅になり得ます

 

人間だけではなく、地球上の生物たちが「ゆでガエル状態」にならないよう、やるべききことは多いですね。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

東水会 自治会長 

菅野 哲央