私が自治会長になる2年前の2018年(平成30年)に発行された

「材木座郷土誌(材自連編纂)」というものがあります。

材木座公会堂建設100周年を契機につくられ、材木座の全世帯に

配布されたものですが、ずっと書棚の隅っこに鎮座していました。

 

「初夏の和賀江島クリーンアップ・イベント」や五所神社のお祭、

「子供フェスティバル」に関わる中で、「一応読んでおこうかな」

という気持ちが湧いてきました。

 

因みに、こうした郷土誌は、市や町といった自治体や、

郷土文化研究会のような団体が編纂することが多いようです。

「鎌倉市」ではなくて「材木座」という地域に焦点を当てて

自治(連合)会がつくることは結構珍しいみたいです。

 

例えば、同様のものがお隣の由比ガ浜にあるとかというと、

少なくともGoggleった範囲では見当たりません。

一方で、この「材木座郷土誌」は、Amazonにも載っています(笑)。

 

読んでみると、(地元ネタとしても)なかなか面白いので

これから何回かに分けて「豆知識」的に掲載してみたいと思います。

※以後、( )内に本誌での掲載ページを記しておきます。

 

まずは、「乱橋(みだればし)材木座」

市教育委員会編「鎌倉市字別地図(P.31)」によると、材木座地域は

明治時代には「乱橋材木座」となっていて、東水会と南隣の「宮仲自治会」

辺りは、「能蔵寺(のうぞうじ)」と呼ばれていたようです。

 

能蔵寺は、現在の来迎寺の前身の寺で(P.81)、今は存在しませんが、

こうして古い地名になっていたんですね。

 

以前のコラムで掲載した、材木座11自治会の地図と合わせて読み解くと分かり易いです。

(右に45度傾けると、大体一致します)

 

「能蔵寺を水源として西へ曲折して滑川に入る(P.26)」という「乱橋川」には、

「乱橋」が架かっています。「乱川橋」ではなく、「乱橋川」と、橋の名前が

川の名前より上位になっているのは面白いですね。

 

乱橋川は、昔は周辺田畑を潤す貴重な水路だったそうですが(P.79)、

今は「暗渠(=あんきょ:地下の川)」となっています。僅かに、東水会3組の

クリーンステーション♯2073のところで垣間見れますので、ご存知の方も

あるかと思います。大雨の時に水や土砂が出るのは「乱橋川」の影響なんですね。

 

なお、乱橋は、「鎌倉十橋」の一つで(P.79)、新田義貞の北条攻め(1333年)で

激戦地となったそうです。東水会の西隣の「乱橋自治会」の名前の由来ともなって

いるわけですが、なんとも由緒ある自治会名ですね。

 

下地図にある「小町大路」はご存知の方も多いかと思いますが、黄色でマークした

東水会の真ん中を通り抜けている道の名前は、ご存じないのではないでしょうか。

なんと、この道は「能蔵寺通」というそうです(P.81)。郷土誌によると

「仮称」とのことで、ちょっと意味不明ですが(笑)。豆知識としては面白いですね。

 

いかがですか?

皆さんも、これを機に書棚の隅っこから郷土史を取り出してみては(笑)?

 

<つづく>

 

東水会 自治会長 

菅野 哲央