アメリカのバイデン大統領が来日して、岸田首相と会談後の記者会見で、

中国が台湾に侵攻した場合、「米国は台湾を守るため軍事的に関与する

意思があるのか」という記者の質問に「イエス」と短く、はっきりと

言い切りました。

 

「側近の人たちも、びっくり仰天した」と報道され、中国政府の報道官は

猛烈な反発と不快感を示しました。それだけ踏み込んだ発言だったという

ことのようですが、政治家はこういう明快さが大切です。

 

くどくど注釈をつけた「玉虫色」の発言は、無難かもしれませんが、

人によってどうでも良いように解釈されてしまうので、発言する意味が

ありません。

 

私は、「バイデンさん、さすが!」と思いました。

一方で私は、「中国は出方を誤った」と見ました。

 

中国の「猛烈な反発」は、「台湾侵略の明確な意図」がなければ

出てこないはずだからです。だって、侵略するつもりがないなら、

「我々は、台湾進攻の意図などない。アメリカの言っていることは、

事実無根だ」といえば良いはすですから。

 

もちろん、そうは言えないわけです。東シナ海や南シナ海に基地をつくり、

日本や台湾ばかりか、フィリピンやベトナムの反感を買いながらも

実効支配を広げ、台湾の民主的な動きに圧力をかける様子からは、

「領土拡大とそのベクトル上にある台湾進攻への野心」があると

解釈せざるを得ません。前回のコラムに書いたように「AIによる裁定」が

可能であれば、明らかなことです。

 

「神に誓って、台湾進攻などしない」と言えないから、

「猛烈に反発」するんですよね。「嫌がる人たちがたくさんいるのに、

それを押さえて併合するために武力を使うのは、

国の指導者たる者たちの倫理観の欠如以外の何もでもありません。

無理やり併合するのではなく、「ぜひ中国の一員になりたい」と

思われる状況をつくるしか、台湾と中国が一緒になる道はないのに。

 

これも前のコラムからですが、「戦争は問題解決の手段にはなり得ない」と

いうことは、ロシアのウクライナ侵攻で、改めて明白になりました。

中国は、ロシアの失敗を研究して、武力行使の愚かさを正面から

受け止めないといけません。

 

東水会 自治会長 

菅野 哲央