Canon story -3ページ目

桜雨

桜の時期に降る雨のことをいうらしい。
桜の花びらが雨のように降り注ぐ様子を言ってるのかと思ってた。

もしも桜が永遠に咲き続けたら…とか昔はよく思ってた。春になればまた出会えるのに、散ってしまうと苦手な夏がやってくる。

桜が咲いているこの時期が1番好き。環境が新しくなるこの時期は、なんだか慌ただしくて、心が落ち着かない。いろんなものが一気に新しくなる感じ。

もうすっかり春。


話し方や声のトーン、間のあけ方、話す速度って結構重要。居心地のよさって、そんなもので決まったりする。

私が言わんとしていることも理解して、言葉にしてくれたり、察してくれたり。

うなずいてわかろうとしてくれる。そんな人に出会ってしまったら、忘れられないのは当たり前。もう三年前になるのに、ふとした時に思い出してしまう。新しい誰かに出会っても、あなたと比べてしまう。基準があのとき好きだった人。フィーリングが合うって、こういうことを言うんだと、初めて思わせてくれた人。今年、大学院を卒業して、無事に社会人となった彼。今、なんの仕事をしてる?

気軽にメールすることもできない。今度会えたら、あの時言えなかった言葉を。

不意に

電話がくるっていいなって思う。期待してないほうが嬉しさが大きいから。

かかってこないかなぁ……

話したいけど、彼女と一緒だとまずいし。私からは連絡できない。

一週間のうちの、ほんの5分でもいい。話したい。