今回はこちらの本です。
結論かなりの良作
久しぶりに面白く、論理的で、ためになるという全拍子揃った本でした。
資料もそうですが、改めて客観的に何かを評価する大変さがわかりました。
写真とか謎謎がいくつかあるので、それは借りてから解けるように省略します。
・人は賢いから馬鹿で、馬鹿だから賢い
ある面では賢くても、別の面では愚かさの原因となる
・情報に応じて整合性を整えるように、記憶の書き換えが生じる
同じ速度で走ってた車でも、衝突か激突で、推定速度の答えが変わる(無意識)
・見えてない・聞こえてないものでも、知らないうちにのちの行動に影響を与える
・人は、少ないことは多く見積もり多いいことは少なく見積もってしまう
事件発生→メディアの過剰報道→記憶定着→想起が容易で高頻度→誤った信念
・少ないサンプルや特異的なサンプルが目立つからこそ、それによって誤ったステレオタイプが生成されてしまう。もちろん無意識のうちに。ex,東大生なのにOO
・Aを立派とすると立派なことをしているところに目が止まり、Bをダメなやつと思うとダメなことをしてるところだけに注意が向く。結果Aは去り、やっぱダメなやつだったと確証バイアスが強化されてしまう。
・何度も見ると好感度が上がる。
飽きそうに見えて(基準値より)下がらない、しかし一定水準以上にはならない
さらに無意識でも単純接触効果が現れる
・行動の理由づけには、物理的(物が転がる)・設計的(信号の色の変化)・意図的(ご飯食べたいから食べる)因果性で説明される。
しかし、人の行動が絡むと偏ってしまう(自殺に対して人々は人間関係が原因だと考えるが、重力という物理的因果性があるから成り立つものでもある)
次の章に、6枚くらい写真の問題とかがあります。
言葉によって記憶をそうがしたりバイアスをかけたりしてしまう。実に考え深く面白い章でした
・創造についてのバイアス
制約によって認知が効率的になるが、洞察問題では解決が妨げられてしまう
京大とか東工大の数学とかこれ使ってるよね、誘導問題に見えて誘導されると解けないっていう
・そのための課題
制約がないと勝手な解釈とかが膨らまれてしまう。しかし制約によって創造性が妨げれて、解決ができなくなる。
ゴールを明確にして、知識を備えた上で、現状とゴールの差を評価して、解決をしていこう
かなり大事な内容だったので、受験勉強として私なりに解釈すると、
勉強って何をしたらいいかわからない。
そこで東工大という制約をかける。
そうするとりあえず数学をやるが、そもそも数弱。
そこで医療をやりたいというゴール(KPI)を明確にし、医大に入る知識と足りない知識を明確にした上で評価して、その達成を目指す。
そもそも数学ができないのであり、知識を備える気がないのであれば、ゴールを文系に変える。(諦めるということではなく、評価からの観点)
・創造とは、社会がそれを創造と認めたときに成り立つ
早すぎた天才は、それを評価できる社会との関わりがなかった
チャンスは、準備された心に訪れる
・同調は必要だが、誤った判断を加速しかねない。日本人に限ったことでもない
共同によってフリーライダーを恐れて何もしない人が出たり、馬鹿にされる懸念でアイデアを発言しない人が出てくる
・定義上、創造の方法があるとすればそれは錯覚。創造は滅多に起きないからだ。
それで生み出されるものは、創造ではなくなる
要約すると魅了が伝わりにくいですが、クイズがあったり認知バイアスの減少や課題が書かれていて、かなり面白かったです。
バイアスにかかりそうになったらこの本のこと思い出してみます。