人生初、過労除去GW | 脚本家そごまさし(十川誠志)がゆく

脚本家そごまさし(十川誠志)がゆく

テレビアニメ、ドラマ、映画と何でも書くシナリオライターです。
24年7月テレビ東京系で放送開始の「FAIRYTAIL」新シーズンに脚本で参加しています。
みんな観てねー。

 

 皆さんは今年のGWはどう過ごされただろうか。

 

 私は4月の29日にオンラインの会議があり、それを受けて30、1日と原稿を書き、1日の午後から今日(9日)いっぱいまでが休みとなった。

 その間……。

 これは人生初だと思うのだが、もともと出かけるのが好きでないどころか、どこにも行く気にならず、それ以前に全身に錘のように溜まった疲労で近所のスーパーに行くのが精一杯、ほとんど寝ているか模型をいじっているかで9日間を終えた(今日一日も多分そうなるはずなので過去形)。

 昨年から今年にかけての年末年始の休みが明けて以来、かなりのハードワークがずっと続いていて、4月の後半には既にボロボロの状態だった。ボロボロといっても体を壊しているのではなく、つまりは極度の疲労である。

 が、よくよく考えてみると、これはおそらく加齢によるもので、これまではここまでのひどい疲労は感じた事はなかったのだが、GWの間じゅうほとんど寝て過ごしたのは初めてである。

 

 毎晩8時くらいになるともう耐えきれなくなりそのまま寝てしまい、翌日の午前4時に起きる。これで8時間。

 その後多少模型をいじったり雑誌を読んだりしているとまた眠くなり、午前9時くらいから午後1くらいまでまた熟睡、これで計12時間。

 ようやく少し元気になってスーパーへ行き、帰ってきてから夕食を作り同居女子と食べ、洗い物をして夜7時のニュースを見ているとまた猛烈に眠くなり、8時には就寝。

 その繰り返しだった。

 

 にも関わらず、ずしんと体に重い疲労はなかなか取れず、かなり往生した。今年の正月休み明けには回復していたのだが、その後の四ヶ月でこのような状態になっていたらしい。GW開け、つまり明日からはまた忙しくなるから体力を回復しなければと思い、いっそ「ひたすら寝てしまえ」と思って成り行きに任せていたら、何と毎日計12時間も眠りこけていた計算になる。

 我が家は「お互いに干渉せず自由に暮らす」主義なので、元気な同居女子は感染対策をしつつも友達とどこかに遊びに行ったりしていたが、途中から心配し始め、

「まさし、だいじょぶ?」

 と気にするようになった。

 その度に、私は答えた。

「だいじょぶだけど(病気なわけじゃないけど)、疲れがなかなか取れないんだ。歳のせいだよ」

 と答えては、また寝たりした。

 きのう辺りからようやく体力が戻ってきて、今日はこうしてブログも書いているくらいだから、ギリギリセーフである。明日はGW開け最初の会議があり、会議があればその後は毎日ひたすら原稿書きが続くから、またハードワークになる。ギリギリセーフとはそういう意味で、仕事再開までにかろうじて体力の回復に成功したという事だ。

 

 これまで、一度もこんな体験をした事はない。

 勿論仕事が重なって忙しく、「疲れたなー」と感じた時は何度もあったが、回復にこれほどの睡眠が必要だった前例はなく、自分でも驚いた。よって、「人生初」なのである。

 本来は、アニメの会議の場合GW関係なしに定例で行う事が多いのだが、今回は予想外に休みになり、それが幸いした。正直、GW中も会議があって、会議があればそれを受けて原稿を書かなければならないから、「果たしてこの過労の状態で、最後までいけるのだろうか」と漠然とした不安を覚えていた。会議が休みになったのはたまたまだが、神様はよくわかってらっしゃる、というのが実感である。

 

 今年の秋には、私は60歳になる。

 人間誰しもそうなるわけだが、「60歳になる頃に、こんなに疲労が溜まるようになる」とは思ってもみなかった。これは大いなる誤算で、これからはそうした体力面と相談しながら仕事を引き受けないと、途中でダウンしてしまうかもしれない。相変わらず脚本の仕事自体は大好きだが、そろそろそうした「計算」が必要な年齢になってきたようだ。

 

 今年のGWは天気がいまひとつ定まらず、晴れと雨が交互に続いた。明けた今朝も上の写真のようにどんよりしている。

 

 こうした鉛色の空を眺めながら、

「歳をとったもんだなあ」

 と、実感している朝、である。