さて、このシリーズの冒頭に、この連作は、
全部で46話ある、と書いてしまったが、
ここへ来て、重大な事実に気づいた。
この42話「ビッグ・バッド・ママ」のあと、
確かに原稿があるのだが、ところどころ抜けていて、
話がつながっていないことが判明した。
だから、これで、おしまい!ということも
できるのだが、なんとなく、この42話で
終わらせるのもシマラナイナア、と
思えてしょうがないので、
今、つまり、52歳の僕が書いたエピソードを
特別編としてつけて、完成としたいと思う。
つまり、20数年前、1980年代の20代の
僕と、2010年、52歳の僕のコラボという
趣向だ。
さて、僕は成長しているのか、退化している
のか、お楽しみですな。ははは。(汗)
第43話「アローン・アゲイン」
その日は、
冬の初めの冷たい雨が降りしきる日だった。
車で出かけようと、地下のガレージに行くと、
ミイミイと啼く声がした。
段ボールに入った子猫が彼を見ていた。
ふるえていた。そして、しきりに啼いた。
彼は、外出を中止して、段ボールを抱え、
部屋に戻った。
生まれたばかりの子猫には何を与えたら
いいのかわからなかったが、とりあえず、
ストーブをつけ、段ボールごとその前に置き、
使い古しの毛布を敷き、その上に猫を置いた。
次に冷蔵庫からミルクを出して、
使い古しの平皿に注ぎ、猫の前に置いた。
猫は夢中でそれを舐めはじめた。
子猫に冷たい牛乳をやっても
いいのだろうか、という疑問が沸いたので、
途中で、それを取り上げて、
少し温めることにした。
皿を取り上げると、猫は、抗議の声を
上げた。
彼は、牛乳を小さなミルクパンに入れ、
火にかけた。もちろん、猫は猫舌だから、
あまり熱くしてはいけない。
ちょっと温いくらいで、再び与えた。
猫は、そんなことに関係ないふうで、
また、音を立てて、ミルクを舐めはじめた。
すぐに、舐め尽してしまったので、
ちょっとずつミルクを足した。
やがて、たらふく飲み尽くすと、
しきりと口の周りを舐めて、
体中を舐め始めた。
満足したらしい。
彼は、猫を置いて、部屋を出た。
牛乳だけでは足りない、キャットフードでも
買おうと思ったからだ。
雨の中、近所のコンビニまで行って、
ドライフードを買った。
いろいろなフレーバーが
あったので、迷ったが、
ミックスを選んだ。
帰ってくると、猫は、
彼のベッドの中に潜り込んで、
眠っていた。
起きる様子がなかったので、
近くで、改めて、その様子を
観察した。
猫は、ひどい柄の雑種だった。
白と縞と茶とまだらにめちゃめちゃに
柄が入っていて、変な顔だった。
子猫のうちは可愛いが、
大きくなったら可愛がられないだろうな、
と思えた。
そんなことに関係なく、猫は
すやすやと眠っていた。
彼は、猫を起さないように、
音を立てないように気を使いながら、
ソファで、本を読んだ。
やがて、玄関のドアが開いた。
レインコートを濡らした彼女が
帰ってきた。
「大変だったわ!」彼女が大声を
出したので、猫はびくっとしたが
起きなかった。
彼は、人差し指を立てた。
彼女は、声を出さずに
「え?」という顔をした。
そして、猫を見た。
「まあ、可愛い!」と
声に出さずに、口だけを動かした。
そして、澄まし顔で、
そのまま、静かに、
彼の隣に座った。
10分ほど、そのまま静かにしていた。
15分が経った。
彼女は、とうとう我慢できずに、
猫を覗き込んだ。
そして、とうとう我慢できずに、
猫にさわった。
猫は目を覚ました。
猫は、彼女を睨みつけると、
抗議の声を上げて、
玄関のドアの方に走っていった。
そして、ドアをしきりと引っ掻き
大騒ぎするので、
仕方なくドアを開けると、
さあっと出て行ってしまった。
一回、彼の方を振り返り、
怒った顔をした。
猫に怒った顔があるのか?と
思ったが、確かにそれは、
怒った顔だった。
それから、何日か、
猫が戻ってくるのじゃないか
と、二人で話したりしたが、
とうとう猫は戻ってこなかった。
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