久しぶりにサッカーネタです。
結果は残念ながら大差での負けになり、巷ではJ1昇格がかかる26-27J2リーグでの優勝候補筆頭から、「実はそんなに強くないのでは?」と180度評価が変わりましたが、でも本当にそうなのかと色々考えてみたいと思います。
①3-1-4-2 vs 3-4-2-1の「噛み合わせ」の罠
この試合、仙台は「3-1-4-2(ワンアンカー)」、横浜FCは「3-4-2-1(2シャドー)」で挑みました。
この噛み合わせが、最初から仙台に重い課題を突きつけます。
横浜FCの狙いは明確でした。仙台のワンアンカー(松井蓮之選手)の左右両脇(バイタルエリア)に2シャドーを意図的に侵入させ、「アンカー脇のスペース」を執拗に突くことです。
松井選手1人に対して2人が襲いかかるため、仙台の中盤は構造的な数的不利に陥り、前半の2失点はまさにこのスペースを起点に生まれました。
②なぜIHを降ろして守ってはダメなのか?「CB迎撃」の戦術的理由
前節、横浜FCと同じ3-4-2-1システムを採用する湘南ベルマーレ戦では、前半の途中まで押し込まれたものの、インサイドハーフ(IH)の武田英寿選手が一列下りて松井選手の脇のスペースを埋めたことでリズムを掴み、勝利を収めました。
しかし、森山監督は試合後に「武田に関しては、できるだけ下りないで、松井(蓮之)ががんばらないと武田が引っ張られる」旨のコメントしています。
なぜ監督は、IHを降ろして守る形を嫌ったのでしょうか?
そこには、「奪った後のショートカウンターの破壊力を最大化したい」という明確な戦術的理由があります。
③IHが下りて守るデメリット
守備のためにIHが自陣深くまで下りてしまうと、ボールを奪った瞬間に前線には2トップしか残っていません。
これでは横浜FCの強固な3CBに対して数的不利(2vs3)となり、カウンターが不発に終わります。
④CBが前に出て「迎撃」するべき理由
もし、横浜FCの1トップに対して「3vs1」で余っている仙台の3CBの1枚が、勇気を持って一列前に出て横浜FCのシャドーを「迎撃(潰し)」できたらどうなるでしょうか。
IHが高い位置(相手ボランチの脇)に残り続けられる。
ボールを奪った瞬間、高い位置にいるIHへ縦パスを1本差し込むだけで、即座に破壊的なショートカウンター(2トップ+IH+逆ワイド)が発動できる。
森山監督が求めたのは、単に「引いて守る」ことではなく、「クリーンに奪って、最短最速で相手を仕留める攻撃的な守備」だったのでは?と考えています。
⑤直前のアクシデントが生んだ「心理的重圧」
しかし、理屈では分かっていても、この試合で「CBの迎撃」を実行するのは不可能に近い状態でした。
なぜなら、試合直前に本職のCBが出場できなくなり、右ウイングバック(WB)の五十嵐聖己選手が急遽初CBを務めるという最大のアクシデントが発生していたからです。
公式戦初?のCBを務める五十嵐選手、そして右WB南創太選手との急造ラインにとって、J2トップクラスのストライカーのルキアン選手やジョアン・パウロ選手をケアしながら「前へ出て迎撃しろ」というのはかなり厳しタスクに感じます。
「裏を一発で取られる恐怖」からDFラインは必然的に重くなり、結果として松井選手の脇のスペースをさらに広げてしまうという悪循環に陥ってしまったと思われます。
総括:J1へ行くため・J1で戦えるための「必要な授業料」
すでに決勝トーナメント進出が決まっている状況、そして相手の手の内を知っている中で、森山監督があえてシステムを変更せず、ダブルボランチに逃げもしなかった理由があると思います。
それは、目先の勝ち点ではなく、「現在のスカッドの限界値を見極め、夏のピンポイント補強への試金石にすること」、そして選手たちに「J1昇格後に必ず直面するトップレベルの強度を体感させること」だったのではないでしょうか。
現状の課題(現在地)を冷徹に突きつけつつも、選手たちへの絶対的な信頼を口にするのは、ベガルタ仙台が真にJ1で戦える集団へと生まれ変わるための必要なステップにするためだったのでは?と考えています。
あきらかに湘南ベルマーレ戦で、1トップ2シャドーの対策ができていますので、敢えてやらなかったの理由があるからで、素人でも分かる対策をしなかったのは、次のステップに向かうためのステップだと思いますし、これにより補強のポイントもより明確になったと思います。
今回の敗戦はサポーターからすればイライラしますし、周りからみれば「仙台って本当は強くないのでは?」と思われるかもしれませんが、この3-1-4-2のシステムをは今シーズンから始めたばかりですので、まだまだ突き詰める必要がありますから必要な敗戦だと個人的には思っていますし、まだまだチームは完成していないので、あまりネガティブにならない方がよいと思いますよ。

