美しい手は恥ずかしいと

母は言った


農作業に明け暮れ

家事、育児をこなし

倒れ込むようにふとんに入り

日が昇るとともに田んぼに行く


自分に手をかける時間があることは

恥ずかしい

ガサガサ ゴツゴツ

そんな手が尊いのだと


あかぎればかりの手に

ほんの少しのクリームを塗り込み

また働く


それは

周りに心を攻撃されない手


家族のため

平穏な日々を過ごすため

テレビの向こうの女性に

遠い憧れを胸に

目の前の仲間と笑い合う


自分がいる場所の基準

それは生きる基準


選ぶ貴女は

哀しくも美しい