風がシーツと戯れる音がした。
撫でるようなあの音。
起きるとそこは白い部屋だった、
いや、あまりに白すぎて世界みたいだ。
上半身を起こして、あたりを見回す。
が、途方もなくただ白い。
ここが、言うならば、天国、なのだろうか。
自分の固定概念がここをそう名付けた。
天国。
その言葉が引き連れてくる記憶は、曖昧だった。
たしか、あたし、病院の屋上で……
病院?
記憶が見せたのは、洗いたての白いシーツのはためく波。
「あ、起きたのね」
突然の声に反射的に振り向く。
白すぎるが人みたいだ。
「見える?」
「なんとか。」
「そう、よかったわね、たまにだけどこの白さに失明しかける人もいるのよ。」
「え?」
「なんてね。冗談」
と眉が下がって、肩で笑ったその人は
白髪というか銀色の糸のような髪をひとつに束ねていた。
その人を隠しているのは、白いワンピース。
「あなた、いくつ?」
「え、」
「無理に思い出そうとしなくていいわ、
少しずつで。」
「え、ええ。」
「でも、その格好だと、まだ学生さんね」
「え?」
とふと自分の体を見ると、見慣れたセーラー服。
見慣れた、見飽きた。
紺の襟に赤いスカーフ、ありきたりで漫画みたいな馬鹿げた制服。
「あたし、、」
「ねえ、名前つけてあげましょう。」
「あたしに?」
「そう、あなたに。」
「あなたが?」
「嫌じゃなければ。」
あたしは、小さく顔を振った。
その人は少しだけ肩で笑ってから、
あたしをじっと見た。
「
