帰宅後、私は、
「〇〇ちゃん、将来お婿さん貰うんだって!!
もう決まっているんだって!!」
と、この溢れる思いを親にぶつけたものだ。
私だって長女である。
だが、そんなことは一言も親に言われて事がなかった。
「○○ちゃんは、家族のために、
自分の身を犠牲にして
長女だからって可哀そうに・・・」
と勝手な妄想で、夜も眠れなかった。
思春期の乙女って忙しい。
その状況を当たり前のように話す彼女に対して、
私はすっかり見る目が変わってしまった。
しかし、大人になるにつれ、
だんだん彼女が可愛そうではないことに気が付く。
いやむしろ、幸せなことだ。
迷いがないってうらやましい。
10年ちょっとして、
彼女は彼女の言ってた通りに
彼女の家に入ってくれる男性と結婚した。
ただ一つ、苗字はご主人の苗字にして、
二つの表札を掲げて実家で暮らしている。
新婚当時、大きなおなかをさすりながら、
生まれた子供の一人を、
将来自分の親の養子にすると言っていた。
結婚に強いイメージがある人は、
本当にちゃんとそこに着地してる。
イメージの力、
意思の力って、侮れない。
結婚とは決して流れに身を任せるモノではない。
自分で切り開くものなんだ。