10年以上前、
ぼちぼちガラケーでも、
ネットが楽しめるようになった頃、
たまたま見付けた相談サイトでの質問に
目が留まりました。
そしてその内容は、
今でも忘れられません。
こういう辛い話がなくなるように、
この仕事を始めたのかもしれません。
その内容は、
「50歳になる姉が、
乳がんになり、全摘手術を受けることになった。
姉は独身なので、
妹の私が、着替えなどを運ぶなど、
身の回りの世話をした。
手術前日、姉が病室で、
乳房のついた自分の上半身を、
カメラに収めて欲しいと言う。
『結局誰にも見てもらうことがなかった』
と姉が泣くので、
妹は、
『お姉ちゃんの周りの男性は見る目がないね』
と言って姉妹2人で泣いた」
というエピソードが丁寧に書かれていました。
当時の私にとって、衝撃的でした。
ものすごく可愛そうな人だと思いました。
やがて、少し時間が経つと、
私の中で、少し考えが変わってきました。
「この手術を受ける姉という人は、
50歳までヴァージンであったことを、
自分を選ばなかった男性のせいにしているけど、
実際は、自分も受け入れてこなかったのではないか?」
と思うようになりました。
時々、
「○○を食べたことがないなんて、
かわいそー!!」
とか、
「○○を食べられないなんて、
人生損している」
などと言われることがあるけど、
大きなお世話は100も承知ですが、
この50歳のお姉さんは、
とても気の毒だし、
もし私だったら、ものすごく辛いと思います。

