※雪木佐 現在2 | 世界一初恋 30歳で初恋…

世界一初恋 30歳で初恋…

エメラルド編集部の木佐 翔太半分なりブログです


時々、駄作小説うpします。すみません・・・


「あ~美味い~♪木佐さんが淹れてくれたお茶最高っスね。」

にこにこと微笑む顔は大学生そのもので…。
思わず目を背けてしまった。


こんな所に居ていいのだろうか?




ここは江戸時代の葭町を真似て作った風/俗。

普通の風/俗との違いは、働いているのも客も男という事だ。
昔は陰間茶屋と呼んでたらしい。
ここで働く“だん娼”は、みんな女物の着物を着て、薄く化粧を施し、客を迎え入れる。
いわゆる女装だ。


“遊薇”という、よくありそうな名前の店。

借金でしょうがなく働いてる奴もいるし、俺みたいに楽しんで働いてる奴もいる。



いや、今は楽しんでない。


「木佐さん…また酒呑んだみたいっスね。」

『また説教か、聞き飽きた。』

そう、こいつの専属になってからの俺は散々だ。
最低だ。



「体に悪いからやめて下さいって言ってるじゃないっスか。」
俺の目の前に移動し、ストンと座る。
首をかしげて目を合わせようとしてくる。



『……癖なんだよ。』

「知ってます。」



(…きっと次は手を掴まれる)



両手首に温かい感触。
するすると手の甲に伝う熱。

雪名の手はあったかい。



「木佐さん…」

ほら、そうやっていつも悲しそうな顔で俺に訴えかけるんだ。
まるで、俺の事を心配しているかの様に。


『わーったよ。気をつけるよ。』

「はいっ^ ^」






早くいなくなれ

普段の生活に戻れよ…
俺なんかに金使って何になる?

ちゃんと勉強してんのかよ。
お前は…



急に思考は停止する。