※雪木佐 現在1 | 世界一初恋 30歳で初恋…

世界一初恋 30歳で初恋…

エメラルド編集部の木佐 翔太半分なりブログです


時々、駄作小説うpします。すみません・・・



(あーやっぱり…)


思った通りの相手に溜め息がもれる。
近づく足音。

高鳴る心臓。

(アホか…)







ガラッ

「こんばんは」


『………あぁ。』
わざと気のない返事を返す。


でも見透かされているのか、気にしてないのか、奴はニッコリ笑ってこう言う。
「木佐さん浮気してないっスよね?」

『……さぁ?』


顔には出てないはず。ポーカーフェイスは得意なんだ。
ここではそれが当たり前。
そうでなけりゃ陰間でなんか働けない。


でも…


「顔真っ赤…」

『ストーブのせいだ!!』



近くにあるストーブに手をかざす。
熱い…顔も身体も。


「ここまで江戸の風情にこだわってるのに、ストーブはまんまなんスね。」

『それは苦情か?なんなら番頭に言っとく。』



「これも…簪かと思いきや、ピンなんスね。可愛いっスけど。」

頭のピンをポンポンと軽く触られ、相手は俺の近くに腰を下ろそうとする。

バフッ

「あ、ありがとうございます。」


投げた座布団の上に座る客。

名前は雪名 皇
歳は21歳。
俺の客だ。ただの客のくせに浮気するなだの、他の奴に触らせるなだの、うるさい。

誰も触らねぇよ。
専属になったんだから、雪名以外の客は俺には触れない。
触ったらソイツは出禁になる。
そういう決まりだ。


『茶飲む?』

「あ、俺やりますよ!!」


『お前は客だろ。いいから座ってろよ。』

「じゃあお言葉に甘えて。」




こいつがわからない。
まだ学生のくせに、なんでこんな所に来るのか、なんで俺なんかの専属になったのか、なによりこのルックス。
こんなイケメン、そういない。

こんなとこに来なくてもモテモテで、夜の相手に困る事なんかないだろうに…。



「木佐さん着物似合いますけど、やっぱ女物の着物以外の服も見たいっス。」

『…普通の服着たら、ただのちっさいオッサンだぞ。』

「あははーそれはないっスよ~。」