例題で相続分を理解する(補足)
例題で相続分を理解する で相続分の話をさせていただきました。
何やら参考書に書いてある問題の焼き直しみたいな感じでしたね。なぜこれを書いたのかといいますと、相続財産の行き先というものを知っていただくことで、遺言を書くべきかどうかの判断材料としていただきたかったからです。
もしかしたら「アイツにだけは絶対渡したくない」と思っている相手に相続分が渡る可能性がある。あるいは「せっかくだから大目に渡したい」と思っている相手にあまり渡らない。あるいは「みんなで仲良く分け合って」と思っても実際には配分割合が異なっており、相続争いに発展する危険性があったり等、そういった可能性を判断した上で遺言書の作成の判断材料としていただきたいと考えております。
例えば本人の意図しない相続の例として、下記のようなケースが考えられます。
・いわゆる「内縁の妻」の取り分
同居はしているが籍は入れていない。このような場合において突然いずれか一方、とりわけ収入を得ている側の配偶者が亡くなられた場合、財産の配分が問題となります。
いわゆる「内縁者」は基本的に財産を相続する優先順位が極めて低く、相続人が存在しない場合に裁判所の判断によって認められる場合が原則となります。つまり、他の相続人(法定相続人)が他に存在する場合、基本的には彼らが優先的に全財産を相続することが原則です。
とはいえ例えば長期間に渡り介護を行った場合、実際の配偶者以上の貢献を行った場合、あるいは配偶者に準ずる生活を共にした場合等、これではあまりにも不公平感が生じます。
いわゆる「相続財産」としての遺言ではないものの、別の形での遺言(いわゆる「遺贈」ないしは死因贈与」)といった形での財産譲渡といった書面が認められてもいいケースです。(ただし額によっては「遺留分減殺請求の対象となります)一概には申し上げられませんが、ある程度の貢献が認められた場合、これらの貢献を守るため「正当な権限としての遺言書」は必要なケースも存在するでしょう。
*遺留分減殺請求・・・相続財産が相続人以外に過大に贈与された場合、遺留分を有する相続人(配偶者、子等)は一定の割合(原則半分まで)は贈与された相手(受贈者)から贈与された財産を取り戻すことができる。
・いわゆる「笑う相続人」
相続分の話でお伝え致しましたが、「代襲相続」という制度がございます。つまり、相続財産を受け取るべき人物が亡くなられた場合、その子等(直系卑属)が相続人の代わりに相続人となるケースです。
もしも兄弟姉妹が相続人となるはずだが彼らが既に亡くなられている場合、その子ども達、すなわち甥、姪等が相続人となります。
しかし、生前兄弟間の交流が全くない、いわゆる「絶縁状態」にあった場合、相続財産が彼らの手に渡ることを嫌がるケースは少なくありません。
そして、生前全く交流のなかった、あるいは悪い噂を聞いていた人間の相続財産を一方的に「奪い取る」形で相続する。あるいは「奪い取られる」ような形になる。これは正直非常に深刻な問題です。
実際に起きている問題として、テレビの再現ドラマ等でも取り上げられているのですが、例えば現金がなく、唯一の相続財産が不動産のみの場合等において、相続財産を捻出するため、相続人のために自宅を売却せざるを得なかった、という例もございます。極端な例に致しましても、実際に「初対面の人間に突然相続財産を請求させる」というケースは実際に存在しております。
ちなみに兄弟姉妹というものはいわゆる「遺留分」を有していないため、遺言で兄弟姉妹以外の人物に相続させる旨の遺言書を書いておけば彼らに相続財産が渡ることはございません。むろん彼らの代襲相続人となる可能性のある甥、姪に対しても相続がされることはございません。
「籍を入れていない」「兄弟とは絶縁関係にある」レアなケースのように見えて以外に該当するケース、少なくないものです。
問題なのは本人よりも遺された方です。そういった方の立場を考え、早い段階で「地位の保全」という意味を込め、たった一行から遺言を書く。小さいですが効果は絶大です。
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