ウィニコット『赤ちゃんはなぜなくの』について――その13

 

 

(星和書店2013年11月刊『子どもと家族とまわりの世界(上)赤ちゃんはなぜなくの』猪股丈二訳より。引用は特に断り書きのない限り本書からです。)

 

 

 

 

☆授乳している時に赤ん坊と母親とのよい相互関係をつくり出すことができる。

 

 

「これに反して赤ん坊があなたの傍らで寝ている間、赤ん坊をじっと見たり、あなたの腕の中や乳房で遊ばせたりして、すでに赤ん坊をよく知っている場合には、赤ん坊の興奮そのものの程度が分かるでしょうし、それを愛の形として認識するでしょう。水を飲みたくない馬を水飲み場に連れて行くのはとても困難であるという諺のように、赤ん坊が顔そむけて授乳を拒んだり、お乳を飲む代りにあなたの腕に抱かれて眠ろうとしたり、思うようにならなくてむづがっている時、あなたは何が起っているのかを理解できるでしょう。赤ん坊は、自分の感情そのものに怯えているのです。あなた方は、大いに忍耐して、赤ん坊の口へ乳首をもっていったり、それをまさぐらせたり、もて遊ばせたりすることで、赤ん坊を楽しませることができるのです。他のだれもができないようなこのことで、あなた方は赤ん坊を助けることができるのです。つまり、赤ん坊が楽しめるどんなことでもさせることで、赤ん坊は遂には思いきって吸う自信を得ることができるのです。このことは、あなたにとって容易なことではありません。というのは、満ち溢れているあなたの乳房、あるいは赤ん坊が吸乳する前に充分にお乳を溜めておこうと待っている乳房、このようなことについてあなたは考えなければならないからです。しかしあなたは、何が起っているかを理解しているなら、難しい時を乗り越えられるでしょうし、授乳している時に赤ん坊とあなたとのよい相互関係をつくり出すことができるでしょう。」(第二章 あなたの赤ん坊を知ること 25~26頁)

 

☆Comment

 

母の乳房は、ぼくにとって永遠の愛の対象です。それ以上にありがたいものはこの世にありません。

 

 

(この項つづく)

 

 

源氏物語の登場人物の性格》その250

 

 

 

(国民の文学3源氏物語上 与謝野晶子訳 河出書房新社 昭和39年刊より引用)

 

☆『源氏物語』の性格描写

 

○典侍(朧月夜)から源氏への返歌

 

 

「涙川浮ぶ水沫(みなわ)も消えぬべし

 

別れて後の顔をもまたずて」(須磨・218頁)

 

☆辞書・事典から

 

涙川=涙の多く流れることを川にたとえた語。とめどなく流れる涙。

水沫(みなわ)=水のあわ。はかないことのたとえ。

べし=推量の助動詞。当然のなりゆき,または,そうなるはずの事柄を述べるのに用いる。

 

訳=涙の多く流れる川に浮かぶ水の泡のように私も消えてしまうことでしょう。貴方と別れたあとのお顔を再び見ることもなく。

 

☆Comment

 

 源氏は朧月夜の返歌をみて、再び逢いたいとおもいましたが、彼女の一族が源氏を排斥したので、彼女の立場の苦しさも推しはかって、逢うことはしませんでした。

 

 

(この項つづく)

 

 

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