ウィニコット『赤ちゃんはなぜなくの』について――その11

 

 

(星和書店2013年11月刊『子どもと家族とまわりの世界(上)赤ちゃんはなぜなくの』猪股丈二訳より。引用は特に断り書きのない限り本書からです。)

 

 

 

☆赤ん坊は、授乳の合間に、乳房や哺乳瓶の背後にある母親や部屋を見つけて、大喜びする。

 

「例えば、赤ん坊は、三時間毎の授乳時間を知らせる目覚まし時計を首にぶら下げて生まれてきてはいないのです。規則正しい授乳は、母親や看護婦にとって便利ですが、赤ん坊の立場から見ると、規則正しい授乳は吸乳衝動が生じた時には何時でも飲むことのできる方法より劣っていることは明らかでしょう。赤ん坊は必ずしも規則正しい吸乳を要求するとは限りません。実際に乳児が手に入れようと期待しているものは、欲しい時に現われて欲しくない時には消え去る乳房であると思います。母親は、自分の都合に合せた定期的な授乳法を採用することができるようになるまで、暫らくの間ジプシーのようなやり方で授乳しなければならないでしょう。いずれにしてもあなた方が赤ん坊をよく知るようになった時、あなた方は赤ん坊が期待し始める時の状態を知るべきなのです。それは、あなたが赤ん坊の期待するものを与えないと決めていたとしてもです。このことは大事なことなのです。赤ん坊のすべてが分かるようになると、このようにどうにもならなくなるのは赤ん坊が興奮した時だけであるということが分かるでしょう。赤ん坊は、授乳の合間に、乳房や哺乳瓶の背後にある母親を見たり、母親の背後の部屋を見たり、部屋の外の世界を見つけて、この上なく大喜びするのです。授乳中には、赤ん坊について学ぶことが実に多いのです。しかしお湯を使ったり、ベッドで寝ている時、オムツの交換をしている時にも、さらに多くの学ぶことがあるのです。私はこのようなことをみなさんに分かってほしいのです。」(第二章 あなたの赤ん坊を知ること 23~24頁)

 

☆辞書・事典から

 

吸乳(きゅうにゅう)=出生児が乳頭を吸引し乳を得ること。

 

☆Comment

 

 ぼくは母親になったことはありませんが、乳児だったことはあります。しかし、そのときの感動は覚えていません。でも、とっても大切な時期だったのだとおもいます。

 

 

(この項つづく)

 

 

源氏物語の登場人物の性格》その240

 

 

(国民の文学3源氏物語上 与謝野晶子訳 河出書房新社 昭和39年刊より引用)

 

☆『源氏物語』の性格描写

 

○故桐壷院の麗景殿女御の源氏への返歌。

 

「人目なく荒れたる宿は橘の

 

花こそ軒のつまとなりけれ(花散里・210頁)

 

☆辞書・事典から

 

人目=人の出入り。人の往来。

つま=はし。へり。 端(つま)=きっかけ。手がかり。

 

「人の往来もなく荒れてしまったこの家では、軒端に咲く花があなたをお誘いするきっかけとなったのですね」

 

☆Comment

 

 源氏は好意を持ち合って長く捨てない、こんな間柄でいることを肯定のできない人は去って行く。それも仕方がないと源氏は思っているのである。

 

 

(この項つづく)

 

 

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