ウィニコット『赤ちゃんはなぜなくの』について――その7

 

 

(星和書店2013年11月刊『子どもと家族とまわりの世界(上)赤ちゃんはなぜなくの』猪股丈二訳より。引用は特に断り書きのない限り本書からです。)

 

 

 

 

☆父親は、母と子の絆を妨げやすいことから母子を守り助けることで、育児に参加する。

 

「幼児の世話をしている人たちの果している役割りを私たちが理解すべきであるということは、極めて重要なことです。そうすることによって私たちは、若い母親を母子の間で起りやすいいろいろなことから守ってあげられるからです。母親が自分のしていることをよく理解できなければ、自分なりのやり方を主張するてだてがなく、言われたことや、自分の母親がしてくれたこと、あるいは本に書いてあることなどをそっくり真似しようとし、自分自身しなくてはならない事が出来にくくなってしまうのです。

 父親は、限られた時間だけよい母親となり、また母と子の絆を妨げやすいいろいろなことから母子を守り助けるということで、育児に参加していることになり、このことが育児の本質なのです。」(第一章母性の考察・14~15頁)

 

☆Comment

 

 母親の役割を理解することは子育てを終えていても、じぶんの人生をふりかえるときにおいても、有効だとぼくはおもっています。

 

 

(この項つづく)

 

 

源氏物語の登場人物の性格》その215

 

(国民の文学3源氏物語上 与謝野晶子訳 河出書房新社 昭和39年刊より引用)

 

☆『源氏物語』の性格描写

 

○源氏は寺から紫夫人に贈った手紙と短歌

 

「出家できるかどうかと試みているのですが、寺の生活は寂しくて、心細さが募るばかりです。もう少しいて法師たちから教えてもらうことがあるので滞留しますが、あなたはどうしていますか。

 

「 あさぢふの露の宿りに君を置きて

四方(よも)の嵐ぞしづ心なき」(榊・195頁)

 

☆辞書・事典から

 

あさぢふの【浅茅生の】=「野」、「小野(おの)」、「己(おの)」にかかる枕詞。

宿り=住まい。住居。特に、仮の住居にいうことが多い。

四方(よも)=東西南北。前後左右。あちらこちら。

四方の嵐=あたりを吹き荒れる嵐。 浮世の波風。

しづ心=静かな心。落ち着いた気持ち。

 

訳=小さな野原に置く露のような住まいにあなたを置いてきたので、あちらこちらから吹きつける嵐の音をきくと、落ち着いてはいられません。

 

☆Comment

 

源氏が妻にしてからはなれて暮らしたことのなかった紫の上のことが気がかりになって送った歌です。

 

 

(この項つづく)

 

 

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