平井富雄著『自己催眠術』による自律訓練法―その1

(平井富雄著 光文社カッパブックス昭和51年発行・引用は特に断り書きのないかぎり本書からです)

☆心に直截暗示をかけるよりも、体に暗示をかけるほうが、確実で、安全。

☆いったん体でおぼえたら、体はけっして忘れることがない。

「自律訓練法は、一言でいえば、比較的暗示にかかりやすい『体の一部』に催眠をかけることにより、体全体と心を、自分で調節する技術である」(26頁)
「体からくる刺激は、心の働きに大きな影響をおよぼす。自分の心に直截暗示をかけるよりも、体に暗示をかけるほうが、より確実で、安全なのだ。」(26頁)
「暗示や呪文に強い、理性的な人間も、体からくる刺激には、じつに素直に反応する。自律訓練法の催眠効果が確実なのは、この『体から心へ』という心理をうまく利用しているからにほかならない。
 また体からはいる催眠の特徴として、おぼえやすいということがあげられる。『体でおぼえる』のは、スポーツの鍛錬一般に共通する原則であるが、自律訓練法も、この原則のうえにたっている。のちにくわしく述べるように、まず腕や足を催眠にかけてから、しだいに、その効果を体全体、心へと及ぼしていく方法がこれである。」(27~28頁)
「いったん体でおぼえたら、体はけっして忘れることがない」(28頁)

☆辞書・事典から

自律訓練法=精神療法の一。段階的に自己暗示の練習を行うことで,緊張をとりのぞき心身を好ましい状態にする。心身症・神経症などの治療やストレス解消・健康増進などに用いられる。1932年シュルツ(J.H.Schultz)が提唱。自己暗示の練習によって段階的に全身の緊張を解いていく訓練法。疲労回復やストレス解消などの効果が期待できる。
 自己暗示によって体の筋肉の緊張を解きほぐし、中枢神経や脳の機能を調整して本来の健康な状態へ心身を整えることを目的とした訓練法です。1932年にドイツの精神科医シュルツによって体系化され、心療内科における代表的な治療法として広く使われています。疲労回復やストレスをやわらげるなどの効果があります。
 自律訓練法の原則は、(1)できるだけ静かな場所で楽な姿勢をとる、(2)「言語公式」と呼ばれる言葉を頭の中でゆっくり反復する、(3)さりげない集中(受身的集中)を行う、などが挙げられます。リラックスした状態で目を閉じ、言語公式(安定感<気持ちが落ち着いている>、重量感<手足が重い>など)を、決められた順序に従って段階的に心の中で繰り返すことで自己催眠状態に入ります。
 この訓練法は目的に応じて使用され、広く心身症、神経症、ストレス解消、精神統一などに効果があります。

☆Comment

 この本で自律訓練法を学んでいきます。まず自分で自分に催眠をかけるので、他者からかけられる睡眠と違って安心感があります。
 自己暗示はやってみればわかりますが、自分の体にかかりやすいのです。
体からはいる催眠の特徴として、おぼえやすいと書いてありますが、実際にぼくがやってみて、すぐに効果が出たのでびっくりしました。
 睡眠誘導にとても効果があるのです。自律訓練を行うと眠くなるとよく言われます。それなら眠るときに自律訓練をやればどうなるのでしょう。そしてやってみると実に睡眠導入に適した訓練であることがわかりました。

(この項つづく)

(メルマガ・2016年8月2日掲載)
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