10年後、君たちに仕事はあるか(藤原和博著)要約11~13 | 社長力検定「後継者育成塾」

社長力検定「後継者育成塾」

今、詳細がはっきりしている28万社中約18万社が後継者不在

と回答(帝国データバンク)しています。

後継者が欲しい企業は、先ず当ブログに登録してください。





大いに読書に励み、郷土を愛し、

世界へ羽ばたこう!

 

11
情報処理力は「ジグソーパズル」をやるときの力に例えることができ、
情報編集力は「レゴ」をやるときの力に例えるのがぴったりなんです。

こういう比喩表現でプレゼンするのはとても大事なんです。相手のアタ
マのなかにある言葉で語ってあげると理解が進むけれど、アタマのなかに
ない言葉はなかなか腑に落ちない。

比喩表現の能力をいまのうちから鍛えておいてください。

パズルのピースはそれぞれ正しい位置じゃないとはまらない。

ジグソーパズルは正解主義のゲームですよね。

日本が戦後、学校教育によって生み出し続けてきたのは、ジグソー
パズルをいち早く仕上げる情報処理力の高い人材です。

正解ありきの「正解主義」教育が主流でした。

あらゆる会社や役所でジグソーパズルを早くし上げるような
仕事をつづけたから、経済については日本は欧米に追い付く
のが早かった。

戦後の日本が国民総動員で完成させようとしたジグソーパズル
の完成図は「アメリカ人のような豊かな生活」だったわけなんです。

たとえば「名犬ラッシー」を見れば、広いリビングの暖炉の前に
ソファがあって家族が団らんしている。

リビングにはカラーテレビやステレオやピアノもあって

何を買えば、「アメリカ人のような豊かな生活」
が完成するかか示されていました。

戦後というのは、アメリカが示した正解をどんどん完成
させていくゲームだった。

あまり人生とか、哲学とか、難しいことを考えることなく、
それぞれの職場でピースを埋めていってくれと、早く仕上げ
てくれれば、給料も上がる。

ジグソーパズルが得意な人にとって不得意なことは何だと
思いますか?

結論から言えば、途中でやり方を修正すること。それに
完成図そのもの。つまりは「世界観」を自ら生み出すことです。

ピースの一つ一つに正解の場所があるわけですから、一度やり
始めたら途中で図柄の変更はできませんよね。

やり方の自由度はどこから埋めていくかだけ。

結局、完成図ありきですから。


12
完成図がなければ作業ができないと言う「秀才」が多い。

目標やビジョンが完成品として示された場合には、
一所懸命に頑張って部品を調達し、完成させることは得意。
でもその目標やビジョンそのもの
を作り出すことは不得意という事実。

成熟社会に入った日本では、一人ひとりが自分の人生における
ビジョンを図柄としてゲームを仕掛ける時代に入ったんです。

世界観そのものをクリエイトするタイプの遊び

情報編集型の、正解のないゲームのことです。

サッカーは一人ひとりの選手に常に選択肢や自由があって、
より情報編集型ゲームの色彩が濃いですね。
ラグビーなどは監督がフィールドにいませんから、始まてしまったら
すべて選手の判断で試合が進みます。

世界観を作り出す力というのは、正解のない問題を解決しよう
とするときの構想力につながります。問題解決能力の根幹
をなすものです。
また、適切な目標を設定したり、ビジョンを提示する力
でもあります。

「正解主義」教育がいきすぎたからでしょうか。
完成品である「正解」を求めてくるお客さんが増えた

最近は、店主が組み上げた自転車を壁に吊るしておくと、
これと同じものをくださいというお客さんが増えて
来たんだそうです。
完成品を買うという感覚なんです。

スーパーやディスカウントストアで冷蔵庫や洗濯機
を買うのと同じです。

会社選びでも、同じ現象が起こっているようです。

何かで縁を感じたら、もう飛び込んでしまったほうがいい。
無謀にも飛び込んでしまってからのほうが、思考回路が
働き始めるのでないでしょうか。

君もぜひ、「仕掛ける側」に回ってください。

「遊び心」と「戦略性」がカギ。「レゴ型学習」を強化する
ことが「仕掛ける側」には必須なのです。

人に信頼され、共感されて働くには「クレジット(信任)」
を蓄積することがカギになるからです。

君が現在、学校で先生から習っている知識の大半がネット上で
ただで学べてしまう時代に、それでも先生を必要とするなら、
それはどんな先生なんだろうと考えることが大事。

「どんな教育なら、10年後も県や市の教育委員会に雇われるの
だろう?」
13
教えるマシンとしていかにロボットが完璧になったとしても、
学ぶ喜びを教えることはできないでしょう。

ピアノを楽しそうに弾く親に育てられば、自然と音楽に親しむ子
になるでしょう。
そのなかから、たまにピアニストも育ちます。

じつは、大人の学んでいる姿こそが、子供にとって最高の
教材なんですよと。

「学ぶのが好き」というオーラを出して、子供たちにはその学び方
を伝染・感染させている教師は、いまから20年経っても生き残るだろう。

もし君が会社の人事部長になったら、どんな視点で新卒採用の面接を
するでしょうか?

ベースとしての「人間力」を面接で見極めたい。
基本となるのは、その人の「人柄」と「体力」でしょう。

たいていの企業が学歴重視で採用を決めるのには、じつは十分に合理性
があるのです。

どれくらいの偏差値の大学に入ったかは、少なくとも18歳時点での君の
処理能力を保証するモノサシになるからです。

何を学んだかではなく、入試がどれほど難しかったかを
これまでの企業は信用していたということになりますね。

周囲の人たちとコミュニケーションしながら、ロジカルに自分の仮設を考えだし、
マーケットの変化をシミュレーションしつつ、顧客の反応や
判断をロールプレイすることで仮説を強化して、最後には相手が理解できる
言葉でプレゼンテーションできるかどうか?

情報編集力が高いかどうか。

この逆三角形を大人になるまでにバランス良く育めるかどうか。
それが君自身の「雇われる力」を決める。

会社案内や応募書類のどこを読んでも書いていない要件があります。
図の下の基本的人間力の部分です。

誠実さ、ひたむきさ、やさしさ、のような美徳。処理でも編集
でもないものです。

基礎的人間力が再発見されることになると思われます。

人柄を高めること、豊かにすることができるのでしょうか?

目の前にいる人に真摯に向き合うことでしか高められないだろう。

他人が君に与える信任のことをクレジットと呼んでいる。

まず、クレジットを高める努力をしていきましょう。

あなたに与えられる他人からの信任の総量のことを指します。
理性的な「信頼」と感情的な「共感」の関数だと思ってください。
つまり、クレジット(他人から与えらえる信任の総量)=
F(信頼×共感)という式が成り立ちます。

政治家であれば、まさに得票数で表されるでしょうし、

クレジットを蓄積しようとするとき、何が基本となるか。
次の3つです。
1.挨拶ができること、 2.約束を守ること 3.人の話が聴けること