事件概要
大正 15年8月20日 、荷馬車引きの岩淵熊次郎が、親しかった
小間物屋の女性・けいが他の情夫と交際していたことを知り
殺害。
その後、けいと情夫の仲を取り持っていた知人の菅松の家を
放火、けいと交際していた情夫とけいの働いていた小間物屋
の店主も殺害し、駆けつけた警官に重傷を負わせ山中に逃
亡した。岩淵は「鬼熊」と呼ばれ、警察官、消防団、青年団な
ど計5万人を動員し山狩りを行った。しかし、過去に岩淵に世
話になり事情を知っていた村人たちは、岩淵をかくまったり嘘
の情報を流すなど捜査を長引かせた。
事件後、岩淵を匿ったり自殺に立ち会った村人や新聞記者が
裁判にかけられた。自殺幇助となった記者や知人はいずれも
執行猶予つきの温情判決が下され、村人たちも無罪とされた。
1990年 にはこの事件が日本テレビ 『火曜サスペンス劇場 ・
「下弦の月 ~鬼熊殺人事件~」』としてテレビドラマ化された。