眠り村・カザフスタン | 社長力検定「後継者育成塾」

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放射線か、奇病か!?

突然、人々が目覚め

なくなる「眠り村」の謎

カザフスタン

■謎の「眠り病」蔓延の経緯

今月14日、ロシア国営

放送局「ロシア・トゥデイ」

が報道

謎の病気を発症しているのは、カザフスタンの首都

アスタナから450kmほど北に位置するカラチという小さな村の住民だ。

 2010年4月、この村の1人の女性が、何の前触れもなく深刻なめ

まいとだるさに襲われ始めた。女性は、やがて自力で立ち上がる
ことも困難になった上、記憶障害も起こしたのち、数日間眠り続け

るという奇妙な経過をたどった。医師は虚血性の発作と診断し、

女性の命にも別状はなかったが、その後事態は理解に苦しむ展

開を見せる。

 

■原因の調査


 このカラチという村、実は旧ソ連時代のウラン鉱山に隣接している。

今は廃山となり採掘場も閉鎖されているが、昔は厳しく立ち入りが

制限される秘密の場所だった。当時の村は、採掘場で働く労働者

たちで賑わってもいたという。そして現在、多くの村人は、このウラ

ン鉱山跡こそが「眠り病」の元凶ではないかと考えており、有毒物質

が風に乗って流れたり、地中を伝っているのではないかと恐れてい

るようだ。



 ところが、このウラン鉱山説が正しいかというと、決してそうも言い

切れないのだ。まず、患者たちに現れる症状が放射線中毒

によって引き起こされるものとは異なっている上、カラチ村の放射線

レベルが自然状態と比較して特段高いわけでもない。さらに、過去

鉱山で働いていた人々は、「眠り病」など発症していないというのだ。

■解消されない不安

 結局現在までのところ、医師も学者も村人も「眠り病」の原因を特定できず、

患者たちには「原因不明の脳疾患」という診断が下るばかりのようだ.



カラチの村民は、日々このように恐怖の中で生活することを余儀なくされ

ている。今回の報道を受けて、英紙「The Daily Mail」のインタビューに応じ

たラフバラ大学睡眠研究センターのジム・ホーン教授は、

「これは睡眠に関する病気のようには思えません。むしろ比較的軽い脳

炎の症状のように思えます」
「誰も発熱などを起こしていないようですから、やはり環境汚染による

ものではないでしょうか」

と語っている。ちなみに、現地取材を行った「ロシア・トゥデイ」のクルーは、

誰も「眠り病」の症状に襲われることはなかったとされる。一日も早く原因

が特定され、カラチ村の住民が安心して暮らせるようになることを心から祈りたい。