私は子供のころから食いしんぼで料理好きでした。
学校を卒業後社会に出て転職で料理学校の職員になりました。
研修で初めてスポンジを習ったとき
「母のとは違う！ちゃんと泡立てればお店みたいな
スポンジが焼けるんだ」
という感激と同じ材料で作り方を知っているのと知らないので
こんなに違うんだ、という衝撃を受けました。
以後 食の世界にずっと身をおいているのですが
レシピを書くとき、私は一つの料理をじっくり色んな角度から
みたり、試作しまくるのがすきなのです。
その料理の深さがじわじわと分かってくると「これをお客さんに
教えてあげたい」という想いで一杯になるし、だからこそ
お金を払って習いに来ていただけるのだとも
自分では思っています。
例えば太巻き寿司。
イメージで作ろうと思えばすぐにでも自分なりに作ることが
できますが、
勉強のために有名すし店で1本3000円の太巻きを買って
食べてみるとやっぱり美味しい。
で解体してみると、かんぴょうの煮方がとても濃い味付けなのが
分かりました。
かんぴょうで全体の味をまとめている感じです。
醤油をつけなくても絶妙な味加減でしゃりも具も食べられるのは
このお店なりの「味のバランスがすごく良いからなのだ」と
気づきます。
飽きない味、また食べたくなる味、ほっとする味、
こういうことのポイントを探るのがとても好きなのです。
だから
いつもの料理がちょっとしたことでもっと美味しくなる、
ごく身近な材料をご馳走にする
「また食べたい」と言われるようなレシピを、常に考えています。
そういうことに気づきだすと料理が楽しくなる人はきっと多いのでは
ないでしょうか。
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