Dazed & Confused Korea WINTER EDITION
表紙:CORTIS
最近、何を聴いていますか?
ジェームス:The Clash -「The Clash」。パンクロックバンドです。
ジュフン:The Strokes -「Reptilia」。最近は昔のロックをよく聴いていて、とてもいい刺激を受けました。
ソンヒョン:Fontaines D.C -「Roman Holiday」。日本でロックバンドの音楽を聴き直している時に見つけた曲です。夜、窓を開けて道路を走りながら聴くと本当に気持ちいいです。(笑)
マーティン:Montell Fish -「I Can't Love You This Much」、「i saw you in my dream」。
ゴンホ:Effie -「face2face」、Kim Petras -「I Like Ur Look」。
デビューEP『COLOR OUTSIDE THE LINES』は、すべてのトラックでジャンルごとの個性がはっきりしています。サイケデリック・ロックやエクスペリメンタル・ソウルなど、実験的なジャンル選びも印象的です。
K-POPが築いてきた文法が複数ジャンルの融合と再解釈だとすれば、CORTISの初EPは、より単一ジャンルに近い音楽とも言えます。
この方向性は意図的な選択だったのでしょうか。「自分たちがやりたい音楽とは何か」をどのように考え、どんな過程を経てきたのか気になります。
CORTIS:デビューEPを制作する際、メンバー同士でプレイリストを共有したり、プロデューサーの方々とたくさん話し合いました。
多くのジャンルの中から、CORTISらしい色を見つけて物語として紡いでいく過程が一番悩んだ部分だったと思います。
特にタイトル曲「What You Want」は、アルバム発売の数週間前までミキシングを重ね、サイケデリックロックのサウンドを強化していました。
次のアルバムも視野に入れながら、今回のアルバムではどんなサウンドを目指すのか、逆にどんな要素を排除するのかについても多く話し合いました。
今も楽曲制作は続いていますか? デビューEPを準備していた頃と比べて、音楽への向き合い方は変わりましたか。
マーティン:今はジャンルについての話をたくさんしています。デビューEPで「CORTISとは何者か」を示したとしたら、次のアルバムは自分たちだけのサウンドを探す第一歩になると思います。
型にはまらないコード進行や、その上に乗せる僕たちだけのメロディとは何かを真剣に考えています。どんな音楽が生まれるのか、ぜひ期待してください。
ソンヒョン:最近は昼に振り付けを考えて、夜に曲作りをしています。デビュー前と違う点は、自分たちの意見をより積極的に伝えるようになったことです。
常にコミュニケーションを取りながら、より良い結果を目指しています。
チームでの共同制作スタイルは、ブロックハンプトンやオッド・フューチャー、ドレイン・ギャングといったヒップホップ・クルーを連想させます。こうした反応をどう受け止めていますか。
また、他のK-POPアイドルグループやヒップホップクルーとは異なる、CORTISならではの独自性はどこにあると思いますか。
CORTIS:CORTISの特徴の一つは、分野を問わず全員で創作することです。
5人全員が音楽を聴くこと、何かを作ることが好きで、その点が作品にチームの空気感をそのまま反映させる助けになっていると思います。
そして僕たちは正直です。作り込まれたものよりもロウな感覚を大切にし、できるだけ飾らない姿を見せたい。
面白いことや新しいことへの好奇心も強く、一緒に制作や活動をしながらCORTIS独自の色を作り上げていきたいです。
すでにアルバム制作の多くの部分に直接参加していますが、今後はメンバーの関与度がさらに高まっていくと思います。
『COLOR OUTSIDE THE LINES』の制作では、LPの色味のような細かい部分にまで意見を交わしたそうですね。
今後、アルバム制作全般でより広げていきたい役割や、各分野の実務者レベルまでスキルを高めたい分野があれば教えてください。
ゴンホ:写真や映像の撮影にもっと関わりたいです。普段からメンバー同士で写真を撮り合うのが好きなんです。
ジュホ:僕が好きなエディ・スリマンも写真がとても上手なので、僕もあんなかっこいい写真を自分で撮ってみたいです。
ソンヒョン:音楽制作にもっと積極的に参加したい気持ちが強いです。アルバム制作からフォトシュートまで自分たちでやってみたいですし、正直やりたいことは本当にたくさんあります。(笑)
ジェームス:いつか、自分の頭の中にある世界を映像でしっかり表現してみたいです。映画なのか、アニメーションなのか、ショートフィルムなのか、形式はまだ分かりませんが。
マーティン:アルバムジャケットや衣装に、僕たちならではの色を落とし込みたいです。そのためにこの分野の実力を高める努力や研究を続けています。
今はビジュアルディレクターの方と継続的に話し合いながら次を準備していますし、ファッションが好きな分、スタイリストの方々からも多くを学びながら研究しています。
音楽とファッション/ビジュアル、どちらか一つだけ選ばなければならないとしたら?
マーティン:やはり音楽ですね。ファッションやビジュアルも音楽から始まるものだと思うので。僕のすべてのクリエイティビティの出発点も音楽です。
ジュフン:音楽です。どんなに服をうまく着こなしてかっこよく見えても、音楽が良くなければ魅力的なチームには見えないと思います。(笑)
デビューから56日でSpotify累計ストリーミング1億回を達成しました。これは非常に異例の記録です。
毎日膨大な音楽が溢れるストリーミング時代において、単に「良い音楽」だけが再生数を得るわけではないと思います。
この点から見て、CORTISの音楽が多くの愛を受けた理由は何だと思いますか。
CORTIS:真摯さ、正直さと関係しているのではないかと思います。できるだけ正直な物語を音楽で表現しましたが、それに多くの方が共感してくださったのではないでしょうか。
音楽を作るときは、「自分たちがやりたいこと」「自分たちにしかできないこと」「本当に好きなものは何か」をよく話し合います。
音楽だけでなく、すべての面で僕たちの本当の姿、日常をそのまま見せることが好きなので、それがファンの方々に伝わったのだと思います。
収録曲「FaSHioN」からも分かるように、普段からのファッションへの関心や愛情、活動全般で際立つスタイリングの強みまで。
CORTISにとってファッションは、単に「着るもの」ではなく、アイデンティティに近い存在のように見えます。
自己表現の手段として、ファッションはどんな役割を果たしていますか。
マーティン:ステージ上のファッションは、チームや楽曲の性格、ジャンルをきちんと表現するべきだと思っています。
そのためスタイリストの方々と何度もフィッティングを重ね、意見を交換しながら、スタイリングに僕たちのアイデンティティを落とし込んでいます。
日常では、その日の天気や気分、聴いている音楽によって服装が大きく変わり、話し方や雰囲気まですべて左右される気がします。
自分が求めるムードにぴったり合う服なら、洗濯しながら何日も同じ服を着ることもあります。(笑)
ゴンホ:ステージでは、より大胆なファッションに挑戦します。アクセサリーを多く取り入れたり、面白い試みをすることで、日常のアウトフィットとは違う印象を与えます。
ジュフン:ステージでも日常でも、ファッションは自信を高めてくれます。服をうまく着こなすと、不思議とその服に似合う振る舞いをしたくなります。(笑)
ソンヒョン:5人全員が服を着ることが好きで、音楽だけでなくビジュアルまで自分たちで作っていくのがかっこいいと思っています。そういう意味で、CORTISにとってとても重要な要素です。
ジェームス:シンプルだと思います。好きなアイテムを身につけること、それ自体がファッションじゃないでしょうか。
ファッションは、自分がどんな人間なのかを絶えず探し続ける過程だと思います。
人は死ぬまで変化し、成長し、挑戦し続けますよね。ファッションも同じで、経験を重ねるにつれて好きなものが変わり、趣味が発展するように、ファッションは僕自身と共に変化していく存在だと思います。
自分の好みを守る人か、それとも好みを吸収し変化していく人か。自分はどちらに近いと思いますか。
また、普段「自分の好み」だと感じる基準があれば教えてください。
ジェームス:両方だと思います。気に入ったものはすぐに吸収して自分のものにし、逆に気に入らないものはきちんと取捨選択して、自分のスタイルを守っています。
「好み」は主観的で本能的なものなので、「自分が好きかどうか」が一番大事だと思います。
マーティン:好みを吸収し、変化していくタイプに近いと思います。周囲の人、好きなデザイナーのコレクション、その時期に聴いている音楽から多くの影響を受け、それが自然と自分の表現に表れます。
僕の好みの基準は、心地よくて、自分を幸せにしてくれるものです。
ゴンホ:経験が増えるほど、好みも変わっていく気がします。
ジュフン:好みはそこまで保守的ではありません。かっこいい人のスタイルを参考にしたり、音楽もメンバーが聴いているものを一緒に聴きながら、自分の好みを見つけていっています。
たくさん見聞きしようとしても、本当に好きなものは決まっている気もします。(笑)
最近は、シンプルでありながら一、二点アクセントのあるスタイルが好きで、聴きやすいジャズをよく聴いています。気分が高揚しているときは、Cheのようなアーティストの音楽も聴きます。
ソンヒョン:自分のスタイルを探しているうちに、自然と好みが変わっていく気がします。うーん、変わっていない気もしますが。(笑)正直、最近は少し混乱しています。
今回撮影したバレンシアガのフレグランスコレクションは、ハウス創設者クリストバル・バレンシアガによる初のフレグランスから75年ぶりに発表されたコレクションです。
「香りをまとう」という表現があるほど、香水は現代ファッションの一部でもありますが、CORTISは普段どのように香水を選び、使っていますか。
ジェームス:爽やかなフルーティーな香りが好きで、主にピーチ系の香水を使っています。
ゴンホ:自然でほのかな香りが好きです。なので、つけすぎず、ほんのり残るくらいが好みです。
ジュフン:中学生の頃、偶然嗅いだ香りが気に入って、今までずっと同じ香水を使っています。中性的で重くないところが好きです。
ソンヒョン:ありきたりな香りや、他の人とかぶる香水は避けたいので、レイヤードして使うのが好きです。自分の理想のイメージに合う香りを探し続けています。
マーティン:どこでも嗅いだことのない、良い香り、特に自分の年齢に合った香りを選びたいです。今の年齢には中性的な香水やコロンが合うと思います。
香りと音楽は、特定の記憶や感情を呼び起こす点で似ていると思います。
メンバーそれぞれ、香りにまつわる特別な記憶と、それを思い出させる楽曲があれば教えてください。
ジェームス:朝食を食べていた台北の家の近くの食堂の匂いが恋しいです。
ぐつぐつ煮えている新鮮な豆乳と、店主が作ってくれたおにぎりの、あの温かくておいしい匂いは、今でも朝ごはんを食べるたびに思い出します。
ビヨンセ、エミネム、ビージーズ、ボン・ジョヴィの音楽を聴くと、家族で車に乗ってどこかへ出かけていた記憶がよみがえります。
ゴンホ:練習生時代、地下鉄に乗ったときに嗅いだマンドゥの匂いが今でも忘れられません。(笑)
マーティン:実の姉の部屋に漂っていた香水の匂いが好きでした。その香水を借りたこともありますし、どんな香りか聞いたこともあります。
その記憶を思い出させる曲は、とても有名ですが、当時練習を終えて家で作業しながらよく聴いていた、フランク・オーシャンの「White Ferrari」です。
ジュフン:冬の空気の匂いを嗅ぐと、これまで過ごしてきた年末の思い出が浮かびます。年末が近づいていると感じさせる香りなんです。
Wham!の「Last Christmas」を聴くと、似たような気持ちになります。
ソンヒョン:僕も特に冬には良い思い出が多いです。冬の匂いを嗅ぐと、心がふんわりして温かい気持ちになります。
冬になるとSZAの曲を思い出します。
そうして迎える、CORTISにとって初めての冬。
5人それぞれの冬のルーティンを教えてください。
マーティン:ツリーを飾って、ホットチョコレートにマシュマロを浮かべながら、チョコチップクッキーやブラウニーを食べること。
ジェームス:夜に熱いお湯でシャワーを浴びて、最後の3分だけ冷水で締めること。
ソンヒョン:みかんをむいて食べて、浴槽でお風呂に入り、窓を開けたあと布団に潜り込むこと。
ゴンホ:ココアを飲むこと。
今年のクリスマスは雪が降ると思いますか?
マーティン:絶対に降ります。もし降らなかったら、僕が降らせてみせます。(笑)