WCR勉強会~作品を人にさらすということ | 元漫画屋日記

WCR勉強会~作品を人にさらすということ

漫画屋日記-高田馬場ルノアール 今日は高田馬場へ青木健生先生(ちどり原作者)主催のWCRという(なんでWCRかは不明)漫画原作?の勉強会に見学の形で参加してきました。

いや、以前に件の勉強会の後の飲み会にお呼ばれして参加したことはあるのですが、「なんだその勉強会というのは。すごく勉強になりそうじゃないか!?」と思って見学させて欲しいと申し出たのです。

高田馬場のルノアールでやったのですが、喫茶店にあういう会議室みたいのがあるのですね。初めてみました…と思ったら、よく考えてみたらオフクロの通院ドライバー役で行く病院内のレストラン兼喫茶店にもありましたわ。お医者さんや患者さん達の軽めの宴会に利用したりするのかな。


勉強会はそれぞれ映画のシナリオやドラマのシナリオ等をやってらして、漫画の原作にも進出したいと思っている方々が各々の企画書を持ち寄って、お互いにあーでもないこーでもないと意見を交わすわけですが、言ってみればさらし者になる見返りに自分の気がつかなかった問題点とか、着想とかを得るわけです。

時によっては自分が散々考えぬいたモノが否定されたりもするわけで、そういった気持ちを味わってでも自分のスキルを上げたいという高いモティベーションを持った人達が集まっているわけです。皆さん、大変勇気があって立派だと思います。

自分も事前に渡された企画書に目を通して、思ったことやアイディア等を伝えたりしたのですが、もし自分が逆の立場で…と考えると「フゥ、覚悟しておかないと」と気をかなり引き締めないとなりません。


一方でこういうことをするのは、当たり前と言えば当たり前なんですよね。だって、誌面に出たら不特定の人達の目にさらされるわけですから。僕自身も、漫画家目指している頃は(今も上がったネームをアシスタントに来てくれた人達に見てもらったり、意見をもらうことはあります。でも雇用関係でもあるから、遠慮があったりするんだよね…。)、編集さんに限らずよく人に見てもらっていました。やっぱり上手くなりたかったし、モノにしたかったから。

漫画家を目指している若い人達、いや若い人に限らずこういう「人に見てもらう」という過程を嫌がる人がけっこう多いように思います。よくない点を指摘されたり、作品を否定されたりするのが、不快だったり怖かったりするのでしょう。気持ちはすんごくよく分かります。

そういうやり方をまったく否定するわけではありませんが(そのやり方でこそ、花開くタイプの人もいるでしょうから)、しかしやはり一般論としては損をしていると思います。結果的に目的に辿り着けなかったり、回り道をすることになると思います。

経験を積み、一定レベルの客観性を獲得している人ならともかく、デビュー前ではよほどの天才でない限り、色々足りないモノがあったりするわけです。それを周りの人に見てもらって、指摘されて受止めるというのは上達の近道・ショートカットになると思います。悔しかったりもしますけどね。でも、そういうのもモティベーションになるし。

それに先述したようにプロになるということは、友人・知人どころか不特定の人達に作品をさらすということです。消費側に立つ人々は対価を支払っているわけですから、それは遠慮無く言ってくるわけです。どんな名作だって批判する人はいます。全てに耳をかしていては、作品・自己がなくなってしまいますが、そういったことに慣れておく意味でも、忌憚のない意見を受止める訓練というのは大切だと思います。


今回の勉強会に参加されている人の多くはすでに少し畑違いの所でプロとして活躍されている方々で、ちょっと畑の違うところでのノウハウを積極的に取り入れるために(人脈面の意味合いもあるでしょう)参加されているわけです。

ふー…、そうは言っても自分の身にして考えてみると怖いモノがあるよな…というのが正直なところですが(;^_^Aブルブル…。だからこの会に参加されている人達は偉いなー、凄いなーと感心しながら参加・見学していました…。


青木先生から「せっかくだから、その場でちどりの本を売ったら?」と提案を受けていたのですが、そのようなありがたい場で、こっちはもらうばかりでさらに商売するのはあれだなーと思い、教材的な意味で役立つと思ってくれるのでしたら(青木さんの原作と見比べる形で読めば、原作業のノウハウ面で多少なりとも得るところはあるかなと)と、ほぼ原価(印刷費用)の500円(通常の販売は1000円)でお譲りしますという形をとらせてもらいました。

普通に商品として購入されたお客様の皆様、どうかご理解下さいませm(__)m。


今日はもういくらも動ける時間がないから、読切り以外の作業をしよう…。