人間の欲求 ~楽天証券の任天堂:7974レポートから
ちょいと出来た時間に、2株(プチ株)だけ持っている任天堂:7974のレポートを読んでいたら、マンガ作りにも反映できそうな引用が出てきたので、挙げておく。これはなかなか参考になると思う。
(2007年10月24日 楽天証券 経済研究所企業調査レポート より アナリスト:今中能夫氏)
任天堂と他社は何がどう違うのか ■ 任天堂と、ソニー、マイクロソフトや多くのゲームソフト会社との違いは、「家庭用ビデオゲーム」というものの捉え方の広さの違いであると思われる。
ここでの議論は、9月に開催されたCEDEC(ゲーム開発者向けカンファレンス)におけるセガ副社長小口久雄氏の講演を参考にしている。小口氏はまず人間の持つ様々な「欲求」から説き起こし、その欲求を充足させることが遊ぶこと、楽しむことにつながるとする。人間が本来持っている欲求には、呼吸、食欲のような生理的欲求以外に次のような多くのものがある。
逃避 : 不安や危機感を感じた場合に逃げ出したいという欲求を生じる。
闘争 : 逆に、戦うことで生存しようとする欲求。
獲得 : 財物を得ようとする欲求。
保存 : 財物を収集し、修理し、補完する欲求。
秩序 : 整理整頓、系統化、片付けを行う欲求。
保持 : 財物を持ち続ける、貯蔵する、消費を最小化する欲求。
構成 : 組織化し、構築する欲求。
優越 : 優位に立つ欲求。達成と承認の合成。
達成 : 困難を効果的・効率的・速やかに成し遂げる欲求。
承認 : 賞賛されたい、尊敬を得たい、社会的に認められたい欲求。
顕示 : 自己演出・扇動を行う、はらはらさせる欲求。
保身 : 社会的な評判・自尊心を維持する欲求。
劣等感の回避 : 屈辱・嘲笑・非難を回避する欲求。
防衛 : 非難・軽視から自己を守る、また自己正当化を行うの欲求。
反発 : 二度目の困難に対して再び努力し、克服・報復する欲求。
支配 : 他人を統率する欲求。
恭順 : 進んで他人(優越な人間)に積極的に従う欲求。
模倣 : 他人の行動やあり方を真似する欲求。
自律 : 他人の影響・支配に抵抗し、独立する欲求。
対立 : 他人と異なる行動・反対の行動をとる欲求。
攻撃 : 他人に対して軽視・嘲笑・傷害・攻撃する欲求。
屈従 : 罪悪の承服・自己卑下の欲求。
非難の回避 : 処罰・非難を恐れて法・規範に進んで従う欲求。
親和 : 他人と仲良くなる欲求。
拒絶 : 他人を差別・無視・排斥する欲求。
養護 : 他人を守り、助ける欲求。
救援 : 他人に同情を求め、依存する欲求。
遊戯 : 娯楽などで楽しみ、緊張を解す欲求。
求知 : 好奇心を満たす欲求。
解明 : 事柄を解釈・説明・講釈する欲求。
この他、知識・名誉・地位等を得ることによる満足感や他者から認知されたいといった欲求、ストレス発散行為を欲する動き、より美味しいもの・より良いものを求める動き、見栄・所有欲等(この欲求の分類はウィキペディア「欲」の項目から引用した)
遊びとは楽しむことであり、楽しみはこのような沢山の要素を持っているにも関わらず、多くのゲームはこれらの欲求のほんの一部しか満たしていない。特に「闘争」や「逃避」欲求を満たす戦闘ゲームに偏っている。しかし、面白いゲームは戦闘ゲームばかりではない。例えば、任天堂の「ポケットモンスター」は「獲得」「逃避」「闘争」「保存」「秩序(整理整頓)」「遊戯」の欲求を満たすように作られたソフトである。面白いゲームを作りたいときには、このような人間の様々な欲求を持たすことを念頭に企画すればよいのである。
このほかに、小口氏が挙げたソフトとして、「動物の森」(任天堂、「親和」「養護」「求知」「獲得」など)、「脳を鍛える大人のDSトレーニング」(任天堂、「求知」「解明」「遊戯」)、「倉庫番」(1982年初版発売の倉庫の中の荷物を片付けるパズルゲーム、「秩序」)がある。
(以上、引用おわり)
任天堂のハードメーカーとしての強みもさることながら、ソフトメーカーとしての強みの理解を深める解説だと思うけど、マンガ作りにも大いに反映できる記事だと思う。漫画も戦い物とか多いよね。