雨の夜は、久しぶりに本の話を^^
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年齢とともに、好きな作家はやはり少しずつ変わってくるものですが
20代後半から急激に好きになった一人が、「開高健」氏です。
変な人で…個性も灰汁もとても強いのですが、それが独特の魅力で、サントリーの(まだ壽屋時代の)ウイスキーのコピーライターを手掛けていた多才な人でもあります。
本当に勝手なイメージながら、奥様方からは受けがよろしくなく、あまりかかわらない方がいいわ、などと言われつつも、なんだかとても気になる…そして異国を旅した話なんかを少し離れたところからきくとその場を離れられなくなる、そんな魅力のある遠縁の叔父さんのような風格のある方。
その凄みをうまく伝えられないのですが、
一般に本における情景描写では、「小さな部屋に机があり、乱雑に本が置かれており、そこに人が入ってきて…」など、情景が「徐々に視界に現れる」ことが多いと感じるのですが、彼の文章では突き落とされるようにその世界を体感できるのです。
本を読んでいるのに、肌がざわめき、匂いに顔をしかめ、煙に涙を流す。
私は毎日旅をするために本を読むので、その世界が濃ければ濃いほど、魅せられます。
そして、自分の目玉で見たこと以外信じない。人の言葉ではけして話さない。そういう姿勢が徹底していて。
例えば、「地球はグラスのふちを回る」は、海外で食した美味と珍味のあれこれをその情景とともに描き出したものなのですが、今はモラルとか社会的通念で蓋をされ勝ちなことが、弾けるように書き込められていて、その描写の妙には目を奪われます。
それらを綴る、本当に豊かな日本語。清冽な言葉。
そんな中にふと認めた言葉。「朝のように 花のように 水のように」は、最近の中で、一番好きな言葉になりました。
特に好きな2冊がこちらです^^
こういうタイプの本をお好きな方は、ぜひご覧ください♪
久しぶりの長文、お付き合いいただきありがとうございました(*^^*)
皆さまよい週末をお迎えください☆・.'*・.:.・
- 地球はグラスのふちを回る (新潮文庫)/新潮社
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海外への旅がまだとても不自由だったころ、西洋画を初めて肉眼で見た時の感動などの書。
- ピカソはほんまに天才か―文学・映画・絵画… (中公文庫)/中央公論社
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