『楽園のカンバス』で注目していた、原田マハさんの書籍『ジヴェルニーの食卓』を読みました。
専ら文庫本派なのですが、モネの睡蓮の装丁に惹かれて、単行本を購入。
- ジヴェルニーの食卓/集英社
- ¥1,470
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以前から、史実をもとにした物語…日本史でいえば司馬遼太郎、世界史(特にイタリア史)でいえば塩野七海の本がとにかく好きでよく開くのですが、原田マハさんは、美術史を題材にされています。そういう切り口って珍しいですよね。(ダヴィンチコードの宗教美術史とも違って、もっと当時の生活に寄った視点です)
この『ジヴェルニーの食卓』は、印象派が勃興してきた時代のお話で、画家を取り巻く環境、評判、葛藤、友情、愛情が、垣間見える短編集です。
ドガがなぜ踊り子にこだわったのか、絵の具屋さんと印象派の貧乏画家の関係、マティスとピカソの視点の違いについて…そういう場面が、会話が、実際にあったかもしれないと思わせるリアリティが読ませます。
取り上げられている絵も、有名なものがほとんどなので、文字を追っていても絵が浮かぶような色彩豊かな文章になっているところも、魅力。美術館に行きたくなります