日常がずれてしまうお話その2。
隣の小学生が飼っている「やどかり」に導かれるまま
妹であり叔母であり、ウエイトレスでありしなびたクラブの
歌い手でもある20歳の女が、
重婚をしていることが判明した、怠け者で我儘で
骨董品屋の売り子の仕事だけ律儀にこなす兄を夕方5時の国で探す話。
夏の暑い日、昼寝をして夕方おきたときのようなだるさとかすかな不快感
のどの渇き、無為感。
でも、ただ歩いていたって、別の世界はひょっこり顔をだす。
一貫して不思議な話であり、その奇妙さについ惹かれ繰り返し呼んでしまう本。
- なつのひかり (集英社文庫)/江國 香織
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