この書籍は生理学や脳科学の観点からメカニズム説明も交え、人間の本質について迫るというものである。決して啓発本ではなく、論調としては科学的である。かなり理解することの難しい内容も多かったが、引き込まれたテーマを幾つかあげたい。
まずタイトルに準じた内容のバカの壁ということについては、人間は自分で感じるよりも深い知識を持っているわけでもないのに、あたかも1聞けば10説明できると感じている。これが障壁となり、人間を浅はかにしたらしめるものであるという。せっかく他人の話に耳を傾けるなら、1聞いて10まで説明させるくらいのスタンス、余裕が必要なのかもしれないと感じた。
また哲学者が論じてきたものは政治では通用しない。哲学者は人間をよく評価しようとするが、政治家は円滑に仕事をこなすには悪い面もしっかり観察していかなくてはならない。よって、リーダーたるには否定的な見地を持つことを忘れることなく、その中でいかにそれを包み隠して他者と接することができるかだ。