数年前の大ベストセラーである本書は花小金井のブックオフで100円で購入。ベストセラーがこの値段だったらと内容にはそれほど期待値は無かったが、読んでみるとかなり面白い内容だった。
グローバル化が進む世界の中で、市場主義が推し進められ、効率や利潤ばかりを求める社会。今の世界の動きは、過去の歴史に類を見ないほどそういった欲に塗れている。産業革命以降のこの風潮は果たして世界に平和をもたらしたのだろうか。わたしたちは日本や欧米と言った先進諸国が資本主義であることで、盲点に気がついていない。自由や平等について、真理に目を向けないまま扇動されている。自由と平等は追い求めれば追い求めるほど衝突するものである。これが平和を第一に考える世界の中枢でいいのだろうか。
"国際社会というのはオーケストラのようなものです。オーケストラには、例えば弦楽器ならヴァイオリンとヴィオラとチェロとコントラバスがある。だからといって、ヴァイオリンとヴィオラとチェロとコントラバスを合わせたような音色の楽器を作って、オーケストラに参加しようとしても、必ず断られる。"というフレーズのように、日本はこのグローバル化した社会だからこそアイデンティティーを矜恃しなくてはならない。これまでの日本の情緒溢れる伝統や名残をないがしろにしてはならない。
日本のみがこの世界を救うことができる、と締めくくられた本書が世に多く普及することで、日本人の美徳が少しでも復活することが作者の最も願うことであろう。