高市首相はもう詰んでいる…"国会答弁でのウソ"で露呈した「中傷動画疑惑」よりも深刻な問題【2026年6月BEST】

参院選を目前に控えた2026年6月、永田町は静かに揺れております。最高に焦げ臭くて大変です。揺らしているのは週刊文春が連続スクープとして報じてきた、高市早苗首相の陣営による選挙期間中のSNS中傷動画問題です。与党内からも「これはまずい」という声が漏れてくる一件のネタであります。

自民党総裁選での中傷動画作成疑惑に関し、記者団の取材に応じる高市早苗首相=2026年6月8日、首相官邸写真=共同通信社
自民党総裁選での中傷動画作成疑惑に関し、記者団の取材に応じる高市早苗首相=2026年6月8日、首相官邸
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問題の骨格は単純です。昨年秋の自民党総裁選から今年2月の衆院選にかけて、高市陣営が関与する形で対立候補を誹謗中傷するショート動画が大量に制作され、TikTokなどのSNSプラットフォームに拡散されていた疑いがあります。

しかも、中傷されたとされるのがどちらも現高市早苗政権の総務大臣・林芳正さんや、防衛大臣・小泉進次郎さんの陣営だったので、ご両名も関係者も疑惑を受けて怒るに怒れないどころかコメントさえも出しづらそうにしていて気の毒です。文春もまた、総裁選最中に小泉陣営が「ネガキャンのステマをやった」とかいう話を流していたため、みんなすごく微妙な雰囲気になっております。なんでしょう、この間の悪さ。

動画制作の実行役とされる起業家・松井健さん(33歳)は、高市首相の公設第一秘書・木下剛志氏との間でLINEなどを通じてメッセージをやり取りし、少なくとも8回のZoomウェブ会議を重ねていたと、報じられています。文春はその会議音声(43分)まで公開しましたが、週刊現代の報道も含めて、コトは週刊誌から一般媒体・全国紙へ。そして中道改革連合の衆議院議員・伊佐進一さんによる国会での質問にまで至ります。

ただ、よくみるとこのZoom会議が行われたとされる日程は総裁選どころか日本維新の会さんとの連立が成立した後の12月に入ってからで、何でこの時期にそんなZoomをしているのかもよくわかりませんが、とにかくZoom会議は行われていました。大騒ぎであります。

そこへ高市首相がどう向き合ったかが、問題の第二幕になりつつあります。

かなりやっちまってる感があるので、整理しながら皆さんと楽しんでまいりたいと思います。

首相は一貫して疑惑を否定し続けました。5月11日の国会答弁では「週刊誌の記事を信じるか、秘書を信じるかというと、私は秘書を信じます」と言い切りました。動画を誰が作ったかではなく、「誰を信じるか」という問いに変換する答弁は、往年の政治的修辞としては定評のある手法です。

しかし6月に入り、文春が43分の音声を公開すると、その手法の賞味期限が切れ始めました。「秘書を信じる」ことと「秘書がやった事実について正しく国会で答弁する」こととは違いますし、秘書を信じていたからといって、事実と異なる答弁をしてはならないのは自明であるからです。「面識はなかった」と途中まで強弁していましたが、常識的に、面識とは「実際に会って名刺交換をする」レベルではなく「相手を個体認識できる」レベルのことと解されるため、ZoomやLINEで何度もやり取りしていたらそれは面識はある(=相手を認識できる)と解されるのは当然と言えます。

この原則は、1992年、時の首相・竹下登さんが佐川急便事件で証人喚問での内容に関し犯罪に「関与していたはずだ」「嘘をついている」として、野党や一部メディアが「竹下登の偽証」として激しく批判・報道した経緯と極めて似ています。このときは、結果的に、偽証の白黒はつかないまま竹下政権は退陣に追い込まれてしまいました。