2009年8月5日(水)


「がん」を告知され、また自分の余命について主治医と話をし、私のような遠隔転移(肺、肝臓)をした大腸がんの患者が化学療法を行った際の生存期間はおおよそ20ケ月との事であるようだ。今は幸か不幸かネットでもこの程度のことはわかってしまう。自分の寿命はなんとなく無限にあるように思い、まったく余命など気にすることもなく、ただダラダラと無責任に生きてきた私にとっては、残りの命を年単位で考えるのではなく、月単位で考えていかなくてはならないということは頭で理解していてもいまひとつピンとこないのである。


しかし、一方で「最悪の場合はいついつ頃こうなる可能性があるよ」ということがはっきりすると、気持はむしろ落ち着いてしまうから不思議だ。


誰しも死ぬことをすっきりと受け入れることは出来ないだろう。私だって統計上の数値通りに死にたくはないし、この病気を完治させるなど恐れ多いことかもしれないが、ハードルは高いかも知れないが「治癒」することを目標にして今後の治療を受けていこうと思う。


カール・サイモン博士の講演から・・・

治りがたい病気を克服していくためには、まず絶対に生き抜くぞ、治ってみせるぞという強い信念が必要。これがなければ決して良くはならない。だからといって、これだけ考えていたのではそれは執着というものです。信念が執着になると逆効果で病気はかえって悪くなる。では執着にならないためにはどうするのか。それは、生き抜くぞというその心のなかにいつでも死ねるぞという心を同居させるのです。「生き抜くぞ」と「いつでも死ねるぞ」という二つの心が絶妙のバランスをとって同居できたとき、自然治癒力が爆発する。




2009年8月2日


8月10日の入院から化学療法はBevacizumabu(ベバシズマブ:商品名 アバスチン)をFOLFOX4と併用して点滴投与することとなる。投与に先立って、アバスチンとはどんな薬であるのか私なりに本を読んで調べてみました。


アバスチンは血管内皮増殖因子(VEGF:vascular endothelial factor)に対するキメラ型ヒトモノクローナル抗体で、VEGFと結合することにより、その働きを阻害する中和抗体であるという。アバスチンは抗がん剤と併用することでその効果を増強する作用を持つ。現在では、切除不能な進行、再発大腸がんに対する化学療法に於いてFOLFOX,FOLFIRIなどとの併用で広く汎用されている。


がんは自分に栄養を与える血管を次々と作らせる物質を出すが、アバスチンを抗がん剤と併用して投与することにより、この物質に作用して血管新生を阻害し癌の進行、増殖を抑制する。





2009年7月27日(月)~31日(金) 4回目の入院


27日(月)10:20

予定通りTN病院に入院。体重78.8Kg(抗がん剤治療を受ける際に体重はとても大切なのである。点滴で落とす薬の量は患者の体重を元に計算して決めるから)

今回も入院翌日から点滴静注により抗がん剤を投与していくこととなる。FOLFOX4の単独治療はおそらく今回が最後となる。これで効果がなければおそらく薬を追加していくようになるのかと思われる。


28日(火)

05:30起床。体重77.4Kg。午前6時の検温36.6度。今朝は腹部の痛みは感じない。抗がん剤治療は今日から開始される。10時吐き止め「レスタミンコーワ」5錠服用。


俳優山田辰夫の訃報を新聞で知る。4年前に胃を全摘したが胃がんが大腸などに転移していて4月ごろから西多摩のホスピスに入院していたという。まだ53歳。このところ50代のがんによる死亡が多いような気がしてならない。


29日(水)

05:00起床。昨夜はよく眠れた。起床時に腹部の痛みや違和感をほとんど感じない。だるさや吐き気など副作用を思わせる症状は今朝は全く感じない。気持にも辛さはないしいたって落ち着いている。

今日はCT検査がある為、朝食を済ませたら検査が終わるまで食事は出来ない。点滴もいまのところ順調。


今後のこともあり、今回の治療が終わった時点で主治医の先生にいくつか質問をしようと思っている。

現在の治療は医師による説明を受けた上で私や家族が納得し、双方の合意により行われている。しかしながら、時間の経過により病状も変化をしていることや不安に思うことも当然出てくる訳で、時期からいっても一度主治医と話をしておくことは必要なのだろうと思っている。


30日(木)

主治医への質問・・・・・


治療による目標は「がん」の完治と転移の防止であるが現実としてはかなりハードルが高いように思える。

従って「がん」と共生しながら、出来るだけいまのQOLを維持向上していく事を第一として、健常者に近い体調を維持していける期間をできるだけ長くしていく事を目標としたい。最悪の事態にもゆとりを持って対処していくことが必要である。


①「がん」の進行状況と化学療法の効果について。

②化学療法による今後の治療方針について。

③QOLの維持。「抗がん剤治療」と痛みを和らげる「緩和治療」を並行して行うことについて。

④余命(残生存月数)について。


31日(金)

本日無事退院する。退院前に主治医の先生より先の質問事項についても回答をいただく。今回、先生から肝臓の写真を見せていただいたが、残念なことに転位した癌は以前よりも大きくなっている。

次回の治療からは「アバスチン」を追加して抗がん剤治療を進めていくようになる。

「アバスチン」の投与については新たな副作用も懸念されるが、肝臓の腫瘍サイズを下げる為には多少のリスクはあってもやるべきなのだろうと思う。


統計上の残生存月数(22か月)をはあくまでも目安ではあるが、病院では終末期までの治療を一貫して受けることは可能であり、いわゆる「がん難民」にならずに済むのであればここで最後まで治療を受けて行こうと思う。