20歳だった私は
成人式にいかせて貰えなかった。
母親曰く
「お前はどうせ醜いから着物なんか似合わない。着なくていいし行く必要なし!」と
いつもの鬼婆の顔で言ってきたからだ。
親戚の集まりなどあっても
「お前なんか恥ずかしいから部屋から出てくるな!」と顔出し禁止令が出ていたので
全然不思議な指令ではない。
いつもの事だから仕方ない。
成人式出席は諦めた。
成人式当日の寒い日。
私の友から電話がかかってきた。
「ウチのお姉ちゃんの着物がもう一つあるから用意したよ。それを着て成人式に一緒に行こう!」とのお誘い。
持つべきものは友!ありがとね!ありがとね!
しかし
電話を聞いていた母親から
「人のものなんか借りて汚したらどうなると思ってるんだ!!すごく迷惑かけるしいくらかかるかわかってるのか!!お前が弁償しろっ!!」と鬼婆顔で詰められたので
号泣しながら、優しい友人の申し出を断り、
部屋の電気を消してうずくまっていた経緯があるのだ。
あの時、
部屋の明かりも未来の灯りもみんな消えた気がしたな。
人生の大切な一日をそのような形でズタズタにされた記憶が
こんなに何十年も傷として残ってたんだから
毒親の威力たるやおそるべし。
また、意地悪するタイミングもほんとうまいなと思う。
まぁね。
そんなこんなで私が親になり
来年の成人式に向けて
昨日は19歳児の前撮り撮影だった
まだ一年あるのにね。早いんだね。
似合う
振袖姿を見て、何十年の悲しみも一瞬ですぅーと消失。
一個クリア~!
息子ではなくて娘だったのは、天からのご褒美だったんだと思う。
君は誰が何と言っても祝福される人生を歩むべし。幸せな大人になるんだぞ!
辛い経験はいい事のきっと前フリ。
みんなも色々あると思うけど何とかなる。何とかなる。
かしこ