11月1日(日)
★5つがなかった10月。
これは面白い本がなかったというわけではなく、シリーズものを多く読んでいたせい。
シリーズの途中っていうのは、なかなか高評価をつけにくいので。
強いて言うなら『薬屋のひとりごと 4』かな。
やっぱり子翠の行動と覚悟にぐっときちゃうんだよね。
あと、小難しい本が多かった。
「頑張って読んだ」という思いが強すぎて、なかなか本そのものを楽しめるところまではいかなかった。
私が学生の頃に出版された本って、字が小さくてみっちり言葉が埋め込まれて、今の私の頭ではすらすら読むのが困難になってしまう。
もはや明治の文豪の文章並みに難しい、昭和の文学(翻訳も含む…ってか翻訳ものばっかり読んでるね)。
今月からは物理的に自由時間が激減するので、本を読むペースも落ちる可能性が高い。
ただ、忙しい時こそ、隙間時間に集中して読むのが今までの読書スタイルだったので、逆にペースが上がる可能性も無きにしも非ず。
さ、買い物に行かなくちゃ。
10月の読書メーター
読んだ本の数:24
読んだページ数:7964
ナイス数:831
収容所群島〈4〉の感想
収容所での過酷な日々について、読むことになれたとはいえ、読むことが苦痛であることに変わりはない。腐れ果てたシステムの中で、無頼漢だけが肥え太るという収容所の生活。成人男性でも、政治囚とされた多くの無辜の人たちは、なすすべもなく生き地獄へと転がり落ちていくのに、女性や、少年(6歳から12歳)たちも、暴力を振るわれ、脅され、奪われて行く、すべてを。まだろくな教育を受けていない少年たちが、そういう大人の背中を見て、嬉々として他人の物を奪っていく姿を見て、スターリンはどう思ったのだろう。★★★★☆
読了日:10月02日 著者:A. ソルジェニーツィン
円卓の騎士 (ハヤカワ文庫 FT フ 4-4 アヴァロンの霧 4)の感想
最後まで読んで、やっぱり西洋の宗教の根幹を理解するのは難しいと思った。結局選ばれた宗教というのはキリスト教なのだ。この作品において、最後までドルイド教徒としての立場を貫いてきたモーゲンの最後は、キリスト教への理解を示しつつ、アヴァロンに向かって立ち去った姿だった。どうして攻めてくる異国から国土を守り、ブリテンの統一を図るという偉業を為したアーサー王の最期が消えゆくエルフのようなのか、ずっと疑問だったのだが、アーサーは死ぬときにはドルイド教徒に戻っていたという解釈なのかしら。うーん、難しい。★★★★☆
読了日:10月03日 著者:マリオン・ジマー ブラッドリー
ひとり暮らしののぞみさんの感想
ひとり暮らしののぞみさんの部屋には、からっぽの大きな大きな鳥かごがあります。そこにやって来たのが、大きめの鳥と小さめの鳥。けれど、大きな鳥に旅立ちの時がきた。ひとりと一羽の暮らしは三から一ひいて二になったのではなく、一と一を足して二なのだとのぞみさんは気づく。そして小さな鳥が旅立った後、ひとり暮らしに戻ったのぞみさんは、三から二をひいて一になったともいえるけど、最初から一だったともいえるのだ。これは絵本だけれど、子育て後に一人になった私世代の人の話と思えば、大人向けの絵本と言えるのかもしれない。★★★★☆
読了日:10月04日 著者:蜂飼 耳
ソウル・コレクター 下 (文春文庫)の感想
上巻を読んで推理した犯人とは全然違った!そして、ライムが扱っていた事件はうっすらこの事件と関係があったけれども、さしてそれは重要ではなく、どちらかというと今後のライムの事件のための伏線のようなものだった。ただやっぱり作品の構成は見事で、あの辺に出て来る怪しいやつはこっち関連で、ここに出てきた怪しいやつはあの件の関係者で…と複雑に入り組んでいるのは、楽しい。”データは消去できる。改竄できる。歪められる。故意にノイズを加えることもできる。”犯人のような考え方をする人は、現実にたくさんいると思う。★★★★☆
読了日:10月05日 著者:ジェフリー・ディーヴァー
薬屋のひとりごと 4 (ヒーロー文庫)の感想
小さな事件を解決しつつ、それらが巧妙に仕掛けられた大きな悪意の発露ではないかと猫猫が気づくところまでは、いい。でも、猫猫が子翠たちに攫われるところからが、好きではないのだ。それは、気に入らないというのではなく、子翠の健気で断固とした意志が切なくすぎて。”どんな仮面を被っても、人形になっていても、母はどんどん醜くなる。それを止めることはできないと知った。ああ、無駄だな。そう気づいたときには、もうなにもかも遅かった。”幼い少女にそんな思いさせるなよ。アニメで見るたびに、子翠が不憫で泣けてくる。原作ではさほど。★★★★☆
読了日:10月06日 著者:日向夏
しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)の感想
宗教団体”惟霊講会”の布教本「しあわせの書」に込められた企みを、明かしてはならぬと書かれてある。だからずっとその企みとはどういったものなのか、と考えながら読んだのだけど、途中で自分の前提が間違っていたことに気づいたら、わかりました。なので、「しあわせの書」は措いておくとして、新興宗教の二代目教祖の継承問題が、この作品の核である。教祖は本当に読心術ができるらしいのだけど、その後を継ぐ人は…。そもそも、まだ初代は生きているわけだし、彼女の能力を持ってしたら、陰謀ぐらい簡単に暴けるんじゃないの?と思うのだけど。★★★★☆
読了日:10月07日 著者:泡坂妻夫
ソラリス (ハヤカワ文庫SF)の感想
私が生まれる前に書かれた作品ですが、まったく古びてはいませんでした。惑星ソラリスを研究するために、ステーションに派遣されたケルヴィン。しかし同僚である研究者たちは彼を迎えに出ることもなく、それぞれに自分のテリトリーに引きこもっています。しかし、彼のもとにも『お客さん』が来るにあたって、彼もこの異常な状態を理解します。わかり合える手立てを持たない、知的生命体との邂逅。難しいテーマですが、訳が読みやすくて、すいすい読めました。自分の黒歴史が、四六時中目の前に出現していたら、そりゃあ正気を保つのは難しいよなあ。★★★★☆
読了日:10月08日 著者:スタニスワフ・レム
【小説8巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女1」の感想
領主の養女となるために、神殿行事や孤児院・工房の経営の他に、上級貴族としての知識や作法を身に付けなければならなくなったマイン改めローゼマイン。領主の養女になる前に、カルステッドの娘として貴族たちに紹介される。あとはローゼマイン専用の騎獣と、ロウ原紙の完成。ロウ原紙ができたことで、ガリ版印刷が可能となり、貴族女性対象のチャリティー音楽界のパンフレットやフェルディナンドのイラストがバカ売れ。今巻ではローゼマインは前向きだし元気だし、読んでいて楽しい。たまには本も読んでいるようだし、主人公が幸せなのが何より。★★★★☆
読了日:10月09日 著者:香月美夜
薬屋のひとりごと外伝 小蘭回想録(1) (ビッグガンガンコミックス)の感想
小蘭が好きすぎて、とうとう買ってしまいました。アニメだとただ明るくて素直な小蘭ですが、第一話の頬がやせこけた小蘭には衝撃を受けました。小蘭のセリフだけすべてひらがななのですが、数字と野狗の漢字を覚えると、そこが漢字にかわっていくので、後宮を去るころには漢字いっぱい読めるようになっているかなあと楽しみです。小蘭は自分を「むりょく」だと思っていますが、前向きで働きものでそしてきちんと物事を考えることができます。最後の1ページは子翠との初めての出会い。
読了日:10月10日 著者:日向夏,七緒一綺,しのとうこ
収容所群島(5)の感想
罪を償うための刑罰ではない。そのほとんどが無実と言っていいような人たちは、過酷な労働と栄養不足、不衛生な環境のために次々と命を喪っていった。なぜ人々は唯々諾々と死を受け入れたのか。反抗しようものなら、暴力を受けたり、不衛生な狭い部屋に押し込められたりするし、まず反抗する気力が奪われている。本来は帝政のもと、抑圧された民衆を解放するための革命だったはず。それが気づいたら、帝政時代にもなかったような過酷な収容所が無実の人々を苦しめる。それでも、人々は強かに機を狙っていた。脱走するチャンスを。★★★★☆
読了日:10月11日 著者:A・ ソルジェニーツィン
冬の狼 (ハヤカワ文庫 FT 72)の感想
南方からの侵略者に攻められ、主人公ライクの主は殺された。若君を連れだし、再び郭(くるわ)を奪還するまでの話。なのだが。訳文が古臭すぎて違和感。だって山城のことを郭、若君の一人称が躬(み)、ライク(28歳)の「~でござる」等々…。なんでこんなに古臭い訳なの?イギリスの中世のような世界だけれど、骨牌(かるた)(タロットのようなもの?)で運命を占ったりもするけれど、それが絶対というわけでもない。面白いんだけど、展開がいかにもとろくさい。今はもう少しスピーディーじゃないと、物足りないかなあ。★★★★☆
読了日:10月13日 著者:エリザベス A.リン
バーニング・ワイヤー 上 (文春文庫 テ 11-29)の感想
電力会社のシステムを使って、電気が無差別に人々を攻撃する。電気がないと、現代の社会は成り立たない。それを知っての犯人の攻撃なのだが。無差別に人を殺して回るというのは、さすがにやりすぎだと思う。そして手段が電気なのが怖い。私はゴリゴリの文系なので、電気のことはさっぱりちっとも全然まったくわからないので、余計に怖い。なので、犯人については情状の余地なし。初期から結構お気に入りだったFBIのデルレイが、最新の捜査手法と合わなくて焦りが見えるのが気になる。下巻での巻き返しを期待してるのだが。★★★★☆
読了日:10月14日 著者:ジェフリー ディーヴァー
薬屋のひとりごと 5 (ヒーロー文庫)の感想
あっという間にアニメを追い越してしまった。猫猫は後宮を去り、花街で薬師として暮らしている。子の一族の生き残りの子どもを手元に置いて。子翠が残した「蝗害」への注意喚起。それを防ぐことはできるのか?西の国の特使って、思った以上のキーパーソンだったのだな。彼女の口からも「蝗害」をにおわせる言葉が。下町の貧しい子どもに毒菓子を配った人物と、里樹妃の命を狙った人物がまだ明らかになっていない。それから、猫猫が時折子翠のことを思い出すのも、よき。たまには小蘭のことも思い出してやってくれよ~。★★★★☆
読了日:10月15日 著者:日向 夏
ひとたび人を殺さば (角川文庫 赤 541-1 ウェクスフォード警部シリーズ)の感想
最初は読んでいても退屈だった。多分、主人公のウェクスフォード警部が退屈だったからだろう。ロンドンの下層社会にひっそり暮らす被害者は、おとなしく礼儀正しく世間知らずで非社交的。最初は一私人として遠慮しながらの捜査だったので、テンポはゆっくり。被害者の身元が分かった!と思った時から面白さが加速していった。ウェクスフォードの焦り、おごり、被害妄想が事件を二転三転させていく。面白かった。★★★★☆
読了日:10月17日 著者:ルース レンデル
だいありぃ 和田誠の日記1953~1956の感想
中学生の時に愛読していた、講談社文庫から出版されていた星新一の本の挿絵が和田誠だった。私はそれらの絵がとても好きで、和田誠のファンであることを自認し、映画評やパロディの本を読んできた。でも今、私は自分が、和田誠の絵のファンであって、和田誠のファンではなかったと知った。高校生男子の手書きの日記は、まず読みにくい。でも、映画の感想は玄人はだし。時々差し挟まれているイラストは、高校生とは思えぬさすがなもの。賞をとったものもあり、才能のある人って最初からあるんだねえ。イラストは、本当に好き。★★★★☆
読了日:10月18日 著者:和田 誠
バーニング・ワイヤー 下 (文春文庫)の感想
今回の事件は、無差別大量殺人の様相を呈していて、犯人に言い分があるとしても許されない事件だった。その犯人は、上巻で早々に明かされてはいるものの、納得感は薄い。で、ついにライムが別の人の名前をあげるのだけど。私としては、それもまた納得しがたい犯人だった。読んでいてあまり楽しくなかった理由は、ライムの理論に納得がいかなかったから。楽しくはないけれども、このシリーズの転換点になるのかもしれない、とは思った。最後にひとつ。デルレイよかったね、と思う一方で、彼のやったことはきちんと罰せられるべきだと思った。★★★★☆
読了日:10月20日 著者:ジェフリー・ディーヴァー
【小説9巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女2」の感想
フェルディナンドがなぜローゼマインに厳しいのか。それは、領主の私生児であったフェルディナンドが、幼いころから失敗を許されない環境にあったから、というのが今回分かったこと。失敗を許されない→弱音を吐けないフェルディナンドが、どれだけの仕事を抱えているのか。それからハッセの町でのいざこざ。現代日本の感覚で、「よかれと思って」孤児院の子どもたちを引き取ったローゼマイン。現代日本の常識しか知らない私は、ハッセの章は読んでいて辛いものがある。ハッセの民に同情するのではなく、ローゼマインの逡巡する気持ちがわかるから。★★★★☆
読了日:10月21日 著者:香月美夜
セシルの魔法の友だち (世界傑作童話シリーズ)の感想
実に良質な児童文学です。普段話し言葉では使わない、けれど知っておいた方がいい言い回しが使われていて、こういう本を読んで自然と語彙が増えていけばいいなあ。本の作りとしても、難しい漢字には読み仮名がふってあるので、文章量は多くても、本を読むのが苦にならない子はちゃんと読めると思います。小学校上級以上が対象の本のようですが、最近の高学年の子は、もう少しリアリストのような気がするので、読書好きの中学年くらいが相当かなあと思います。そして、表紙の絵も、もう少しポップな方が、今の子たちは手に取りやすいと思いました。★★★★☆
読了日:10月22日 著者:ポール ギャリコ
薬屋のひとりごと 6 (ヒーロー文庫)の感想
西都に向かう壬氏、猫猫、羅半、そして阿多と里樹妃。盗賊に襲われる里樹妃、ライオンに襲われる里樹妃、帰国したらしたで侍女たちに陥れられて塔に幽閉される里樹妃。ある意味生き延びられているのが奇跡。この巻で、里樹妃の話は一応終わるけど、すべての謎が解決したかというと、そういうことは全くない。白娘娘は誰の手先で何をたくらんでいるのか、西の特使は今後別行動なのか、それともそれも一つのたくらみなのか、里樹妃はいいとして、他の卯の一族はどうなるのか。街中の小さな事件を薬屋が解決、という話では最早なくなってきたのだな。★★★★☆
読了日:10月24日 著者:日向 夏
名探偵コナン (109) (少年サンデーコミックス)の感想
もはや個々の事件はどうでもよくて、複雑に入り組んだ人間関係もよく分からなくなり、とにかく黒の組織の件だけは解決してほしいと思ってる。でもそうしたらコナンは工藤新一に戻ってしまうのか。今更『高校生探偵 工藤新一』なんて作品にしたところで、ねえ…。でも本当に、ここの事件がパターン化してしまって、面白くないのよ。殺す前に話し合え。それでたいていは殺さずにすむから。
読了日:10月25日 著者:青山 剛昌
ニューヨークで考え中の感想
もう10年以上も前の本なのに、なぜか図書館では順番待ちの本でした。マンガ、アニメ、ドローイング、エッセイなど多方面で活躍されている近藤聡乃のコミックエッセイ。絵はシンプルで、文字もとても読みやすい。ベーグル屋さんのイケメン(水嶋ヒロ似)エジプト人やギリシャ人の大家さんなど、日米だけではない交流も。ヴィーガンの人と持ち寄りパーティーは大変そうだ。摂氏13度以下の日はヒーターをつけることが大家さんに義務付けられているとか、洗濯機を置ける設備がない家が多いとか、思いもよらないところで異文化を感じた。
読了日:10月27日 著者:近藤 聡乃
アランの舞人 (ハヤカワ文庫 FT 81 アラン史略 2)の感想
やっぱり訳が私の好みではなく、読みにくい。武と舞、生と性。異世界を舞台に、そう言うことが書かれているのだろうけれど、そしてそれは、とても面白うそうなのに、読んでも読んでも一向に面白くない。というか、ずっと平坦なのだ、気持ちが。接続詞を極力使わず、短文を重ねていくことでリズムが生まれるということはなく、行間で何かを感じることもできず、ただ閉塞感が募るだけの読書に成り下がってしまった。三作目はもっと一文が長くなるらしいので、雰囲気が少し変わっているかもしれない。★★★☆☆
読了日:10月28日 著者:エリザベス A.リン
駆け入りの寺の感想
江戸時代を舞台にした時代小説だが、落飾した皇女が住持を務める比丘尼御所(仏門に入った天皇の娘がその代表である尼寺)で起きる事件を書いた作品なので、尼僧たちの話す言葉が全て女房言葉。ああ、皇室の皆さんが話す言葉って、平安時代から江戸までにほとんど変わっていないのだなあと思った。どの作品も、何かから逃げ出してきた人の物語だ。家族から、自身の心から、過去の因縁から、逃げ出してきた人たちを寺は受け入れる(駆け込み寺ではないが)。気が住むまで自分を罰してからではないと前に進めない人っている。泰麒がそうだったように。★★★★☆
読了日:10月30日 著者:澤田 瞳子
【小説10巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女3」の感想
冬の素材と春の素材集め、印刷機の改良から貴族の子女に対する教材販売、貴族とその子どもたちの冬の社交、そしてハッセの町への処分。いろいろ盛りだくさんなんだけど、基本的にはローゼマインの絵本販売を軌道に乗せる道筋ができたことで、大きな今までの苦労が報われた巻。ただ、ハッセの町について。このエピソードが好きでないのは、私は平民なので、簡単に貴族にその他大勢として命を奪われる側の人間として、貴族の論理に納得しきれないからだと思うのよね。ハッセの部分以外は、箸休めの巻って感じで可もなく不可もなく。★★★★☆
読了日:10月31日 著者:香月美夜
読書メーター
★5つがなかった10月。
これは面白い本がなかったというわけではなく、シリーズものを多く読んでいたせい。
シリーズの途中っていうのは、なかなか高評価をつけにくいので。
強いて言うなら『薬屋のひとりごと 4』かな。
やっぱり子翠の行動と覚悟にぐっときちゃうんだよね。
あと、小難しい本が多かった。
「頑張って読んだ」という思いが強すぎて、なかなか本そのものを楽しめるところまではいかなかった。
私が学生の頃に出版された本って、字が小さくてみっちり言葉が埋め込まれて、今の私の頭ではすらすら読むのが困難になってしまう。
もはや明治の文豪の文章並みに難しい、昭和の文学(翻訳も含む…ってか翻訳ものばっかり読んでるね)。
今月からは物理的に自由時間が激減するので、本を読むペースも落ちる可能性が高い。
ただ、忙しい時こそ、隙間時間に集中して読むのが今までの読書スタイルだったので、逆にペースが上がる可能性も無きにしも非ず。
さ、買い物に行かなくちゃ。
10月の読書メーター
読んだ本の数:24
読んだページ数:7964
ナイス数:831
収容所群島〈4〉の感想収容所での過酷な日々について、読むことになれたとはいえ、読むことが苦痛であることに変わりはない。腐れ果てたシステムの中で、無頼漢だけが肥え太るという収容所の生活。成人男性でも、政治囚とされた多くの無辜の人たちは、なすすべもなく生き地獄へと転がり落ちていくのに、女性や、少年(6歳から12歳)たちも、暴力を振るわれ、脅され、奪われて行く、すべてを。まだろくな教育を受けていない少年たちが、そういう大人の背中を見て、嬉々として他人の物を奪っていく姿を見て、スターリンはどう思ったのだろう。★★★★☆
読了日:10月02日 著者:A. ソルジェニーツィン
円卓の騎士 (ハヤカワ文庫 FT フ 4-4 アヴァロンの霧 4)の感想最後まで読んで、やっぱり西洋の宗教の根幹を理解するのは難しいと思った。結局選ばれた宗教というのはキリスト教なのだ。この作品において、最後までドルイド教徒としての立場を貫いてきたモーゲンの最後は、キリスト教への理解を示しつつ、アヴァロンに向かって立ち去った姿だった。どうして攻めてくる異国から国土を守り、ブリテンの統一を図るという偉業を為したアーサー王の最期が消えゆくエルフのようなのか、ずっと疑問だったのだが、アーサーは死ぬときにはドルイド教徒に戻っていたという解釈なのかしら。うーん、難しい。★★★★☆
読了日:10月03日 著者:マリオン・ジマー ブラッドリー
ひとり暮らしののぞみさんの感想ひとり暮らしののぞみさんの部屋には、からっぽの大きな大きな鳥かごがあります。そこにやって来たのが、大きめの鳥と小さめの鳥。けれど、大きな鳥に旅立ちの時がきた。ひとりと一羽の暮らしは三から一ひいて二になったのではなく、一と一を足して二なのだとのぞみさんは気づく。そして小さな鳥が旅立った後、ひとり暮らしに戻ったのぞみさんは、三から二をひいて一になったともいえるけど、最初から一だったともいえるのだ。これは絵本だけれど、子育て後に一人になった私世代の人の話と思えば、大人向けの絵本と言えるのかもしれない。★★★★☆
読了日:10月04日 著者:蜂飼 耳
ソウル・コレクター 下 (文春文庫)の感想上巻を読んで推理した犯人とは全然違った!そして、ライムが扱っていた事件はうっすらこの事件と関係があったけれども、さしてそれは重要ではなく、どちらかというと今後のライムの事件のための伏線のようなものだった。ただやっぱり作品の構成は見事で、あの辺に出て来る怪しいやつはこっち関連で、ここに出てきた怪しいやつはあの件の関係者で…と複雑に入り組んでいるのは、楽しい。”データは消去できる。改竄できる。歪められる。故意にノイズを加えることもできる。”犯人のような考え方をする人は、現実にたくさんいると思う。★★★★☆
読了日:10月05日 著者:ジェフリー・ディーヴァー
薬屋のひとりごと 4 (ヒーロー文庫)の感想小さな事件を解決しつつ、それらが巧妙に仕掛けられた大きな悪意の発露ではないかと猫猫が気づくところまでは、いい。でも、猫猫が子翠たちに攫われるところからが、好きではないのだ。それは、気に入らないというのではなく、子翠の健気で断固とした意志が切なくすぎて。”どんな仮面を被っても、人形になっていても、母はどんどん醜くなる。それを止めることはできないと知った。ああ、無駄だな。そう気づいたときには、もうなにもかも遅かった。”幼い少女にそんな思いさせるなよ。アニメで見るたびに、子翠が不憫で泣けてくる。原作ではさほど。★★★★☆
読了日:10月06日 著者:日向夏
しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)の感想宗教団体”惟霊講会”の布教本「しあわせの書」に込められた企みを、明かしてはならぬと書かれてある。だからずっとその企みとはどういったものなのか、と考えながら読んだのだけど、途中で自分の前提が間違っていたことに気づいたら、わかりました。なので、「しあわせの書」は措いておくとして、新興宗教の二代目教祖の継承問題が、この作品の核である。教祖は本当に読心術ができるらしいのだけど、その後を継ぐ人は…。そもそも、まだ初代は生きているわけだし、彼女の能力を持ってしたら、陰謀ぐらい簡単に暴けるんじゃないの?と思うのだけど。★★★★☆
読了日:10月07日 著者:泡坂妻夫
ソラリス (ハヤカワ文庫SF)の感想私が生まれる前に書かれた作品ですが、まったく古びてはいませんでした。惑星ソラリスを研究するために、ステーションに派遣されたケルヴィン。しかし同僚である研究者たちは彼を迎えに出ることもなく、それぞれに自分のテリトリーに引きこもっています。しかし、彼のもとにも『お客さん』が来るにあたって、彼もこの異常な状態を理解します。わかり合える手立てを持たない、知的生命体との邂逅。難しいテーマですが、訳が読みやすくて、すいすい読めました。自分の黒歴史が、四六時中目の前に出現していたら、そりゃあ正気を保つのは難しいよなあ。★★★★☆
読了日:10月08日 著者:スタニスワフ・レム
【小説8巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女1」の感想領主の養女となるために、神殿行事や孤児院・工房の経営の他に、上級貴族としての知識や作法を身に付けなければならなくなったマイン改めローゼマイン。領主の養女になる前に、カルステッドの娘として貴族たちに紹介される。あとはローゼマイン専用の騎獣と、ロウ原紙の完成。ロウ原紙ができたことで、ガリ版印刷が可能となり、貴族女性対象のチャリティー音楽界のパンフレットやフェルディナンドのイラストがバカ売れ。今巻ではローゼマインは前向きだし元気だし、読んでいて楽しい。たまには本も読んでいるようだし、主人公が幸せなのが何より。★★★★☆
読了日:10月09日 著者:香月美夜
薬屋のひとりごと外伝 小蘭回想録(1) (ビッグガンガンコミックス)の感想小蘭が好きすぎて、とうとう買ってしまいました。アニメだとただ明るくて素直な小蘭ですが、第一話の頬がやせこけた小蘭には衝撃を受けました。小蘭のセリフだけすべてひらがななのですが、数字と野狗の漢字を覚えると、そこが漢字にかわっていくので、後宮を去るころには漢字いっぱい読めるようになっているかなあと楽しみです。小蘭は自分を「むりょく」だと思っていますが、前向きで働きものでそしてきちんと物事を考えることができます。最後の1ページは子翠との初めての出会い。
読了日:10月10日 著者:日向夏,七緒一綺,しのとうこ
収容所群島(5)の感想罪を償うための刑罰ではない。そのほとんどが無実と言っていいような人たちは、過酷な労働と栄養不足、不衛生な環境のために次々と命を喪っていった。なぜ人々は唯々諾々と死を受け入れたのか。反抗しようものなら、暴力を受けたり、不衛生な狭い部屋に押し込められたりするし、まず反抗する気力が奪われている。本来は帝政のもと、抑圧された民衆を解放するための革命だったはず。それが気づいたら、帝政時代にもなかったような過酷な収容所が無実の人々を苦しめる。それでも、人々は強かに機を狙っていた。脱走するチャンスを。★★★★☆
読了日:10月11日 著者:A・ ソルジェニーツィン
冬の狼 (ハヤカワ文庫 FT 72)の感想南方からの侵略者に攻められ、主人公ライクの主は殺された。若君を連れだし、再び郭(くるわ)を奪還するまでの話。なのだが。訳文が古臭すぎて違和感。だって山城のことを郭、若君の一人称が躬(み)、ライク(28歳)の「~でござる」等々…。なんでこんなに古臭い訳なの?イギリスの中世のような世界だけれど、骨牌(かるた)(タロットのようなもの?)で運命を占ったりもするけれど、それが絶対というわけでもない。面白いんだけど、展開がいかにもとろくさい。今はもう少しスピーディーじゃないと、物足りないかなあ。★★★★☆
読了日:10月13日 著者:エリザベス A.リン
バーニング・ワイヤー 上 (文春文庫 テ 11-29)の感想電力会社のシステムを使って、電気が無差別に人々を攻撃する。電気がないと、現代の社会は成り立たない。それを知っての犯人の攻撃なのだが。無差別に人を殺して回るというのは、さすがにやりすぎだと思う。そして手段が電気なのが怖い。私はゴリゴリの文系なので、電気のことはさっぱりちっとも全然まったくわからないので、余計に怖い。なので、犯人については情状の余地なし。初期から結構お気に入りだったFBIのデルレイが、最新の捜査手法と合わなくて焦りが見えるのが気になる。下巻での巻き返しを期待してるのだが。★★★★☆
読了日:10月14日 著者:ジェフリー ディーヴァー
薬屋のひとりごと 5 (ヒーロー文庫)の感想あっという間にアニメを追い越してしまった。猫猫は後宮を去り、花街で薬師として暮らしている。子の一族の生き残りの子どもを手元に置いて。子翠が残した「蝗害」への注意喚起。それを防ぐことはできるのか?西の国の特使って、思った以上のキーパーソンだったのだな。彼女の口からも「蝗害」をにおわせる言葉が。下町の貧しい子どもに毒菓子を配った人物と、里樹妃の命を狙った人物がまだ明らかになっていない。それから、猫猫が時折子翠のことを思い出すのも、よき。たまには小蘭のことも思い出してやってくれよ~。★★★★☆
読了日:10月15日 著者:日向 夏
ひとたび人を殺さば (角川文庫 赤 541-1 ウェクスフォード警部シリーズ)の感想最初は読んでいても退屈だった。多分、主人公のウェクスフォード警部が退屈だったからだろう。ロンドンの下層社会にひっそり暮らす被害者は、おとなしく礼儀正しく世間知らずで非社交的。最初は一私人として遠慮しながらの捜査だったので、テンポはゆっくり。被害者の身元が分かった!と思った時から面白さが加速していった。ウェクスフォードの焦り、おごり、被害妄想が事件を二転三転させていく。面白かった。★★★★☆
読了日:10月17日 著者:ルース レンデル
だいありぃ 和田誠の日記1953~1956の感想中学生の時に愛読していた、講談社文庫から出版されていた星新一の本の挿絵が和田誠だった。私はそれらの絵がとても好きで、和田誠のファンであることを自認し、映画評やパロディの本を読んできた。でも今、私は自分が、和田誠の絵のファンであって、和田誠のファンではなかったと知った。高校生男子の手書きの日記は、まず読みにくい。でも、映画の感想は玄人はだし。時々差し挟まれているイラストは、高校生とは思えぬさすがなもの。賞をとったものもあり、才能のある人って最初からあるんだねえ。イラストは、本当に好き。★★★★☆
読了日:10月18日 著者:和田 誠
バーニング・ワイヤー 下 (文春文庫)の感想今回の事件は、無差別大量殺人の様相を呈していて、犯人に言い分があるとしても許されない事件だった。その犯人は、上巻で早々に明かされてはいるものの、納得感は薄い。で、ついにライムが別の人の名前をあげるのだけど。私としては、それもまた納得しがたい犯人だった。読んでいてあまり楽しくなかった理由は、ライムの理論に納得がいかなかったから。楽しくはないけれども、このシリーズの転換点になるのかもしれない、とは思った。最後にひとつ。デルレイよかったね、と思う一方で、彼のやったことはきちんと罰せられるべきだと思った。★★★★☆
読了日:10月20日 著者:ジェフリー・ディーヴァー
【小説9巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女2」の感想フェルディナンドがなぜローゼマインに厳しいのか。それは、領主の私生児であったフェルディナンドが、幼いころから失敗を許されない環境にあったから、というのが今回分かったこと。失敗を許されない→弱音を吐けないフェルディナンドが、どれだけの仕事を抱えているのか。それからハッセの町でのいざこざ。現代日本の感覚で、「よかれと思って」孤児院の子どもたちを引き取ったローゼマイン。現代日本の常識しか知らない私は、ハッセの章は読んでいて辛いものがある。ハッセの民に同情するのではなく、ローゼマインの逡巡する気持ちがわかるから。★★★★☆
読了日:10月21日 著者:香月美夜
セシルの魔法の友だち (世界傑作童話シリーズ)の感想実に良質な児童文学です。普段話し言葉では使わない、けれど知っておいた方がいい言い回しが使われていて、こういう本を読んで自然と語彙が増えていけばいいなあ。本の作りとしても、難しい漢字には読み仮名がふってあるので、文章量は多くても、本を読むのが苦にならない子はちゃんと読めると思います。小学校上級以上が対象の本のようですが、最近の高学年の子は、もう少しリアリストのような気がするので、読書好きの中学年くらいが相当かなあと思います。そして、表紙の絵も、もう少しポップな方が、今の子たちは手に取りやすいと思いました。★★★★☆
読了日:10月22日 著者:ポール ギャリコ
薬屋のひとりごと 6 (ヒーロー文庫)の感想西都に向かう壬氏、猫猫、羅半、そして阿多と里樹妃。盗賊に襲われる里樹妃、ライオンに襲われる里樹妃、帰国したらしたで侍女たちに陥れられて塔に幽閉される里樹妃。ある意味生き延びられているのが奇跡。この巻で、里樹妃の話は一応終わるけど、すべての謎が解決したかというと、そういうことは全くない。白娘娘は誰の手先で何をたくらんでいるのか、西の特使は今後別行動なのか、それともそれも一つのたくらみなのか、里樹妃はいいとして、他の卯の一族はどうなるのか。街中の小さな事件を薬屋が解決、という話では最早なくなってきたのだな。★★★★☆
読了日:10月24日 著者:日向 夏
名探偵コナン (109) (少年サンデーコミックス)の感想もはや個々の事件はどうでもよくて、複雑に入り組んだ人間関係もよく分からなくなり、とにかく黒の組織の件だけは解決してほしいと思ってる。でもそうしたらコナンは工藤新一に戻ってしまうのか。今更『高校生探偵 工藤新一』なんて作品にしたところで、ねえ…。でも本当に、ここの事件がパターン化してしまって、面白くないのよ。殺す前に話し合え。それでたいていは殺さずにすむから。
読了日:10月25日 著者:青山 剛昌
ニューヨークで考え中の感想もう10年以上も前の本なのに、なぜか図書館では順番待ちの本でした。マンガ、アニメ、ドローイング、エッセイなど多方面で活躍されている近藤聡乃のコミックエッセイ。絵はシンプルで、文字もとても読みやすい。ベーグル屋さんのイケメン(水嶋ヒロ似)エジプト人やギリシャ人の大家さんなど、日米だけではない交流も。ヴィーガンの人と持ち寄りパーティーは大変そうだ。摂氏13度以下の日はヒーターをつけることが大家さんに義務付けられているとか、洗濯機を置ける設備がない家が多いとか、思いもよらないところで異文化を感じた。
読了日:10月27日 著者:近藤 聡乃
アランの舞人 (ハヤカワ文庫 FT 81 アラン史略 2)の感想やっぱり訳が私の好みではなく、読みにくい。武と舞、生と性。異世界を舞台に、そう言うことが書かれているのだろうけれど、そしてそれは、とても面白うそうなのに、読んでも読んでも一向に面白くない。というか、ずっと平坦なのだ、気持ちが。接続詞を極力使わず、短文を重ねていくことでリズムが生まれるということはなく、行間で何かを感じることもできず、ただ閉塞感が募るだけの読書に成り下がってしまった。三作目はもっと一文が長くなるらしいので、雰囲気が少し変わっているかもしれない。★★★☆☆
読了日:10月28日 著者:エリザベス A.リン
駆け入りの寺の感想江戸時代を舞台にした時代小説だが、落飾した皇女が住持を務める比丘尼御所(仏門に入った天皇の娘がその代表である尼寺)で起きる事件を書いた作品なので、尼僧たちの話す言葉が全て女房言葉。ああ、皇室の皆さんが話す言葉って、平安時代から江戸までにほとんど変わっていないのだなあと思った。どの作品も、何かから逃げ出してきた人の物語だ。家族から、自身の心から、過去の因縁から、逃げ出してきた人たちを寺は受け入れる(駆け込み寺ではないが)。気が住むまで自分を罰してからではないと前に進めない人っている。泰麒がそうだったように。★★★★☆
読了日:10月30日 著者:澤田 瞳子
【小説10巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女3」の感想冬の素材と春の素材集め、印刷機の改良から貴族の子女に対する教材販売、貴族とその子どもたちの冬の社交、そしてハッセの町への処分。いろいろ盛りだくさんなんだけど、基本的にはローゼマインの絵本販売を軌道に乗せる道筋ができたことで、大きな今までの苦労が報われた巻。ただ、ハッセの町について。このエピソードが好きでないのは、私は平民なので、簡単に貴族にその他大勢として命を奪われる側の人間として、貴族の論理に納得しきれないからだと思うのよね。ハッセの部分以外は、箸休めの巻って感じで可もなく不可もなく。★★★★☆
読了日:10月31日 著者:香月美夜
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