9月11日(金)

 

次の短文中で誤って使われている漢字を正しく直しなさい。

・惜しいところで長打を逸する結果となった

 

 

…わからん。

間違ってなくない?

もう、毎日我が家で交わされている言葉だし。

 

 

正解は『長蛇』ですって。

意味は「惜しい獲物や大事な機会を取り逃がす」ことだそうです。

今までずっと野球中継で「チョウダを逸しました」って言ってたのを、「長打」と思って聞いていましたが、「長蛇」だったんですねぇ。

勉強になりました。

 

 

 

 

本日の読書:沈んだ世界 J・G・バラード

 

扉より
『世界は溺れていた。いや、より正確にいうなら、二十世紀に繁栄を誇った世界の主要都市は、ほとんど水の底に沈んでいた。六、七十年前から起こった一連の地球物理学上の変動により、地球の表面は高温・多湿の水浸しの世界となっていた。国連派遣の調査部隊の一つ、リッグス大佐の率いるイギリス隊に加わった生物学者ケランズは、激変した動植物の形態を調べながら、水没した都市を次々に遍歴して行った…。六〇年代SFの新しい波を代表する旗手の一人バラードの初紹介』

ごめんなさい。
楽しめませんでした。

突然太陽の活動が活発になり、地球の気温が急上昇した世界。
極地の氷は融け、海水面が数十メートルも上昇し、人類をはじめ地上の生き物たちの生息環境は激変した。
その中で、人類はどうなるのか、とか、そういう世界でどう生きていくのか、とか、そういう哲学的な、形而上学的なことを考える小説なのだと思いました。
そういうの、嫌いじゃないのですが。

まず、ビルのてっぺんがのぞいているくらいの水浸しの都市。
そうなるとまず、建物を上へ上へ拡張していけばいいのでは?と思う。
しかし、新たな建築資材を手に入れるのは難しそうだから、水没する前の建物の使える物を調達すれば?と思ったけれど、実際に住んでいる人が立ち退きに同意する保証はないな。
強制執行が当たり前になると、民主国家ではやっていけなくなるかも。

なんて考えているうちに、気がついた。
仮にそれができたとして、いつか建物は朽ちてしまう。
建材の劣化が先か、増えていく水量の水圧に負けるのが先か。

作中では食料や燃料が欠乏しつつある。
人類は酷暑の中、悪夢の中に生きているような日々を送っている。
悪夢を見ている時間と起きている時間、どちらが生きている時間なのか。

気温の上昇に伴い、海の水が蒸発することによって湿度の上昇も起こる。
ということは、雨が降り続くんじゃないの?
そして限界まで厚くなった雲は、日差しを遮り、気温の上昇を抑えられませんかねえ。
うーむ、わからん。
熱せられた空気の対流による強風は?
科学の知識がないから、疑問だけがぐるぐる回る。

灼熱の地球。
人類が誕生する前の地球に戻ったかのよう。
そして動植物には、それぞれの遺伝子が持つ記憶を遡るように、過去の形質が現われる。
それは進化なのか、退化なのか。

わからないのは、その、住むに適さない地域に残りつづけたいと考える人たち。
それが主人公たちなんだけれど、なぜ他の大勢の人たちのように、比較的安全な場所に避難しないのかがわからない。
それは緩い自殺なの?
生物学者の興味として残るなら、そう言って、連絡の手段を確保して、自分の研究成果を伝えるのが筋じゃないのかな。

っていうか、気温の単位が華氏で書かれているので摂氏に直すと何度なのかピンと来ないのだけど、だいたい一日中摂氏50℃だったとして、人は生きていけんじゃろう。
高温多湿がここまでくると、人は体温を調節できない。
多湿のせいで汗をかけない→体温が下がらない→熱中症。

そして、体温が40度を超えると、たんぱく質の変性が起きてしまう。
脳のたんぱく質が変性すると、生きていくことが困難になる。
私が子どもの頃、40度超の熱を出した時に、「一週間熱が下がらなかったら命の保証はありません」と医者に言われたのは、多分そういう理由。
4~5日で下がったから生きているけど、未だに脳に支障がなかったと言える自信はない。

結局小説の本筋じゃないことばっかり、数ページ読んでは考え、数ページ読んでは考えして、あんまり楽しめなかったのでした。
60年代の、地球温暖化なんてかけらもなかったころの作品なので、そこに価値はあると思うけど、今のリアルな温暖化の現状を考えると、他人事として作品を楽しむことはできなかった。
ごめんね。