3月9日(月)
世界中の多くの人たちよりはるかにはるかに財産も権力も持っているのに、もっともっとと欲しがるトランプ大統領を見ていると、「餓鬼」という言葉が頭に浮かんでしまいます。
私は仏教徒ではないので、厳密な意味での「餓鬼」はわかりませんが、「終わりのない欲望」「自分本位の行動」「欠乏感の継続」など、当てはまるんじゃないかと思います。
今から30年くらい前のトランプ氏は、確かにアメリカでのヒーローだったのだと思います。
当時に書かれた小説などを読むと、親の遺産を受け継いだとはいえ、あれほど会社を大きくし財産を増やしたことは、多くの若者の憧れであり目標だったみたいです。
でも、今の姿は、今の若者にどう見えているんだろう。
手に入れれば入れるほど、「もっと、もっと」と際限なく欲しがる姿は、浅ましいという言葉が当てはまるように思います。
中1の時の社会の先生がおっしゃった言葉を、最近思い出しました。
「日本の議会制民主主義というのは、アメリカの大統領制に比べたら、物事を決めるのに時間がかかりすぎるからよくない、という意見もある。でも、たった一人の権力者に大事なことを委ねてしまうのは、とても危険なことだ。そんなことまで委ねていない、と後から言うことはできないのだから」
聞いた当時は、何のことやらと思って聞き流していました。
ほぼ半世紀忘れていた言葉ですが、最近ふと思い出して、今のこのことをおっしゃってたのか、と思いました。
プーチン大統領とトランプ大統領で話し合って、「せーの」でウクライナとイランへの攻撃をやめればいいのに、と結構本気で思っています。
長引けば長引くほど、ロジは厳しくなっているはず。
そう言えば、日本が参戦するとして、ロジはどうするつもりなんだろう。
前回の戦争では「現地調達」がうまくいかなかったわけで、島国としてどうやって補給物資を届けるつもりなんだろう?
船を持たない陸軍と、沿岸戦しかできない海軍とでどうやって?
最初だけは飛行機で投下できても、燃料がなくなったらどうやって運ぶの?
戦争って消耗品(武器・食料)を大量に消費するんだよ。
本日の読書:檜垣澤家の炎上 永嶋恵美
カバー裏より
『横濱で知らぬ者なき富豪一族、檜垣澤家。当主の妾だった母を亡くし、高木かな子はこの家に引き取られる。商売の舵取りをする大奥様。互いに美を競い合う三姉妹。檜垣澤は女系が治めていた。そしてある夜、婿養子が不審な死を遂げる。政略結婚、軍との交渉、昏い秘密。陰謀渦巻く館でその才を開花させたかな子が辿り着いた真実とは――。小説の醍醐味、その全てが注ぎこまれた、傑作長編ミステリ。』
これは、出版社にブラボー!です。
よくぞ上下巻に分けずに800ページを一冊にまとめてくれました。
だって、もう、止められないもの、続きが気になって。
主人公のかな子は、横濱で知らぬ者のない商家、檜垣澤家の当主の妾の娘。
両親に愛されて育ったが、8歳の時に母が火事に巻き込まれて亡くなったのをきっかけに、父のもとに引き取られる。
しかしその時には父は、卒中の後遺症で寝たきりになり、意思の疎通もままならない状態で、予後が良くなることなく父も亡くなった。
女中部屋住まいから、物置部屋へと少しずつ自分の居場所を広げていくかな子。
自分の居場所は自分で切り開かなければならない。
売れっ子芸者だった母が幼かったかな子に教えたのは、人の顔色と声色と腹の色を見極めなさいということ。
誰が敵か味方か、後に覚えた将棋で、手駒を増やすことも考えながらかな子は成長していく。
かな子の父の正妻はスヱ、その長女である跡継ぎの花、さらにその長女の郁乃。
檜垣澤家は女系一族なのである。
花の夫である辰市が事故で亡くなっても、事業には何の問題もない。
郁乃の夫である惣治はいるものの、病弱な郁乃の代わりを徐々にかな子が担っていくが…。
一応はミステリなのだ。
でも、とりあえずミステリでなくても、この女系家族の腹を見せ合わない駆け引きが面白い。
誰も心の内を話さないので、かな子視点で想像するしかないのが、もどかしくも愉快。
郁代の妹の珠代や雪江に可愛がられるために、かな子が取る態度。
檜垣澤家の使用人たちに対する態度。
家にいたって気は抜けない。
でも彼女は頭がいい。
勉強ができるだけではなく、その時自分が求められている役割を間違うことなくこなすことが出来る。
花の妹の初(スヱの次女)の婚家である山名医院の書生である西原が、かな子には腹の色が読めない存在として登場するが、これの存在もかな子の成長を促している。
というかねえ、何気ない描写が後々思いがけないスイッチになったりして、実は良質のミステリだったのだよなあ。
檜垣澤家の炎上とは、SNS上の炎上ではなく、火事のこと。
横濱は火事が多かったらしい。
函館も大きな火事が多かったから、港町って風が強くて炎上しやすかったのかしら。
