3月1日(日)

ひと月前は「読書のペースを落とそうと思う」と書いていたのに、全然落ちてません。
なんなら今、もっとがっつり本を読みたいと思っています。(人は変わってゆくのね…)

編み物のひと月でした。
編み物をしながら、淡々と本を読んでいました。
が、編み物をしながら…のために、却ってページをめくるのが煩雑で、いつもなら無意識に行っていたこの行為のせいで、いちいち集中が切れる。
これがプチストレスでした。
まあ、プチですけど。
でも、今月の目標は、集中して本を読む、です。

★5つは4冊ですが、上下巻の作品もあるので3作品。

『彩花へ』は、小学生の娘を殺されてしまった母親の手記ですが、一般的に想像される被害者遺族の感情過多な文章ではなく、とても読みやすかったです。
娘とのかけがえのない思い出は愛情深く、加害者少年へのまなざしはあくまで冷静に。
そこに至るまで、どんな感情を飲み込んできたのだろうと思うと、却って胸に迫るものがありました。

『書楼弔堂 霜夜』は、シリーズのどの作品も好きですし、素晴らしかったので、シリーズまとめて★5つ。
仕事で、明治初期の行政について調べたことがあったので、明治の後半にはこうなっていたのか、と思うこともしばしば。
令和の今、書楼弔堂の主人はどこで本を弔っているのでしょう。(まだ生きていると信じてます)

『マーダーボット・ダイアリー』上・下ともに、とってもとっても面白かった!
これに尽きる。
設定も、文体も、論理も、感情も、どれも好き。愛おしい。

マンガも結構読めたので、嬉しい。

2月の読書メーター
読んだ本の数:30
読んだページ数:9573
ナイス数:900


ネコの心理: 図解雑学 絵と文章でわかりやすい!ネコの心理: 図解雑学 絵と文章でわかりやすい!感想
ネコを飼っているわけではないけれど、飼う予定でもないけれど、一回の猫好きとして読んでも面白かった。子ネコ、大人ネコ、高齢ネコに分けての行動や心理の変化、ペット、家ネコ、野ネコの行動や心理の違いが分かりやすく書かれている。高齢ネコ→ものぐさでちょっと頑固で、体形が変わり動きがゆっくりになり、病気が増え飼い主の支えが必要になる…らしいです。経験が増えて好奇心も不安も少なくなり、身だしなみが面倒になる。え?私のことですか?反省。★★★★☆
読了日:02月01日 著者:今泉忠明

首無の如き祟るもの (講談社文庫 み 58-3)首無の如き祟るもの (講談社文庫 み 58-3)感想
この本、ずっと避けていました。だってタイトルも表紙も絶対怖そうでしょ?でも読み始めたら一気読みでした。ホラー要素は極薄で、一応昼間に読んでいたけど、夜読んでもいけたなあ。本格ミステリとしてフェアであろうとして、とても丁寧に可能性を潰してくれるのが親切設計。とりあえず一番最初の仕掛けはわかりましたので、なんとなく最初の事件の仕組みもわかりました。ところが連続殺人の方になると、男の死体がひとつ多いのでは?というところに引っかかって先に進めなくなりました。そうかー、もっと大きな捉え方をしないとだめだったかー。★★★★☆
読了日:02月02日 著者:三津田 信三

仮面舞踏会: 伊集院大介の帰還仮面舞踏会: 伊集院大介の帰還感想
1995年に出版された、パソコン通信と現実社会の融合とずれがキーとなっているミステリ。これ、テーマは当時としては斬新だったと思うのね。パソ通世界のアイドル〈姫〉が、現実に殺された。ネットの中に見せる架空の人格の裏側に透ける、闇と無責任。ただし、読後に大量のもやもやは残る。証拠がないから断罪できなくて、その後もつきあいを続けて行けるの?断罪されない方も、自分のしてしまったことの意味を深く考えもせずに、このまま一生を送れるの?で、何事もなく稔が大学に合格したら、そっちの方が怖いよ、私は。★★★★☆
読了日:02月03日 著者:栗本 薫

魔女モティ (講談社青い鳥文庫)魔女モティ (講談社青い鳥文庫)感想
紀恵(きえ)のお母さんは、あまりに紀恵の気持ちに無頓着すぎる。家出した先は、日本のような外国のようなクロワッサン島。魔女モティの娘として暮らすことを約束させられるが、モティは口が悪くて面倒くさがり。島のみんなの悩みを解決する気はさらさらない。いろんな家族の姿を見て、紀恵は家族が懐かしくなり…気がつくと元の世界に戻っていたのだが。あんなに仕事が忙しいと言っていたお母さんが会社を休み、紀恵にも学校をさぼらせてふたりの時間を作る。やればできるなら、もっと早くにやりなさいよ。★★★★☆
読了日:02月04日 著者:柏葉幸子

マーダーボット・ダイアリー 上 (創元SF文庫)マーダーボット・ダイアリー 上 (創元SF文庫)感想
主人公は殺人ボットという名で人物紹介に出てきますが、実態は警備ユニット。対人恐怖症の殺人ボット。職業は人間を警備すること。心や感情を持ち合わせていないと言い張るわりには、隙さえあればダウンロードした連続ドラマに耽溺しようとする。この辺は、隙さえあれば本を読もうとする私に似ている。収録された2編のタイトルは、一読「なんじゃこりゃ?」だが、本編を読み終わってから見ると、実にそのとおりの話だったなあと、腑に落ちる。機械の頭脳で考えて考えて考えて危険を回避しているはずなのに、どんどん深みにはまっていく。愉快。★★★★★
読了日:02月05日 著者:マーサ・ウェルズ

病葉草紙病葉草紙感想
長屋に住む、何を生業にしているのかよくわからない青年(本草学者)久瀬棠庵が、病を虫になぞらえて事件を解決する、連作短編集。この棠庵という男、頭はいいのだが人の心の機微がわからず、言葉も文字通りの意味でとらえてしまうので、何かと意思の疎通が難しい。毎日様子を見に来る大家の息子(実質大家のようなもの)である藤介が、時折置いてけぼりになりながらも、徐々に彼とのつきあい方を覚えて、結果的にはいい助手のような役割を果たしている。この二人のやり取りがとぼけていて、読んでいて面白いのなんのって。シリーズ化しないのかな。★★★★☆
読了日:02月06日 著者:京極 夏彦

同志少女よ、敵を撃て (ハヤカワ文庫JA)同志少女よ、敵を撃て (ハヤカワ文庫JA)感想
目の前でドイツ軍に村を侵略され、母をはじめとした村人たちを殺され、たった一人生き残ったセラフィマ。彼女は母の、村人たちの敵を討つためにソ連赤軍の狙撃兵となる。それでも、戦後に英雄として検証されたのは男性兵士ばかりだし、女性たちは支援部隊に移された。同志少女の敵は、ドイツではない。肉体も精神もボロボロになりながら、彼らは何を得て何を喪ったのか。セラフィマが最後に撃ったのは…。そしてタイトルと表紙。評判を知らなかったなら、決して手に取ることはなかったと思う。損してると思う。★★★★☆
読了日:02月07日 著者:逢坂 冬馬

GOSICK(5) ―ゴシック・ベルゼブブの頭蓋―GOSICK(5) ―ゴシック・ベルゼブブの頭蓋―感想
今までは一冊ごとに違う事件で、通底するストーリーはあるものの、巻を置いたときにはそれなりに満足感があったものだ。しかし今回は、連続殺人事件の途中、しかも自己紹介の目に3人目が殺されたっぽい。え?え?めっちゃ気になるじゃん。今回は一弥もヴィクトリカも、自分の気持ちに自覚的だ。ラブコメとはちょっと遠い舞台設定で、ストレートで幼い愛情表現がほほえましい。ともあれ続きがめっちゃ気になる。殺されたのは誰で、なぜ殺されねばならないのか?ちょっと味方かなと思ってたんだよね、あの人のことは。だから余計に、気になる。★★★★☆
読了日:02月09日 著者:桜庭 一樹

よろずを引くもの: お蔦さんの神楽坂日記
よろずを引くもの: お蔦さんの神楽坂日記感想
西條奈加にハズレはないからなあ、と油断して、シリーズの最新刊をうかつにも読んでしまった。しかも時代物ではなかったよ。神楽坂で履物屋を営む元芸者のお蔦さんと、その孫の望(のぞむ)が、町で起こったちょっとした事件を解決していくシリーズ。お蔦さんの家で食事を担当しているのが、孫である高校生の望。彼の作るおいしそうな料理も、このシリーズの売りの一つと思われる。『いもくり銀杏』でのワンオペ育児に疲れた母、『孤高の猫』でのSNSが暴く過去の不祥事に翻弄される家族。現代には現代の闇はある。お蔦さんの洞察力に脱帽。★★★★☆
読了日:02月10日 著者:西條 奈加

虚実妖怪百物語 破 (怪BOOKS)
虚実妖怪百物語 破 (怪BOOKS)感想
前巻は、つまらなくてつまらなくてどうしよう、という感じだった。今巻はぐんと面白さが増した。ゆがんだ正義感と排他性から繰り出される暴力の正当化。非寛容と多数派であるという無責任。もしかしてこの作品のテーマは、現代日本の歪な集団性を書いているのか?…でも、「死毒を吐き散らすあの施設」も無関係ではあるまい。出版されたのが2012年なのだから、余計に。裏にいるのは加藤保憲(荒俣宏の小説に出てくる人外の人物)。日本を亡ぼすために。話が大きくなったところで、次は『急』。満を持して水木しげる大先生の登場で次巻へ続く。★★★★☆
読了日:02月11日 著者:京極 夏彦

入れ子細工の夜入れ子細工の夜感想
期待を裏切らない、発想の妙を存分に楽しめる短編集でした。ハードボイルドだったり、入試問題風だったりしながらも、作者としては核は本格として作品を作っているそうである。後に行くほどキテレツ度は増すというか…私は真面目なので、最初の作品が好きですが、二作目の作品も面白かったです。全ての作品に共通しているのは、コロナ下での出来事、ということ。不織布マスクをしたうえで、プロレスのマスクをして闘わねばならないレスラーの皆さんには、お疲れさまと申し上げます。★★★★☆
読了日:02月12日 著者:阿津川 辰海

大草原の小さな家 1: 絵本大草原の小さな家 1: 絵本感想
テレビの『大草原の小さな家』が大好きで、もちろん本も読んでいます。でも、ガース・ウィリアムズの挿絵に強く心を動かされて描いたというルネ・グレーフの挿絵は、私には物足りなかったです。画力がそもそも足りていないと思いますし、影響受けすぎてただの劣化版のように感じました。それでも、アメリカの開拓民の生活を、日本の子どもたちにわかりやすく伝えるという意味では、意義のある絵本だと思いました。日本でも、明治時代の北海道の開拓民の生活や、江戸時代の農民の生活などがわかりやすく描かれた絵本があればいいと思うのですが。★★★★☆
読了日:02月13日 著者:ローラ・インガルス ワイルダー

リラックマ生活: だらだらまいにちのススメリラックマ生活: だらだらまいにちのススメ感想
ある日、都内で会社員をしているカオルさんが、家に帰ったらリラックマが居座っていた。カオルさんが飼っていると思しき「キイロイトリ」は、リラックマの背中にチャックがあって、中から水玉模様の布が見えていたことにショックを受ける。という、結構シュールでオソロシイ設定である。が、のんびりだらだら。いいこと言ってるんだけどさ。心が疲れたときは沁みるんだけどさ。いつも、ずっと、なんでも先延ばしは、結局何も解決しないというか、悪化することもあると思うので、まあ、ほどほどに、と思う私はぐでたま派なのである。★★★★☆
読了日:02月14日 著者:コンドウ アキ

彩花へ――「生きる力」をありがとう (河出文庫 や 13-1)彩花へ――「生きる力」をありがとう (河出文庫 や 13-1)感想
軽々に感想なんて書けません。突然娘を失った人が、心の痛手が消えることなどないであろうに、こんなにも心を尽くして理を説いて、命の尊さをわかりやすく訴える。心の強い人なのだと思います。聡明な人なのだと思います。人が、お互いの存在を自分と同じように大切に思うことができたなら、このような事件が起きるような世の中にはならないはずだ。そういう強い思いを感じました。「生きる力」というのは、彩花ちゃんが書き初めで書いた言葉。「生きる力」を持つ人であり、「生かす力」を持つ社会でありたいと思いました。★★★★★
読了日:02月15日 著者:山下 京子

おしゃれのベーシック (文春文庫 み 27-2)おしゃれのベーシック (文春文庫 み 27-2)感想
ごめんなさい。おしゃれのセンスも知識も微塵もない私が、この本を読んでしまったこと。無謀以外の何物でもありませんでした。最初からわかっていたけど。でも、単行本の表紙の写真がおしゃれだなあと思ってこの本を手にしてしまった。とりあえず、他人から自分をどう見えているのかを冷静に知るところから始まり、どういう自分でありたいのかを明確にして、それを目指して日々精進すべきなのだということはわかった。そして「見た目は10割」というのは「わたしはこういう人間です」と相手に示すことなのだ、と。ふむふむ、これは覚えておこう。★★★★☆
読了日:02月16日 著者:光野 桃

運命のコイン(下) (新潮文庫)運命のコイン(下) (新潮文庫)感想
もう、面白かった以外の言葉が見つからない。多分息をするのも忘れて読んでいたと思う。上巻を読んでいて、アレックスはちょっと危ういなあと思っていたんだよね。下巻に入ってから、アレックスは破綻直前の銀行の経営を任されることになる。サーシャもまた、地方議員から国会議員へ。同じコインの裏表の人生だったはずが、いつの間にか同じ方向を向き始め、ニアミスまで。最後は操られるように二人はロシアを目指し…。突然びっくりするくらい現実の、ちょっとだけ過去の時代と今がつながった。えええ!?そんな~!!!★★★★☆
読了日:02月17日 著者:ジェフリー・アーチャー

地図と拳 下 (集英社文庫)地図と拳 下 (集英社文庫)感想
普通サイズの上下巻の本なのに、大河小説を読んだくらいには体力を失った。「地図」を仕事としていたので、書名に「地図」という文字が入っていると、つい手に取ってしまうのだが、重苦しい本である確率が結構高い。この本も、日露戦争を前にした時期から第二次世界大戦後までの長い年月を、ほぼ満州を舞台に書かれている。仙桃城における孫悟空とその娘孫丞琳の愛憎。都市における建築物の意味――明男の半生。高木と細川が夢見た満州の未来。これらを別の作品として書いて、サーガのようにゆるく繋げたほうがわかりやすかったのではないかなあ。★★★★☆
読了日:02月18日 著者:小川 哲

ミステリと言う勿れ (16) (フラワーコミックスα)ミステリと言う勿れ (16) (フラワーコミックスα)感想
現時点での主要登場人物勢ぞろいっぽい話。大学の心理学ゼミの合宿に、天達先生も、鳴子巽も、レンくんも、そしてねこみちくんも参加。人が何人も死ぬような事件(しかも未解決)のあった孤島での合宿なんて、我が子が参加したいと言ったら考えちゃうけどなあ。ライカさんのセリフを抜きにしても天達先生の言動がいちいち怪しすぎて、なんなら鳴子巽より怪しくて気になる。どうか誰も死にませんように。
読了日:02月18日 著者:田村 由美

赤と青とエスキース赤と青とエスキース感想
作品タイトルの「赤と青」と章タイトルから、『金魚とカワセミ』の半ばくらいで作者のたくらみはわかった。『東京タワーとアーツ・センター』でその答え合わせを終えた。エピローグですべての答え合わせをしているけれど、これは不要。回答編がくっついていると、正解を知った気になって一度しか読まずに終わる人が増えると思うのね。若い人はもっと、再読をしてみたらいいと思う。ジャック・ジャクソンが実は女性じゃないかと深読みしてた。あまりに小柄が強調されているので、男装しているけれど本名はジャクリーヌ・ジャクソンなんじゃないかと。★★★★☆
読了日:02月19日 著者:青山 美智子

GOSICK 6 (富士見ミステリー文庫 38-11)GOSICK 6 (富士見ミステリー文庫 38-11)感想
今回は走っている列車の中で起こった密室殺人事件。ヴィクトリカと一弥は、同じコンパートメントで知り合った4人の話す身の上話から、殺人事件を解決し、彼らが隠す真実を明らかにする。「ぼくたちはいったいどうして殺しあうのか?大人に命じられて、自分の大切な人のために、見知らぬ誰かを殺すなんて。家族のために、国のために戦えと言われて、お互いを手にかける。」「あれが、罪のない人間を手にかけることはけしてないだろう(中略)久城にはそういう、”正しい弱さ”とでもいったものがある。わたしはそれを、高潔と呼ぶのだ」★★★★☆
読了日:02月20日 著者:桜庭 一樹

亜愛一郎の逃亡 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書) (創元推理文庫 M あ 1-6)亜愛一郎の逃亡 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書) (創元推理文庫 M あ 1-6)感想
見た目イケメンだが挙動が不審な亜愛一郎シリーズ最後の作品。なんと彼はただのカメラマンではなかったのだ。彼の正体がわかった時、彼の行く先に常に現れる「三角形の顔をした小柄な老婦人」の正体もついにわかる。まあ、それはそれとして、各短編について。手品を得意とする作者の作品なので、見えていると思われるものの信ぴょう性に着目すれば、割とトリックは見破れる。そして、あくまでもトリックのためのストーリーという感じなのが、いかにも80年代のミステリという感じがした。★★★★☆
読了日:02月21日 著者:泡坂 妻夫

書楼弔堂 霜夜書楼弔堂 霜夜感想
今回は一冊の本を作るための活字から、本を販売するための流通にまで話が広がり、そして「本のそむりえ」たる弔堂が店を閉めるまで、の話。筆写から活字へ、手漉きの和紙から大量生産が可能な洋紙への移行。明治という時代を舞台にしながら、これは確かに現代の読者に向けての本であった。価格が高い本がいい本というわけではなく、短時間で読むことがよい読書というわけでもない。読書というのは、コスパやタイパの範疇外のものなのだ。世の中は常に変動していて、本の中身は変わらない。だから人は本を読んで、己の現在地を確認するのだろう。★★★★★
読了日:02月22日 著者:京極 夏彦

まぐさ桶の犬 (文春文庫 わ 10-7)まぐさ桶の犬 (文春文庫 わ 10-7)感想
表題作のタイトルの意味は、馬の飼料が入っているまぐさ桶に居座って、馬が近寄ると吠えたてて飼料を食べさせない犬、つまり、自分が得するわけでもないのに、他人が幸せにならないように邪魔をする人のことだそうだ。さすが不運を呼び込むことでは人後に落ちない葉村晶。次々訪れる厄介ごと。でもねえ、もう50代ですよ。普通のおばさんなんですよ。普通のおばさんがハードボイルドな事件を扱うと、筋肉痛ですめばいい方で、脱臼とか骨折とかコロナとか…無理だって。コロナ下の事件だったのも、大変さに輪をかけた。ほんと、お疲れさま。★★★★☆
読了日:02月23日 著者:若竹 七海

黄泉のツガイ(11) (ガンガンコミックス)黄泉のツガイ(11) (ガンガンコミックス)感想
うっかり発売されていることに気付かず、なんと来月に新刊が出るというではないか。ユルたちと西ノ村の総力戦の様相を呈してきたけど、ハルオもジンさんも生き延びてほしい。なんで相手はあんなに強いのか。東村に帰れない子どもたちも悲しい。キョウカさんの覚悟は誰のためのものなんだろう。
読了日:02月23日 著者:荒川弘

新装版 テロルの決算 (文春文庫)新装版 テロルの決算 (文春文庫)感想
右派であるとか左派であるとかは関係なく、大声で人を恫喝する人や暴力で言うことを聞かせようとする人が苦手です。そういう人の話を聞くのもちょっと無理。なので、テロリストのノンフィクションというのは、わたしには少しハードルが高いものでした。それでも、レッテルを貼って知った気になってはいけないと自分を鼓舞して読みました。殺された浅沼稲次郎も殺した山口二矢も、損得で行動する人ではありませんでした。ある意味、信念に基づいて行動する、融通の利かない人の方が厄介なのかも。歴史に学ぶって、ものすごく大事。★★★★☆
読了日:02月24日 著者:沢木 耕太郎

フラワー・オブ・ライフ 第1巻 (白泉社文庫 よ 4-4)フラワー・オブ・ライフ 第1巻 (白泉社文庫 よ 4-4)感想
高校生活にも慣れてきた頃、1年D組にひと月遅れの転入生がきた。実は白血病の治療のため、1年とひと月遅れで高校に来た花園春太郎をはじめ、1年D組の生徒たち(と先生)が繰り広げる学園まんが。内気な子、しっかり者、一匹狼のマンガオタク等、個性際立つクラスメートたちが巻き起こすあれこれが、本人たちがまじめなだけにとても面白い。ゲラゲラ笑いながら読めるのに、時折鋭く切り込んでくる。”あんたが自己紹介で自分が白血病だったって言った時から、あんたは人間関係においてそのヘビーな立場の分、みんなより強者の立場に立ったのよ”
読了日:02月24日 著者:よしなが ふみ

生きること思うこと―わたしの信仰雑話生きること思うこと―わたしの信仰雑話感想
夫婦そろってキリスト教の信者であることは知っていたけど、こんなにも生活が宗教中心であるというのに驚いた。まあ、キリスト教団の機関誌に書かれたエッセイだから、というのもあるのだろうけれど。私自身が特定の神を信じているわけではないので、生活の中心に宗教があるというのが、実感できないのだ。三浦綾子が仏教より神道の方が上だと考える根拠は、より抽象的だから、だそうだ。確かに神様の像を祀ったりはしていないけど、日本の神さまは逆に具体的なような気もする。仏教の方がキリスト教に近いような気はするけれど。★★★★☆
読了日:02月25日 著者:三浦綾子

プーさんの鼻プーさんの鼻感想
久しぶりに読む俵万智の歌集。恋の歌も親兄弟を詠んだ歌もそれぞれ趣深いけど、今回は何と言っても出産子育ての歌が良い。本人もあとがきで「ちょっとどうかと思うほど」というくらいたくさんの歌が詠まれているが、そのどれもがしみじみ、いい。”うつぶせに眠るおまえの足の指えんどう豆のように並ぶよ”こういう言葉で子供の成長を記しておけたらよかったけれど、なにぶん散文になってしまうのだよなあ。”着ぶくれて石拾う子よ人類は月まで行って拾ってきたよ”しゃがんで石を拾う子どもの姿が、酒井駒子さんの絵で脳内に再生される。★★★★☆
読了日:02月26日 著者:俵 万智

ボーン・コレクター 上 (文春文庫 テ 11-3)ボーン・コレクター 上 (文春文庫 テ 11-3)感想
ニューヨーク市警で科学捜査のエキスパートだったリンカーン・ライムが主人公のシリーズの第一弾。現在のライムは、事故のため四肢が麻痺し、首から上と左手の薬指しか動かすことが出来ない。自殺しようにもそれすらできない状況で、彼は楽に死なせてくれる人を探している。そんな時、猟奇的な殺人事件が起きる。元同僚たちはライムの寝室を捜査本部とし、殺人犯を追うのだが、実際に現場に行って鑑識業務を行うのは、関節炎に苦しむ美貌のパトロール巡査のアメリア・サックス。彼女は傍若無人なライムに最初は反発するれど…。気にはなるよね。★★★★☆
読了日:02月27日 著者:ジェフリー ディーヴァー

マーダーボット・ダイアリー 下 (創元SF文庫)マーダーボット・ダイアリー 下 (創元SF文庫)感想
下巻も面白かった~。飄々とした訳文が面白すぎるけど、原文はどんな感じなんだろう。ダイアリーだから日記のはずなんだけど、読者を意識した説明分及びそれに対する突込みが面白くて、思わず声出して笑ってしまうところも。「ドラマであれば”まずいぞ!”という場面」が何度も何度も次々に出てきて、気が抜けない。主人公の弊機はコミュニケーション障害気味の人間嫌い。でも、本当は嫌いなんじゃない。親しくなってから嫌われるより、最初から親しくならないのを選んでいるだけ。だからこそ、ミキの一件には衝撃を受けた。え!?噓でしょ?★★★★★
読了日:02月28日 著者:マーサ・ウェルズ


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