2月1日(日)
年末に大量に本を借りたので、読書に追われるひと月でした。
が、それでも、月に1万ページを読むのは難しいということですなあ。
そろそろ読書のペースを落とそうと思っています。
もう少し丁寧に家事を行ったり映画を観たりしたいので。
ただ、どうやってペースを落とせばいいのかが今のところわかりません。
今までずっと、もっと読みたいという気持ちが強かったので。
そして図書館に行けば、相変わらず本にお呼ばれしてしまうので。
嬉しいけど、困ったなあ。
★5つは5冊。
『蘇我の娘の古事記』は、思っていた内容とは違うものの、面白かった。
この作者は、この時代の作品をたくさん書いているようなので、見かけたらもっと読んでみようと思う。
奈良時代を舞台にした作品が最近増えてきて、大変うれしい。
『日没』は、好きか好きではないかで言うと、圧倒的に嫌い。
だけど目を離すことができないくらい、そのおぞましい管理社会に取り込まれてしまった。
今が、または近い未来がこうならないという保証はないと、最近強く思う。
『了巷説百物語』は、昨年から続く京極夏彦まつりの中でも、圧倒的に好き。
シリーズが今度こそ終わってしまったけれど、彼の作品は時々シリーズを越えて繋がることがあるので、そこに期待する。
又市にまた会いたいよぅ。
『おひるねのいえ』は、子どもと一緒に読むと絶対に楽しい。
絵の隅々にさりげなく描き込まれたあんなことやこんなこと、文章には書いていない情報を見つけるのに、きっとハマる。
『777』これもまた、大好きなシリーズなんだよなあ。
11人も人が死んじゃう殺し屋の話なのにさ。
ただ、『グラスホッパー』は別として、このシリーズは『マリアビートル』といい『AX』といい、最後にものすごく胸を打たれてしまうのだけど、そこまででは…なかったかもな。
でも、人に面倒を押し付けて自分は美味しいとこ取りをする乾が、なぜそうするのかを考えたとき、目的を確実に達成するために危ない橋を渡らないようにするためなんだろうかと思ったりして。
人生のスロットを、自分のために777を出すのではなく、息子に777を残すという親の気持ちには共感したけど、だとしたら天道虫の親はめちゃくちゃ777を出して、その付が彼に…?
1月の読書メーター
読んだ本の数:28
読んだページ数:9731
ナイス数:888
この世にたやすい仕事はないの感想
新卒で勤めた職場を退職した私は、職安で「一日コラーゲンの抽出を見守るような仕事はありますかね?」と聞くと、「ありますよ」と言われ勤め始めるのだが…。どんな仕事だって、楽にできるもんじゃないよ、という話であるのは事実だが、もっと普通のしごとの話かと思ったのだ。仕事自体はどれも体力的にきついものではない。その分主人公が一人で空回りしたり追い詰められたりするのだけれど、これがリアルなしごと風景なら読みごたえがあったのだけどねえ。設定が嘘くさすぎて、主人公の心情に寄り添うことはできなかった。★★★★☆
読了日:01月01日 著者:津村 記久子
蘇我の娘の古事記の感想
物語は乙巳の変で蘇我入鹿が殺され、蝦夷がその屋敷を焼き払ったただ中で、国史の編纂を手伝っていた船恵尺(ふねのえさか)が、生まれたばかりの入鹿の娘を救出し、自分の子どもとして育てた。入鹿の娘・コダマは、何も知らされずに恵尺の娘としてのびのびと育てられる。ただ、目が不自由で、その代わり優れた耳と記憶力を持つ。章と章の間に、コダマが幼いころに聞いた神話や土地の昔話が差し挟まれていて、それを読むと古事記の中のエピソードがいくつかわかるようになっている。そして、その積み重ねが最後に生きてくるわけさ。面白かった!★★★★★
読了日:01月02日 著者:周防柳
QED 神鹿の棺 (講談社文庫 た 88-61)の感想
全体の7~8割が古代史や神社等の蘊蓄で、さすがに飽きる。現実の事件も、江戸時代の話、最近発見された戦後すぐのものと思われる白骨死体の話、村の古老の話等とりとめがなくて、読んでいても集中が続かない。一応これがシリーズの最新作なのだけど、この続きは多分もう読まない。因縁のありそうな薬剤師仲間とか、毒草師とか、タタルの中学時代の恩師とか、人間関係が広がった割にはその後の展開もないし、多分どこまでも日本史の暗部を深掘りして終わるのではないかと思うので。★★★★☆
読了日:01月03日 著者:高田 崇史
いちご同盟 (河出文庫 み 1-2 BUNGEI Collection)の感想
作者の名前と『いちご○○』から、学生運動の話かと思っていました。なんと、1990年という比較的最近の中学生の話でした。(でも30年以上前)まあ、時代が変わろうと、中学生は自分の将来に悩み、「僕って何?」って悩むもの。そういう意味では、じれったいほどに主人公の良一はこじらせ中学生でした。でも、だからこそ、難病感動系は不要と思う。作者の腕があれば、そんな設定がなくても小説が書けると思うがなあ。ちなみにタイトルの『いちご同盟』とは、15歳男子二人の同盟のこと。★★★★☆
読了日:01月04日 著者:三田 誠広
スナーク狩り (光文社文庫 み 13-9 光文社文庫プレミアム)の感想
宮部みゆきの初期の長編。なのにこの、リーダビリティの高さよ!元恋人の披露宴会場に散弾銃を持ち込む女、関沼慶子。釣具屋の店員で、仲間からは「お父さん」と呼ばれている織口邦男は、金沢に寝台急行で向かうと同僚である佐倉修治に思わせておきながら、姿を消す。誰が…は明らかにされているものの、何をしようとしているのかがわからないまま、何人かの人物を巻き込みながら話は進む。残り30ページでの加速の付き方ったら。「私刑」はもちろん認めることはできない。善人であった側の人をも悪人と同じ土俵に貶めることなのだ。★★★★☆
読了日:01月05日 著者:宮部 みゆき
日没 (岩波現代文庫, 文芸352)の感想
組織に対してても足も出ないまま転がされていく怖さが、ものすごくリアル。主人公のマッツ夢井のところに「文化文芸倫理向上委員会」という総務省が管轄する組織からの召喚状が届く。事情聴取や若干の講習等が予定されているので、宿泊の準備をしてくるように、と。穏やかな社会形成に反することは全て処罰の対象となり、反抗的な態度を改めさせるために、執拗に繰り出されるあれこれが全て恐ろしい。「景気が好いと浮かれ、他民族より優秀と自惚れている間に、政府のいうことを聞く愚民を大量生産する」私は多分殴られた時点で転向する。★★★★★
読了日:01月07日 著者:桐野 夏生
夜明けのすべて (文春文庫 せ 8-5)の感想
月に一度、PMSで感情を押さえられなくなり、大手の会社から栗田金属というこじんまりとした会社に転職した美紗。最近入社した山添は、覇気がなくぼんやりとした今どきの若者。ところが、ひょんなことから彼がパニック障害で苦しんでいることを知る。ふたりとも自分のことで精いっぱいの時は何もできないのだが、誰かのためには動くことができる。ずっと自分を否定してきた二人が、少しずつ自分の出来ることを見つけ、自信を取り戻していく。この本を読んで欲しい人がいる。どうやってこの本を勧めようか。それが、これからの私の課題だ。★★★★☆
読了日:01月08日 著者:瀬尾 まいこ
GOSICK IV ─ゴシック・愚者を代弁せよ─(ビーンズ文庫) GOSICK(ビーンズ文庫) (角川ビーンズ文庫)の感想
今回の事件は、学校内の時計塔で起きた密室殺人事件。久城は早速ヴィクトリカの退屈を癒すため、彼女のもとに行こうとするのだが、今回はアブリル嬢があの手この手で引き留めようとする。第一次世界大戦から第二次までの、不安定なヨーロッパ情勢。新興国アメリカに対抗するにはどうしたらいいか。という大人の事情も相まって、いよいよヴィクトリカの存在が重要度を増す、らしい。ヴィクトリカの生母の家に忍び込み、何かを盗み出したと思われるブライアン・ロスコ―もヴィクトリカの前に姿を現し、さあ、話はどこに向かっていくのだろう。★★★★☆
読了日:01月09日 著者:桜庭 一樹
銀杏手ならい (祥伝社文庫)の感想
喧嘩ひとつしたことのない夫から、結婚三年目の日、子どもができなかったことを理由に離縁された萌。すでに大人ではあるが、萌の成長物語ではあるのだ。離縁されたこと、手習所の女師匠として子どもたちの持つ問題を解決する手助けをすること、そして銀杏堂前に捨てられた捨子の美弥の母となること。けれど、「筆子」の子どもたちもまた、いいのよ。精一杯今日を生きる子どもたち。萌は、手習とは嵐のような世間で生きていくための「板きれ」のようなものだと考える。貧乏から脱出するためには、その板切れが、知識や教養が必要だと知っているから。★★★★☆
読了日:01月10日 著者:西條奈加
フリーター、家を買う。 (幻冬舎文庫)の感想
主人公は3ヵ月で職場を辞め、小遣い稼ぎのバイトをしながら、悠々自適のフリーター生活を送っている。ある日、結婚して家を出た姉が、母の鬱病を家族に告げる。確かに世間知らずの甘ちゃんで、都合の悪いことには耳をふさいでフリーター生活を謳歌してきた誠治はダメダメだ。それよりも許せないのが、ご近所のいじめグループ。大人のいじめっていうだけで、バカじゃないの?って思うのに、我が子を使って他人の子どもをいじめるってどういうこと?いろいろ腹立たしいけれど、主人公がとにかくお母さんの笑顔を取り戻すために奮闘する姿がよい。★★★★☆
読了日:01月11日 著者:有川 浩
地図と拳 上 (集英社文庫)の感想
日露戦争前の満州を舞台にした出だしを読み始めたとき、こういう作品特有の読みにくさがなくて驚いた。聞き覚えのない固有名詞が大量に出てくるため、どうしてもすらすら読むことはできないのだけど、必要以上の文章の堅苦しさがなく、作者の書いている映像が脳内にイメージできる。シーン転換による視点の移動は、物語全体を立体的に把握するのに役立つが、把握そのものに手間取るという弊害もある。物語がどこへ向かって、どこへ終着しようとしているかは、今のところまだわからない。けれども、きっと大きな満足が得られるのではないかと思う。★★★★☆
読了日:01月12日 著者:小川 哲
七夜物語(下)の感想
七つの夜を共に過ごしたさよと仄田くんは、確かにかけがえのない体験を共にした。けれど、読み終わったら忘れてしまうのが「七夜物語」のお約束。子どもらしい几帳面さ、乱雑さ、不安や自信なども七夜の体験の中に置き忘れ、二人は成長し、大人になる。でも、世の中は白黒、善悪、好悪と、きっぱり二つに分けることなどできず、効率的な分断は薄っぺらいものであるということを、多分心の奥底で忘れずにいると信じている。自分の未来は自分で作っていくしかないんだ。そしてそれは、他者を否定するものであってはならないんだ。★★★★☆
読了日:01月13日 著者:川上 弘美
了巷説百物語の感想
舞台は水野忠邦の行った天保の改革が庶民を苦しめていた前後の江戸。その水野方陣営に雇われたのが、嘘を見破る「洞観屋」こと稲荷(とうか)藤兵衛。主人公は又市たちの敵?ストーリーが大掛かりなので、登場人物もやたら多い。長耳の仲蔵が断った以外は、主な「化け物遣い」たちはみんな出てくる。が、百助と又市は、伝聞で出てくるが、本人たちは最終章まで姿を現さない。その代わり、「洞観屋」の藤兵衛と「憑き物落とし」の中禅寺が出てくる。もう、オールスターだよね。京極夏彦作品の中で、このシリーズが一番好きだ。又市が好きなんだよ。★★★★★
読了日:01月17日 著者:京極 夏彦
デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場 (集英社文庫)の感想
栗城氏のことは、七大陸の最高峰を単独無酸素での登頂を目指していることを知っていた。数年後、ネットニュースで見たのは、彼が詐欺師であるという記事だ。さらに数年後、彼の訃報がニュースになった。若い人の死は、ショックだった。彼がエベレスト登頂に成功する道はいくつもあった。単独に、無酸素にこだわらなければ。そして、登山を基礎からきちんと学んでいたなら。数々の彼の弱さ、欠点はあるとして。でも、彼は実際エベレストまで行って、辛い思い、苦しい思いをしながらある程度までは登ったのだ。それだけは、なかったことにはできない。★★★★☆
読了日:01月18日 著者:河野 啓
プリンセス・ダイアリー 崖の下のプリンセス篇の感想
前巻でマイケルとけんかになり、彼からもらったペンダントを叩き返してしまったミア。そのままマイケルは日本へと飛び立ってしまう。相変わらずドタバタなんだけど、今回はリリーとずーっと絶好状態で、逆にラナとの距離が近づいた。仲良くなってみれば、毒舌ではあっても、さほど性格の悪いわけではないラナとのガールズトークは、楽しくないわけではない。ミアはどうしてもリリーと仲直りをしたいみたいだけど、私は最初からリリーのことが好きではなくて、今回リリーがミアにした仕打ちなどは相当陰険だと思っている。ティナが親友じゃダメなの?★★★★☆
読了日:01月19日 著者:メグ・キャボット
おひるねのいえの感想
2ページ目の文章に”おうちのなかには、ベッドがあるの。きもちのいーいベッド。”とあるのに、ベッドで寝ているのはおばあさんだけ。孫と思しき坊やは椅子の上で寝ています。おやおや?と思ってページをめくると、椅子を降り毛布を引きずった坊やの姿。ふんふんなるほどね、と思うのはまだ早い。絵本の定番のような話の進み方をするのは、途中まで。最後の展開などだれが予想したでしょう?ストーリーも面白いのですが、絵も丁寧です。びっくりするほど寝相が悪いおばあさん。でも枕はいつも頭の下。笑。丁寧に作られて、そして面白い絵本でした。★★★★★
読了日:01月20日 著者:オードリー ウッド
すてきなおうちの感想
マーガレット・ワイズ・ブラウンの書く絵本が好きです。絵を描かずに文章だけで、どうやってこんなに子どもの気持ちを掴めるのだろうといつも思います。今回も、誰のおうちだろうと予想しながら読むのは楽しかったです。もちろん、私は大人なので簡単にわかるのですが、最後のはわからなかった。大人の頭で考えると、これは地球のようなものなのかな。陸に住むもの、空を飛べるもの、水に生きるものたちがみんな仲良く一緒に暮らせる家って。ただ、絵がね…。2ページ目のイラストは、おとこのことおんなのこが、男の子とお母さんに見えてしまった。★★★★☆
読了日:01月21日 著者:マーガレット・ワイズ ブラウン
沈黙博物館の感想
村の人々の形見の品を集めて展示する「沈黙博物館」。一人の老婆の執念と、博物館専門技師の努力と、老婆の養女、家政婦、庭師たちが作り上げようとするその博物館とは。現実とファンタジーのあわいにある物語は、小川洋子の得意分野ではあるけれど、この作品は少し違うような気がした。小説の感想を別な小説で例えるのはいかがなものかと自分でも思うけれども、これは吉田修一の『パレード』ではないのかと思った。身近にいる人の違和を見ないようにする主人公。けれども最後まで読んで、これは安部公房の『砂の女』だな、とも思えた。難解。★★★★☆
読了日:01月22日 著者:小川 洋子
哲学 (幻冬舎よしもと文庫 2-1)の感想
20年以上前に出版された本。この当時お笑い界の頂点にいた二人が、ともに現在前線から退いてしまったというのは時代を感じてしまう。どちらも自分にお笑いの才能があることを疑ってはいない。すごいのは、高校を卒業したくらいでもう、自分のやりたいお笑いのスタイルを見極めて、それを叶えるために戦略的に動いているということ。M-1でいつも松本人志の審査と私の評価が違うのは、単なる笑いの趣味の違いと思っていた。でも多分、完成された形としての漫才を見て笑いたい私と、発想の妙の発芽を見つけて評価するプロの目の違いなんだろうな。★★★★☆
読了日:01月23日 著者:島田 紳助,松本 人志
運命のコイン(上) (新潮文庫)の感想
大学進学を控えたソ連の青年アレクサンドルは、職場に組合を作ろうとした父が当局に殺されたため、母親のエレーナと共に亡命することにした。亡命先はコインが決める。表が出たらアメリカで、裏が出たらイギリス。さて、彼らの運命はどちらに…。冷戦時代を舞台に、自由の国に逃れた青年がどう生きていくのか。イギリスに亡命した場合とアメリカに亡命した場合、両方の運命が交互に語られる。イギリスではサーシャ、アメリカではアレックスと呼ばれているので、ややこしくはあるが混乱はしない。どちらも波瀾万丈で、続きが気になってしょうがない。★★★★☆
読了日:01月24日 著者:ジェフリー・アーチャー
スキマワラシ (集英社文庫)の感想
散多は、兄の営む古道具屋を手伝っている。時々、古いものの持つ記憶が一瞬見えてしまうこともある。大きく2つの謎があるのだが、この兄弟、決して焦ったりしない。話のテンポとしては決して良いとは言えないのだけれど、なぜだか読まされてしまう。面白かった、と、最初に言っておこう。私はこの作品好き、と。でも、嫌いな人も多いだろうということはわかる。まず、謎の解明が中途半端というか、それは解明じゃないよ!作品の出来不出来で言うと、不出来と言わざるを得ない。でも、それでも面白く読めたのだから、私との相性はよかったのだろう。★★★★☆
読了日:01月25日 著者:恩田 陸
家族じまい (集英社文庫)の感想
猛夫とサトミは80代の夫婦。毎日母に電話をする次女の乃理が、母の異変に気付いた。父に問いただし、母が認知症になったことを知った乃理は、実家とほとんど連絡を取ろうとしない姉の智代にそれを伝えた。もう、智代の逡巡が刺さりまくり。好きで認知症になったわけでないのはわかっているけど、家族だから苛立たしいという思い。釧路に暮らす猛夫とサトミ。江別に暮らす智代と、函館の乃理。同じ北海道といえど、その距離感のはるかなことが、地理的によくわかる。でもまあ、サトミの姉のおかげで読後感はさほど悪くない。★★★★☆
読了日:01月26日 著者:桜木 紫乃
松本ぷりっつの夫婦漫才旅 ときどき3姉妹 ご当地名物めし編 (MF comic essay)の感想
今回銀座は行ったことある界隈だったので、懐かしく読めたのだけど、神楽坂は見事に行ったことない方向に進んでいて、なるほどいわゆる神楽坂らしさはこのあたりにあるのだな、と納得した。名古屋と大阪については、今後のライブ参戦時に参考にさせてもらう。でも金シャチ横丁は価格設定が高めだった記憶が…。そして大阪。粉もんと串揚げ以外の美味しいものを知りたいのだが。あべのハルカスまで行って2階の道産子プラザで時間を潰すわしら…。天神橋筋商店街は行ってみたい。
読了日:01月26日 著者:松本ぷりっつ
分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議の感想
コロナ対策専門家会議は、国の機関ではない。感染症対策の専門家たちが、自主的に立ち上げた組織だ。法的権限は何もない。ただ、政府に提言し、政策の根拠としてほしいと。けれど内閣の責任、省庁の面子などで、思うように対策を講じることはできなかった。逆にマスコミの前で発言する専門家たちに対抗するように、政府は彼らに何の相談もなく学校の全国一斉休校や、布マスクの配布を決めた。命懸けで、コロナの拡大を防ごうとした人たちへの評価が、低すぎるのではないかという思いが強くした。★★★★☆
読了日:01月27日 著者:河合 香織
明日、晴れますように 続七夜物語の感想
前作『七夜物語』の主人公鳴海さよと仄田鷹彦の二人は、冒険のあとそれぞれの人生を送り、大人になった。そしてさよの息子の絵(かい)と仄田君の娘(りら)は小学4年生、同じ学校のクラスメートである。りらは、クラスの女子三人組にいじめられている。絵はりらがいじめられている事に気付いても、しばらくは何もしなかった。冒険に出るまでの絵の日々、りらの思いなどが丁寧に、薄紙を重ねていくように少しずつ描写されるので、ふたりの戸惑いやもどかしさが、かつて子どもだった大人にもじんわりと伝わってくる。最終章は、りらと絵のその後。★★★★☆
読了日:01月28日 著者:川上 弘美
777 トリプルセブンの感想
徹底的についていない男「天道虫」。もともとは殺し屋なのだが、あまりの運のなさに、「簡単かつ安全な仕事」を請け負っている。今回は超高級ホテルに宿泊する男にプレゼントを届ける、というだけのはずだった。一度見聞きしたものを決して忘れない紙野は、非合法の組織を抜けようとホテルの一室に身を隠し、逃がし屋が雇っていたボディガードを待っていたのだが…。単純で複雑なストーリー。私が今回一番好きなのは乾だ。一筋縄ではいかない、珍しく厚みのあるキャラクターで。他人と自分を比べるところから、不幸は始まるんだって。確かにねー。★★★★★
読了日:01月29日 著者:伊坂 幸太郎
マジョモリの感想
ある朝つばきが目覚めたら、マジョモリから招待状が届きました。いつもは立ち入り禁止の「御陵」ですが、今日は招待状があるので、勇気を出して森に向かいました。そこにいたのがハナさん。ハナさんはつばきにお茶を飲みましょうと言い、いただき物のお菓子「御神饌」を見せます。つばきは家に生クリームやジャムを取りに帰り、戻るとハナさんがお茶を入れてくれました。そしてもう一人の女の子、ふたばちゃんもやってきました。ちょっと変わったお茶会のお話。そして、ハナさんの正体は?ふたばちゃんの正体も、なかなか愉快でした。★★★★☆
読了日:01月30日 著者:梨木 香歩
プリンセス・ダイアリー 永遠のプリンセス篇の感想
前巻から一気に2年がたち、ミアは高校卒業を迎える。え?え?え?だって、マイケルとケンカ別れのように別れたんだよ?リリーとは絶交したんだよ?2年の間動きがまったくなかったってわけ?まあ、ミアが好きなのは最初から最後までマイケルだったけど。JPを好きになるように努力したって言ってる時点で、JPのこと好きじゃないってことだもの。あっさりマイケルと復縁して、リリーとも仲直り。小説も売れたし、大学も家の近所の学校に通うことになり、全方向がハッピーでした。…最初からわかっていたけどね。シリーズ完走おめでとう、私。★★★★☆
読了日:01月31日 著者:メグ・キャボット
読書メーター
年末に大量に本を借りたので、読書に追われるひと月でした。
が、それでも、月に1万ページを読むのは難しいということですなあ。
そろそろ読書のペースを落とそうと思っています。
もう少し丁寧に家事を行ったり映画を観たりしたいので。
ただ、どうやってペースを落とせばいいのかが今のところわかりません。
今までずっと、もっと読みたいという気持ちが強かったので。
そして図書館に行けば、相変わらず本にお呼ばれしてしまうので。
嬉しいけど、困ったなあ。
★5つは5冊。
『蘇我の娘の古事記』は、思っていた内容とは違うものの、面白かった。
この作者は、この時代の作品をたくさん書いているようなので、見かけたらもっと読んでみようと思う。
奈良時代を舞台にした作品が最近増えてきて、大変うれしい。
『日没』は、好きか好きではないかで言うと、圧倒的に嫌い。
だけど目を離すことができないくらい、そのおぞましい管理社会に取り込まれてしまった。
今が、または近い未来がこうならないという保証はないと、最近強く思う。
『了巷説百物語』は、昨年から続く京極夏彦まつりの中でも、圧倒的に好き。
シリーズが今度こそ終わってしまったけれど、彼の作品は時々シリーズを越えて繋がることがあるので、そこに期待する。
又市にまた会いたいよぅ。
『おひるねのいえ』は、子どもと一緒に読むと絶対に楽しい。
絵の隅々にさりげなく描き込まれたあんなことやこんなこと、文章には書いていない情報を見つけるのに、きっとハマる。
『777』これもまた、大好きなシリーズなんだよなあ。
11人も人が死んじゃう殺し屋の話なのにさ。
ただ、『グラスホッパー』は別として、このシリーズは『マリアビートル』といい『AX』といい、最後にものすごく胸を打たれてしまうのだけど、そこまででは…なかったかもな。
でも、人に面倒を押し付けて自分は美味しいとこ取りをする乾が、なぜそうするのかを考えたとき、目的を確実に達成するために危ない橋を渡らないようにするためなんだろうかと思ったりして。
人生のスロットを、自分のために777を出すのではなく、息子に777を残すという親の気持ちには共感したけど、だとしたら天道虫の親はめちゃくちゃ777を出して、その付が彼に…?
1月の読書メーター
読んだ本の数:28
読んだページ数:9731
ナイス数:888
この世にたやすい仕事はないの感想新卒で勤めた職場を退職した私は、職安で「一日コラーゲンの抽出を見守るような仕事はありますかね?」と聞くと、「ありますよ」と言われ勤め始めるのだが…。どんな仕事だって、楽にできるもんじゃないよ、という話であるのは事実だが、もっと普通のしごとの話かと思ったのだ。仕事自体はどれも体力的にきついものではない。その分主人公が一人で空回りしたり追い詰められたりするのだけれど、これがリアルなしごと風景なら読みごたえがあったのだけどねえ。設定が嘘くさすぎて、主人公の心情に寄り添うことはできなかった。★★★★☆
読了日:01月01日 著者:津村 記久子
蘇我の娘の古事記の感想物語は乙巳の変で蘇我入鹿が殺され、蝦夷がその屋敷を焼き払ったただ中で、国史の編纂を手伝っていた船恵尺(ふねのえさか)が、生まれたばかりの入鹿の娘を救出し、自分の子どもとして育てた。入鹿の娘・コダマは、何も知らされずに恵尺の娘としてのびのびと育てられる。ただ、目が不自由で、その代わり優れた耳と記憶力を持つ。章と章の間に、コダマが幼いころに聞いた神話や土地の昔話が差し挟まれていて、それを読むと古事記の中のエピソードがいくつかわかるようになっている。そして、その積み重ねが最後に生きてくるわけさ。面白かった!★★★★★
読了日:01月02日 著者:周防柳
QED 神鹿の棺 (講談社文庫 た 88-61)の感想全体の7~8割が古代史や神社等の蘊蓄で、さすがに飽きる。現実の事件も、江戸時代の話、最近発見された戦後すぐのものと思われる白骨死体の話、村の古老の話等とりとめがなくて、読んでいても集中が続かない。一応これがシリーズの最新作なのだけど、この続きは多分もう読まない。因縁のありそうな薬剤師仲間とか、毒草師とか、タタルの中学時代の恩師とか、人間関係が広がった割にはその後の展開もないし、多分どこまでも日本史の暗部を深掘りして終わるのではないかと思うので。★★★★☆
読了日:01月03日 著者:高田 崇史
いちご同盟 (河出文庫 み 1-2 BUNGEI Collection)の感想作者の名前と『いちご○○』から、学生運動の話かと思っていました。なんと、1990年という比較的最近の中学生の話でした。(でも30年以上前)まあ、時代が変わろうと、中学生は自分の将来に悩み、「僕って何?」って悩むもの。そういう意味では、じれったいほどに主人公の良一はこじらせ中学生でした。でも、だからこそ、難病感動系は不要と思う。作者の腕があれば、そんな設定がなくても小説が書けると思うがなあ。ちなみにタイトルの『いちご同盟』とは、15歳男子二人の同盟のこと。★★★★☆
読了日:01月04日 著者:三田 誠広
スナーク狩り (光文社文庫 み 13-9 光文社文庫プレミアム)の感想宮部みゆきの初期の長編。なのにこの、リーダビリティの高さよ!元恋人の披露宴会場に散弾銃を持ち込む女、関沼慶子。釣具屋の店員で、仲間からは「お父さん」と呼ばれている織口邦男は、金沢に寝台急行で向かうと同僚である佐倉修治に思わせておきながら、姿を消す。誰が…は明らかにされているものの、何をしようとしているのかがわからないまま、何人かの人物を巻き込みながら話は進む。残り30ページでの加速の付き方ったら。「私刑」はもちろん認めることはできない。善人であった側の人をも悪人と同じ土俵に貶めることなのだ。★★★★☆
読了日:01月05日 著者:宮部 みゆき
日没 (岩波現代文庫, 文芸352)の感想組織に対してても足も出ないまま転がされていく怖さが、ものすごくリアル。主人公のマッツ夢井のところに「文化文芸倫理向上委員会」という総務省が管轄する組織からの召喚状が届く。事情聴取や若干の講習等が予定されているので、宿泊の準備をしてくるように、と。穏やかな社会形成に反することは全て処罰の対象となり、反抗的な態度を改めさせるために、執拗に繰り出されるあれこれが全て恐ろしい。「景気が好いと浮かれ、他民族より優秀と自惚れている間に、政府のいうことを聞く愚民を大量生産する」私は多分殴られた時点で転向する。★★★★★
読了日:01月07日 著者:桐野 夏生
夜明けのすべて (文春文庫 せ 8-5)の感想月に一度、PMSで感情を押さえられなくなり、大手の会社から栗田金属というこじんまりとした会社に転職した美紗。最近入社した山添は、覇気がなくぼんやりとした今どきの若者。ところが、ひょんなことから彼がパニック障害で苦しんでいることを知る。ふたりとも自分のことで精いっぱいの時は何もできないのだが、誰かのためには動くことができる。ずっと自分を否定してきた二人が、少しずつ自分の出来ることを見つけ、自信を取り戻していく。この本を読んで欲しい人がいる。どうやってこの本を勧めようか。それが、これからの私の課題だ。★★★★☆
読了日:01月08日 著者:瀬尾 まいこ
GOSICK IV ─ゴシック・愚者を代弁せよ─(ビーンズ文庫) GOSICK(ビーンズ文庫) (角川ビーンズ文庫)の感想今回の事件は、学校内の時計塔で起きた密室殺人事件。久城は早速ヴィクトリカの退屈を癒すため、彼女のもとに行こうとするのだが、今回はアブリル嬢があの手この手で引き留めようとする。第一次世界大戦から第二次までの、不安定なヨーロッパ情勢。新興国アメリカに対抗するにはどうしたらいいか。という大人の事情も相まって、いよいよヴィクトリカの存在が重要度を増す、らしい。ヴィクトリカの生母の家に忍び込み、何かを盗み出したと思われるブライアン・ロスコ―もヴィクトリカの前に姿を現し、さあ、話はどこに向かっていくのだろう。★★★★☆
読了日:01月09日 著者:桜庭 一樹
銀杏手ならい (祥伝社文庫)の感想喧嘩ひとつしたことのない夫から、結婚三年目の日、子どもができなかったことを理由に離縁された萌。すでに大人ではあるが、萌の成長物語ではあるのだ。離縁されたこと、手習所の女師匠として子どもたちの持つ問題を解決する手助けをすること、そして銀杏堂前に捨てられた捨子の美弥の母となること。けれど、「筆子」の子どもたちもまた、いいのよ。精一杯今日を生きる子どもたち。萌は、手習とは嵐のような世間で生きていくための「板きれ」のようなものだと考える。貧乏から脱出するためには、その板切れが、知識や教養が必要だと知っているから。★★★★☆
読了日:01月10日 著者:西條奈加
フリーター、家を買う。 (幻冬舎文庫)の感想主人公は3ヵ月で職場を辞め、小遣い稼ぎのバイトをしながら、悠々自適のフリーター生活を送っている。ある日、結婚して家を出た姉が、母の鬱病を家族に告げる。確かに世間知らずの甘ちゃんで、都合の悪いことには耳をふさいでフリーター生活を謳歌してきた誠治はダメダメだ。それよりも許せないのが、ご近所のいじめグループ。大人のいじめっていうだけで、バカじゃないの?って思うのに、我が子を使って他人の子どもをいじめるってどういうこと?いろいろ腹立たしいけれど、主人公がとにかくお母さんの笑顔を取り戻すために奮闘する姿がよい。★★★★☆
読了日:01月11日 著者:有川 浩
地図と拳 上 (集英社文庫)の感想日露戦争前の満州を舞台にした出だしを読み始めたとき、こういう作品特有の読みにくさがなくて驚いた。聞き覚えのない固有名詞が大量に出てくるため、どうしてもすらすら読むことはできないのだけど、必要以上の文章の堅苦しさがなく、作者の書いている映像が脳内にイメージできる。シーン転換による視点の移動は、物語全体を立体的に把握するのに役立つが、把握そのものに手間取るという弊害もある。物語がどこへ向かって、どこへ終着しようとしているかは、今のところまだわからない。けれども、きっと大きな満足が得られるのではないかと思う。★★★★☆
読了日:01月12日 著者:小川 哲
七夜物語(下)の感想七つの夜を共に過ごしたさよと仄田くんは、確かにかけがえのない体験を共にした。けれど、読み終わったら忘れてしまうのが「七夜物語」のお約束。子どもらしい几帳面さ、乱雑さ、不安や自信なども七夜の体験の中に置き忘れ、二人は成長し、大人になる。でも、世の中は白黒、善悪、好悪と、きっぱり二つに分けることなどできず、効率的な分断は薄っぺらいものであるということを、多分心の奥底で忘れずにいると信じている。自分の未来は自分で作っていくしかないんだ。そしてそれは、他者を否定するものであってはならないんだ。★★★★☆
読了日:01月13日 著者:川上 弘美
了巷説百物語の感想舞台は水野忠邦の行った天保の改革が庶民を苦しめていた前後の江戸。その水野方陣営に雇われたのが、嘘を見破る「洞観屋」こと稲荷(とうか)藤兵衛。主人公は又市たちの敵?ストーリーが大掛かりなので、登場人物もやたら多い。長耳の仲蔵が断った以外は、主な「化け物遣い」たちはみんな出てくる。が、百助と又市は、伝聞で出てくるが、本人たちは最終章まで姿を現さない。その代わり、「洞観屋」の藤兵衛と「憑き物落とし」の中禅寺が出てくる。もう、オールスターだよね。京極夏彦作品の中で、このシリーズが一番好きだ。又市が好きなんだよ。★★★★★
読了日:01月17日 著者:京極 夏彦
デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場 (集英社文庫)の感想栗城氏のことは、七大陸の最高峰を単独無酸素での登頂を目指していることを知っていた。数年後、ネットニュースで見たのは、彼が詐欺師であるという記事だ。さらに数年後、彼の訃報がニュースになった。若い人の死は、ショックだった。彼がエベレスト登頂に成功する道はいくつもあった。単独に、無酸素にこだわらなければ。そして、登山を基礎からきちんと学んでいたなら。数々の彼の弱さ、欠点はあるとして。でも、彼は実際エベレストまで行って、辛い思い、苦しい思いをしながらある程度までは登ったのだ。それだけは、なかったことにはできない。★★★★☆
読了日:01月18日 著者:河野 啓
プリンセス・ダイアリー 崖の下のプリンセス篇の感想前巻でマイケルとけんかになり、彼からもらったペンダントを叩き返してしまったミア。そのままマイケルは日本へと飛び立ってしまう。相変わらずドタバタなんだけど、今回はリリーとずーっと絶好状態で、逆にラナとの距離が近づいた。仲良くなってみれば、毒舌ではあっても、さほど性格の悪いわけではないラナとのガールズトークは、楽しくないわけではない。ミアはどうしてもリリーと仲直りをしたいみたいだけど、私は最初からリリーのことが好きではなくて、今回リリーがミアにした仕打ちなどは相当陰険だと思っている。ティナが親友じゃダメなの?★★★★☆
読了日:01月19日 著者:メグ・キャボット
おひるねのいえの感想2ページ目の文章に”おうちのなかには、ベッドがあるの。きもちのいーいベッド。”とあるのに、ベッドで寝ているのはおばあさんだけ。孫と思しき坊やは椅子の上で寝ています。おやおや?と思ってページをめくると、椅子を降り毛布を引きずった坊やの姿。ふんふんなるほどね、と思うのはまだ早い。絵本の定番のような話の進み方をするのは、途中まで。最後の展開などだれが予想したでしょう?ストーリーも面白いのですが、絵も丁寧です。びっくりするほど寝相が悪いおばあさん。でも枕はいつも頭の下。笑。丁寧に作られて、そして面白い絵本でした。★★★★★
読了日:01月20日 著者:オードリー ウッド
すてきなおうちの感想マーガレット・ワイズ・ブラウンの書く絵本が好きです。絵を描かずに文章だけで、どうやってこんなに子どもの気持ちを掴めるのだろうといつも思います。今回も、誰のおうちだろうと予想しながら読むのは楽しかったです。もちろん、私は大人なので簡単にわかるのですが、最後のはわからなかった。大人の頭で考えると、これは地球のようなものなのかな。陸に住むもの、空を飛べるもの、水に生きるものたちがみんな仲良く一緒に暮らせる家って。ただ、絵がね…。2ページ目のイラストは、おとこのことおんなのこが、男の子とお母さんに見えてしまった。★★★★☆
読了日:01月21日 著者:マーガレット・ワイズ ブラウン
沈黙博物館の感想村の人々の形見の品を集めて展示する「沈黙博物館」。一人の老婆の執念と、博物館専門技師の努力と、老婆の養女、家政婦、庭師たちが作り上げようとするその博物館とは。現実とファンタジーのあわいにある物語は、小川洋子の得意分野ではあるけれど、この作品は少し違うような気がした。小説の感想を別な小説で例えるのはいかがなものかと自分でも思うけれども、これは吉田修一の『パレード』ではないのかと思った。身近にいる人の違和を見ないようにする主人公。けれども最後まで読んで、これは安部公房の『砂の女』だな、とも思えた。難解。★★★★☆
読了日:01月22日 著者:小川 洋子
哲学 (幻冬舎よしもと文庫 2-1)の感想20年以上前に出版された本。この当時お笑い界の頂点にいた二人が、ともに現在前線から退いてしまったというのは時代を感じてしまう。どちらも自分にお笑いの才能があることを疑ってはいない。すごいのは、高校を卒業したくらいでもう、自分のやりたいお笑いのスタイルを見極めて、それを叶えるために戦略的に動いているということ。M-1でいつも松本人志の審査と私の評価が違うのは、単なる笑いの趣味の違いと思っていた。でも多分、完成された形としての漫才を見て笑いたい私と、発想の妙の発芽を見つけて評価するプロの目の違いなんだろうな。★★★★☆
読了日:01月23日 著者:島田 紳助,松本 人志
運命のコイン(上) (新潮文庫)の感想大学進学を控えたソ連の青年アレクサンドルは、職場に組合を作ろうとした父が当局に殺されたため、母親のエレーナと共に亡命することにした。亡命先はコインが決める。表が出たらアメリカで、裏が出たらイギリス。さて、彼らの運命はどちらに…。冷戦時代を舞台に、自由の国に逃れた青年がどう生きていくのか。イギリスに亡命した場合とアメリカに亡命した場合、両方の運命が交互に語られる。イギリスではサーシャ、アメリカではアレックスと呼ばれているので、ややこしくはあるが混乱はしない。どちらも波瀾万丈で、続きが気になってしょうがない。★★★★☆
読了日:01月24日 著者:ジェフリー・アーチャー
スキマワラシ (集英社文庫)の感想散多は、兄の営む古道具屋を手伝っている。時々、古いものの持つ記憶が一瞬見えてしまうこともある。大きく2つの謎があるのだが、この兄弟、決して焦ったりしない。話のテンポとしては決して良いとは言えないのだけれど、なぜだか読まされてしまう。面白かった、と、最初に言っておこう。私はこの作品好き、と。でも、嫌いな人も多いだろうということはわかる。まず、謎の解明が中途半端というか、それは解明じゃないよ!作品の出来不出来で言うと、不出来と言わざるを得ない。でも、それでも面白く読めたのだから、私との相性はよかったのだろう。★★★★☆
読了日:01月25日 著者:恩田 陸
家族じまい (集英社文庫)の感想猛夫とサトミは80代の夫婦。毎日母に電話をする次女の乃理が、母の異変に気付いた。父に問いただし、母が認知症になったことを知った乃理は、実家とほとんど連絡を取ろうとしない姉の智代にそれを伝えた。もう、智代の逡巡が刺さりまくり。好きで認知症になったわけでないのはわかっているけど、家族だから苛立たしいという思い。釧路に暮らす猛夫とサトミ。江別に暮らす智代と、函館の乃理。同じ北海道といえど、その距離感のはるかなことが、地理的によくわかる。でもまあ、サトミの姉のおかげで読後感はさほど悪くない。★★★★☆
読了日:01月26日 著者:桜木 紫乃
松本ぷりっつの夫婦漫才旅 ときどき3姉妹 ご当地名物めし編 (MF comic essay)の感想今回銀座は行ったことある界隈だったので、懐かしく読めたのだけど、神楽坂は見事に行ったことない方向に進んでいて、なるほどいわゆる神楽坂らしさはこのあたりにあるのだな、と納得した。名古屋と大阪については、今後のライブ参戦時に参考にさせてもらう。でも金シャチ横丁は価格設定が高めだった記憶が…。そして大阪。粉もんと串揚げ以外の美味しいものを知りたいのだが。あべのハルカスまで行って2階の道産子プラザで時間を潰すわしら…。天神橋筋商店街は行ってみたい。
読了日:01月26日 著者:松本ぷりっつ
分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議の感想コロナ対策専門家会議は、国の機関ではない。感染症対策の専門家たちが、自主的に立ち上げた組織だ。法的権限は何もない。ただ、政府に提言し、政策の根拠としてほしいと。けれど内閣の責任、省庁の面子などで、思うように対策を講じることはできなかった。逆にマスコミの前で発言する専門家たちに対抗するように、政府は彼らに何の相談もなく学校の全国一斉休校や、布マスクの配布を決めた。命懸けで、コロナの拡大を防ごうとした人たちへの評価が、低すぎるのではないかという思いが強くした。★★★★☆
読了日:01月27日 著者:河合 香織
明日、晴れますように 続七夜物語の感想前作『七夜物語』の主人公鳴海さよと仄田鷹彦の二人は、冒険のあとそれぞれの人生を送り、大人になった。そしてさよの息子の絵(かい)と仄田君の娘(りら)は小学4年生、同じ学校のクラスメートである。りらは、クラスの女子三人組にいじめられている。絵はりらがいじめられている事に気付いても、しばらくは何もしなかった。冒険に出るまでの絵の日々、りらの思いなどが丁寧に、薄紙を重ねていくように少しずつ描写されるので、ふたりの戸惑いやもどかしさが、かつて子どもだった大人にもじんわりと伝わってくる。最終章は、りらと絵のその後。★★★★☆
読了日:01月28日 著者:川上 弘美
777 トリプルセブンの感想徹底的についていない男「天道虫」。もともとは殺し屋なのだが、あまりの運のなさに、「簡単かつ安全な仕事」を請け負っている。今回は超高級ホテルに宿泊する男にプレゼントを届ける、というだけのはずだった。一度見聞きしたものを決して忘れない紙野は、非合法の組織を抜けようとホテルの一室に身を隠し、逃がし屋が雇っていたボディガードを待っていたのだが…。単純で複雑なストーリー。私が今回一番好きなのは乾だ。一筋縄ではいかない、珍しく厚みのあるキャラクターで。他人と自分を比べるところから、不幸は始まるんだって。確かにねー。★★★★★
読了日:01月29日 著者:伊坂 幸太郎
マジョモリの感想ある朝つばきが目覚めたら、マジョモリから招待状が届きました。いつもは立ち入り禁止の「御陵」ですが、今日は招待状があるので、勇気を出して森に向かいました。そこにいたのがハナさん。ハナさんはつばきにお茶を飲みましょうと言い、いただき物のお菓子「御神饌」を見せます。つばきは家に生クリームやジャムを取りに帰り、戻るとハナさんがお茶を入れてくれました。そしてもう一人の女の子、ふたばちゃんもやってきました。ちょっと変わったお茶会のお話。そして、ハナさんの正体は?ふたばちゃんの正体も、なかなか愉快でした。★★★★☆
読了日:01月30日 著者:梨木 香歩
プリンセス・ダイアリー 永遠のプリンセス篇の感想前巻から一気に2年がたち、ミアは高校卒業を迎える。え?え?え?だって、マイケルとケンカ別れのように別れたんだよ?リリーとは絶交したんだよ?2年の間動きがまったくなかったってわけ?まあ、ミアが好きなのは最初から最後までマイケルだったけど。JPを好きになるように努力したって言ってる時点で、JPのこと好きじゃないってことだもの。あっさりマイケルと復縁して、リリーとも仲直り。小説も売れたし、大学も家の近所の学校に通うことになり、全方向がハッピーでした。…最初からわかっていたけどね。シリーズ完走おめでとう、私。★★★★☆
読了日:01月31日 著者:メグ・キャボット
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